環境問題に関する国際協定が貨物の輸出入にどのように関係しているのか、疑問をお持ちの方もいらっしゃるものと思われます。
しかしながら、世界的に環境問題に関する意識が高まり、今後ますますその傾向は強まることが予測されるところです。
今後、環境問題の観点から輸出入に一定の規制が課されることが考えられますので、現時点でそのような規制を伴う国際協定の概要を認識しておくことが重要です。
そこで、本日は、環境問題に関する代表的な国際協定等の概要について、ご紹介いたします。
このページの目次
1 ワシントン条約
ワシントン条約とは、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」のことを指し、「希少動植物の輸出入取引の制限及び禁止」を目的としております。
具体的には、ワシントン条約の既製品を輸出する場合には、外為法、輸出貿易管理令により、経済産業大臣の承認が必要です。
また、ワシントン条約付属書Ⅰに掲げられた既製品を輸入する場合においても、外為法、輸入貿易管理令により、経済産業大臣の承認が必要です。
2 モントリオール議定書
ウィーン条約に基づくもので、フロン・ハロン等の特定物質によるオゾン層の破壊からオゾン層を保護すること(特定フロン・ハロン等の全廃)を目的としております。
3 バーゼル条約
バーゼル条約とは、「有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関する条約」のことを指し、有害廃棄物の移動及び処分の規制を目的としています。
また、これら有害廃棄物を輸出をする場合には、外為法、輸出貿易管理令により、経済産業大臣の承認が必要です。
輸入に関しても、外為法、輸入貿易管理令により、経済産業大臣の承認が必要です。
4 弁護士へのご相談をご希望の方へ
上記のとおり、今後、環境問題の観点から、新たに輸出入に一定の規制が課されることも考えられます。
当事務所は、代表弁護士が、輸出入や通関手続きに関する唯一の国家資格である通関士資格を有しており、輸出入や通関手続きのトラブルに関して幅広くご相談をお受けしております。
環境問題の観点から輸出入に課される規制をはじめとして、輸出入や通関手続きに関してご不明な点等ありましたら、お気軽に当事務所までご相談ください。