原産地基準について

特恵関税等の優遇措置を受けるためには、輸入貨物が原産地基準を充足する必要があります。
原産地を認定する基準としては、WTO原産地規則に関する協定第9条第1項(b)において、「特定の物品の原産地であると決定される国は、当該物品が完全に生産された国又は、最後の実質的な変更が行われた国のいずれかとすることを規定すべき」としており、この考え方が日本を含め世界の多くの国で原則的な考え方として採用されているのが実情です。

以下では、日本で採用されている原産地基準をご紹介いたします。

 

1 原産地基準について

(1)完全生産品基準
一つの国において完全に生産されることを要件とするもので、主に農産品や鉱業品などに適用されております。

(2)実質的変更基準
物品の生産に2カ国以上の国が関与している場合、当該物品に最後に実質的変更を加えた国を原産地とする基準で、さらに以下の三つの基準があります。

①関税番号変更基準
関税分類番号(HSコード)の変更を実質的変更とみなす基準のことを指します。
関税分類番号は、上2桁を「類」、上4桁を「項」、上6桁を「号」と区別されます。そして、日本では、上4桁「項」の変更基準を採用しております(関税法施行規則第1条の6、関税法基本通達68-3-5)。

②付加価値基準
物品の調達、生産、加工等の作業に伴って付加された価値を価額換算し、当該付加価値が一定の基準値を超えた場合に、実質的変更があったとみなす基準です。

③加工工程基準
特定の生産・加工工程が実施された場合に実質的変更がなされたとみなす基準です。

具体的な条約内において、上記の内のどの基準が採用されるかが規定されているので、実際にどの基準が採用されているかを判断するためには、条約の内容を詳細に確認する必要があります。
例えば、シンガポールとの間のEPAにおいては、関税番号変更基準が原則とされておりますが、化学製品等特定の品目の貨物については、付加価値基準を用いることもできると規定されております。

 

2 弁護士へのご相談をご希望の方へ

当事務所は、代表弁護士が輸出入や通関に関する唯一の国家資格である通関士資格を有しており、輸出入トラブルや通関トラブルに関するご相談を幅広くお受けしております。
輸出入トラブルや通関トラブルでお困りの方やご不明な点やご不安な点等ございましたら、ご遠慮なく当事務所までご相談ください。

 

無料相談ご予約・お問い合わせ

 

ページの上部へ戻る

トップへ戻る

03-5877-4099電話番号リンク 問い合わせバナー