Archive for the ‘コラム~人事労務・労使トラブル~’ Category
SNS利用管理規程及びハラスメント防止規程について
人事労務管理のために企業において具備すべき規程としては様々なものが考えられるところですが、なかなかこのような規程を設けることまでにて手が回らないという企業が多いように思います。
そこで、本日は、社員の人事労務管理のために企業において具備すべき代表的な規程のうち、最近採用が広がっているSNS利用管理規程及びハラスメント防止規程について、ご紹介いたします。ご参照いただけますと幸いです。
1 SNS利用管理規程
近年は、SNS(フェイスブック、ツイッター、ライン、動画共有サイト等)が普及しており、企業としては、、社員がこのようなSNSを利用する場合のルールを明確にしておくことが求められます。このような規程を設けないことで、社員による不適切な投稿によるトラブルが非常に多くなる可能性があります。
そこで、このような規程では、どのような投稿が認められないか等を具体的に記載するとともに、SNSの利用に関する社員教育・研修に関する規定も盛り込むことが考えられますs。
2 ハラスメント防止規程
セクシャルハラスメント、パワーハラスメントをはじめ、現在では様々なハラスメントが問題となり得ます。これらについて予防を図るとともに、ハラスメントが発生した場合の適切な対応を採ることが企業によっては極めて重要です。
なお、ハラスメント防止とともに、相談窓口等に関する規定を設けることも考えられます。
3 弁護士へのご相談をご希望の方へ
当事務所は、人事労務に関するご相談を幅広くお受けしております。
弁護士に相談をした方がよいかお悩みの方もいらっしゃるものと思いますが、お悩みをご相談いただくことで、お悩み解消の一助となることもできます。
日々の業務の中で発生する人事労務に関するご相談や、新しい労働関連法規の成立、修正により自社にどのような影響が生じているかを確認したいといった場合まで、人事労務に関してご不明な点やご不安な点等ございましたら、お気軽に当事務所までご相談ください。

有森FA法律事務所の代表弁護士、有森文昭です。東京大学法学部および法科大学院を卒業後、都内の法律事務所での経験を経て、当事務所を開設いたしました。通関士や行政書士の資格も有し、税関対応や輸出入トラブル、労働問題など、依頼者の皆様の多様なニーズにお応えしています。初回相談から解決まで一貫して対応し、依頼者の最良のパートナーとして、共に最適な解決策を追求してまいります。
指導教育規程及び懲戒処分運用規程について
本日は、社員の人事労務管理のために企業において具備すべき代表的な規程のうち、指導教育規程及び懲戒処分運用規程について、ご紹介いたします。
ご参照いただけますと幸いです。
1 指導教育規程について
指導教育規程とは、会社が、社員を指導教育する際に手続きや基準、具体的な内容について定めた規程です。
能力不足の社員を解雇する際にも、このような規程があることで、具体的に社員に対してどのように指導教育するかが明確になりますので、会社にとっても、社員にとっても、分かりやすい指導教育環境を実現することにつながります。
加えて、指導教育に関する資料が客観的に残るように制度を作成することで、仮に裁判になった場合も、有用です。
2 懲戒処分運用規程について
労働契約法15条では、使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は無効とする、と規定しております。
そして、この前提として、懲戒権に基づいて規定された有効な懲戒処分の根拠規定が必要です。
このような規程には、社員の自宅待機に関する規定や懲戒処分のルールを設けることや、弁明の機会を設けることや、懲戒処分の審議方法についても設けておくことが重要です。
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能力不足の従業員の解雇について
本日は、能力不足の従業員の解雇についてご紹介いたします。
能力不足で雇用継続することが好ましくない場合であっても、簡単に解雇することができるわけではありませんので注意が必要です。
以下、ご説明いたしますので、ご参照いただけますと幸いです。
1 能力不足の従業員の解雇について
まず、解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする(労働契約法16条)とされております(いわゆる解雇権濫用法理です。)。
能力不足を理由とする解雇については、ブルームバーグ事件(東京公判平成25年4月24日)等参考となる裁判例が複数ありますが、以下の点について注意をして慎重に検討する必要があります。
①企業側が希望する能力に達していないこと
企業の求める能力が不足していると考える前提として、まずは、企業がもとめる能力の内容を具体的に従業員に対して説明し、共有する必要があります。
労使間で十分に共有できていないと、企業側の一方的な解雇である等と事後的に問題となる可能性が高まります。
②能力不足の改善に向けた具体的な指導、教育が不足していること
単に従業員の能力不足というだけでは足らず、会社が従業員に対して指導・教育を具体的に行ったにもかかわらず、改善の見込みがないことが認められる必要があります。
③能力不足の重大性を見誤ったこと
