近年、ワシントン条約(CITES:絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)の重要性が高まる中、事業者が意図せずその規制に違反するケースが増えています。
違反が摘発された場合、事業者としては迅速かつ適切な対応を取ることが極めて重要です。本日は、弁護士の視点から取るべき具体的な対策をご説明します。
このページの目次
1 違反内容の確認
まず、摘発された違反行為の内容を正確に把握することが必要です。
どの貨物が規制対象であったか、輸出先の国との間で必要な手続き(許可証の取得など)が行われていなかった理由を明確にしましょう。
これには、輸出に関与した取引先や関係者全体からヒアリングをすることも含まれます。
2 直ちに行政機関に協力
違反が指摘された場合、担当する行政機関(たとえば税関や経産省等)の調査に全面的に協力することが重要です。
隠蔽や虚偽の報告は絶対に行ってはいけません。このような行為をしてしまうと、違反が悪質であると見なされ、ペナルティが重くなる可能性があります。事実を正直に開示し、必要に応じて担当弁護士を通じて正確な説明を行うことをお勧めします。
3 徹底した社内調査の実施
違反が発生した原因を究明するため、速やかに社内調査を行いましょう。
この際、輸出管理やコンプライアンス体制に不備がなかったか、CITESに関する知識や教育が十分だったかを確認します。このような調査は社内で行うこともありますが、外部の弁護士に依頼して調査することも十分考えられます。
また、調査結果を踏まえて再発防止策を策定します。
4 必要な手続の確認
CITES違反の多くは、許可の取得漏れや対象種の誤認が原因です。
取引している物品がCITESで規制される可能性がある場合、今後は必ず専門家や行政機関に確認し、必要な許可を取得してください。
5 再発防止策の徹底
違反後の対応として最も重要なのは、再発防止策を構築し、従業員全体に徹底することです。例えば、以下のような施策を導入することが考えられます:
①ワシントン条約に関する社員教育の実施
②規制対象貨物をチェックするためのシステム導入
③取引先との契約書にCITES遵守条項を追加すること
6 弁護士への相談
ワシントン条約違反は刑事責任や場合によっては民事責任を問われる可能性があるため、専門の弁護士に相談することが不可欠です。
不十分な知識で不適切な対応を行ってしまうと、傷口がどんどん大きくなり将来の事業にとって取り返しのつかない事態となる場合もあります。
7 意図しない違反をしてしまうことこそご注意ください
意図しない違反であっても、法的責任を免れることは難しい場合があります。
しかし、迅速な対応と誠意ある姿勢を示すことで、ペナルティを最小限に抑えられる可能性があります。
違反の発覚時には慌てず、まずは専門家に相談することをお勧めします。
法的対応や再発防止策についてお困りの場合は、ぜひ弁護士にご相談ください。一緒に最善の解決策を見つけていきましょう。

有森FA法律事務所の代表弁護士、有森文昭です。東京大学法学部および法科大学院を卒業後、都内の法律事務所での経験を経て、当事務所を開設いたしました。通関士や行政書士の資格も有し、税関対応や輸出入トラブル、労働問題など、依頼者の皆様の多様なニーズにお応えしています。初回相談から解決まで一貫して対応し、依頼者の最良のパートナーとして、共に最適な解決策を追求してまいります。