不足している能力の種類と程度が重大なものではない場合には、解雇までは認められない可能性が高まりますので、注意が必要です。
2 弁護士へのご相談をご希望の方へ
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私生活上の非違行為を理由とする解雇について
本日は、私生活上の非違行為を理由とする解雇について判断した裁判例を紹介いたします。
私生活上の非違行為は、業務上の問題ではありませんので、解雇事由とすることは間違っているのではないかという考えがある一方で、私生活上の非違行為であっても、ニュース等で報じられる場合、会社にも大きな悪影響が生じる可能性が高いですので、当然に解雇事由に該当するとの考えもありうるところです。
以下のご説明をご参照いただけますと幸いです。
1 東京メトロ事件(東京地判平成27.12.15)
私生活上の非違行為を理由とする諭旨解雇が問題となった事案において、労働者の私生活上の非違行為も解雇の対象となり得ることを認めた上で、その基準について、「会社の企業秩序に直接の関連を有するもの及び企業の社会的評価の毀損をもたらすと客観的に認められるもの」である必要があると判示しました。
上記裁判例を踏まえると、原則として、私生活上の非違行為に対しては、会社の懲戒権は及びませんが、例外的に及ぶ場合もあるとの枠組みが考えられます。
そのため、私生活上の非違行為を理由として懲戒解雇を行う場合には、行為に対して過重な処分ではないか、また、社員に対して弁明の機会を付与しているかどうか、といったことを総合的に判断する必要があります。
そして、単に、私生活上の非違行為の結果、会社のイメージが下がったと思われる、というような理由で解雇をすることはできませんので、注意する必要がありる点は改めて認識すべきところです。
2 弁護士へのご相談をご希望の方へ
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マタハラについて
マタニティハラスメント(以下「マタハラ」といいます)についての問題が顕在化されることが昨今増えてきております。
企業にとっては、パワハラやセクハラへの対応と同じく、このようなマタハラへの対応を適切に行うことが非常に重要です。
そこで、本日は、マタハラについての裁判例をご紹介いたしますので、ご参照いただけますと幸いです。
1 広島中央保健生協事件(広島高判平成27年11月17日)
(1)争点
妊娠中の従業員が、軽易な業務への転換に際して副主任を免ぜられたことが男女雇用機会均等法9条3項に違反して無効となるか否かが主要な争点となりました。
(2)判示
裁判所は、以下の2つの法令を検討の前提としました。
まず、労働基準法65条3項は、使用者は妊娠中の女性が請求した場合には、他の軽易な業務に転換させなければならないと規定されております。
次に、男女雇用機会均等法9条3項は、女性労働者の妊娠、出産、産前産後の休業その他の妊娠又は出産に関する事由であって厚生労働省令で定めるものを理由として、解雇その他の不利益な取扱いをしてはならないと規定しておりますが、不利益な扱いを禁止された事由には、労働基準法65条3項により他の軽易な業務に転換するよう請求したこと、又は他の軽易な業務に転換したことも含まれております(男女雇用機会均等法施行規則2条の2第6号)。
そして、裁判所は、妊娠中の経緯業務への転換を契機として降格させる事業主の措置は、原則として禁止する取り扱いに該当すると判断しました。
その上で、裁判所では、このような不利益取扱いの違法性阻却事由である「労働者の自由な意思に基づく承諾」又は「業務上の必要性からの支障」の有無を検証しましたが、いずれも否定する判断をしました。
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事業場外みなし制度について
労働者が、事業場外で業務に従事する場合、労働時間を使用者側が把握することが困難といえます。
このような場合に備えて、労働基準法上は、事業場外みなし制度というものを設けております。
本日は、当該事業場外みなし制度の概要をご紹介いたしますので、ご参照いただけますと幸いです。
1 事業場外みなし制度について
労働者が、労働時間の全部または一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、所定時間労働したものとみなされます(労働基準法38条の2第1項本文)。
ただし、当該業務を遂行するためには通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合においては、当該業務の遂行に通常必要とされる時間労働したものとみなされます同条1項但書)。
もっとも、この場合、事業場の労使協定があれば、当該協定に定める時間を当該業務の遂行に通常必要とされる時間とみなされます(同条2項)。
この点について、阪急トラベルサポート事件(最判平成26.1.24)では、①業務の性質、内容や②その遂行の態様、状況等、③本件会社と添乗員との間の業務に関する指示及び④報告の方法、内容やその実施の態様、状況等を踏まえて、労働基準法38条の2第1項但書にいう「労働時間を算定しがたいとき」に該当するかどうかの判断をしました。
以上のとおり、事業場外みなし制度は設けられておりますが、どのような場合にも適用されるものではなく、一定の規律の下に認められるものといえますので、注意が必要です。
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固定残業代について
本日は、固定残業代について、ご紹介いたします。
固定残業代という仕組を利用している企業は増えておりますが、認められる場合に関して誤解がある場合が多いですので、ご注意ください。
以下、概要をご紹介いたしますので、ご参照いただけますと幸いです。
1 固定残業代について
固定残業代について、一定の固定残業代を事業者に対して支給することで、無制限に残業を実施することが可能となると誤解されていることがあります。
しかしながら、このような考えは誤りです。
固定残業代が認められる場合についての考え方については、テックジャパン事件(最高判平成24.3.8)における櫻井裁判官の補足意見が参考になります。
同裁判官の判示は以下のとおりです。
①毎月の給与の中にあらかじめ一定時間の残業手当を算入して支給されている場合には、その旨が雇用契約上も明確にされている必要がある。
②支給時に支給対象の時間外労働の時間数と残業手当の額が労働者に明示されている必要がある。
③上記②を超えて残業が行われた場合には、当然そのような所定の支給日に別途上乗せして残業手当を支給する旨もあらかじめ明らかにされていなければならない。
以上を踏まえますと、固定残業代は、その金額だけではなく、当該固定残業代が何時間分であるかについてまで明記する必要がありますので、例えば、
「固定残業代5万円。20時間分の時間外労働手当として支給。時間外労働の有無にかかわらずこれを減額しない。実際の時間外労働時間数がこの時間数を超過した場合には、超過額を支給する。」
という形で記載する必要があります。
2 弁護士へのご相談をご希望の方へ
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定年後の継続雇用制度について
かつては、定年制が広く採用されており、55歳や60歳等一定の年齢になった従業員は定年退職をするということが一般的でした。
しかしながら、昨今では、少子高齢化や、人不足、また、高年齢者の就労意欲の高さ等から、このような定年制は必ずしも以前のように通用しているわけではないというのが実情です。
また、政策としても定年後の継続雇用制度が採用されており、企業としては、適切に対応することが非常に重要です。
そこで、本日は定年後の継続雇用制度についてご紹介いたします。
1 定年後の継続雇用制度について
平成24年改正の高年齢者雇用安定法(平成25年4月1日施行)の改正は以下のとおりです。
会社が65歳未満の定年を規定している場合で、「高年齢者雇用確保措置」として継続雇用制度の導入を選択している場合には、原則として、就業規則上の解雇事由又は退職事由に該当しない希望者全員を、65歳まで継続雇用制度の対象者とすることが必要となりました。
もっとも、例外として、旧法の段階で既に労使協定などで継続雇用制度の適用対象者の「選抜基準」を規定し、その基準に基づき対象者の選抜を実施していた企業については、経過措置の適用が認められております。
この経過措置に該当する企業は、下記の時期ごとに規定する年齢までは、希望者全員の継続雇用が必要になるものの、当該年齢以降については、旧法の段階で規定した選抜基準に基づいて対象者の選抜が可能です。
①平成31年3月31日まで・・・・62歳までについては希望者全員
②平成34年3月31日まで・・・・63歳までについては希望者全員
③平成37年3月31日まで・・・・64歳までについては希望者全員
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虚偽求人にはご注意ください!
「ハローワークで求人票をみて応募し就職が決まったものの、実際の労働条件は求人票の記載とは大きく異なるものでした。これって問題ではないですか。」というような話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
実際、ニュースでも定期的にこのような話題が取り上げられているように思います。
労働条件は、労使双方にとって非常に重要となりますので、本日は、求人票の記載についてご紹介いたします。
1 虚偽求人について
職業安定法65条9号(罰則を定めた規定)に、「虚偽の条件を提示して、公共職業安定所又は職業紹介を行う者に求人の申込みを行った者」という規定がありますので、求人票には虚偽の記載をしてはいけません。
仮に虚偽の記載をした場合には、罰則としては、6月以下の罰金又は30万円以下の罰金に処せられる可能性があります。
また、厚生労働大臣の定める指針(平成29年厚生労働省告示232号)の第3の1の3号においては、労働者の募集を行う者等は「明示する従事すべき業務の内容等は、虚偽又は誇大な内容としないこと」と規定されております。
労働者の募集や求人の申込みの際には、少なくとも以下の事項を書面により明示する必要があります。
この明示は、求職者が希望する場合には、電子メールにより明示することも可能です。
求人票において記載すべき事項は、以下の各事項になります。
①業務内容、②契約期間、③試用期間、④就業場所、⑤就業時間、⑥休憩時間、⑦休日、⑧時間外労働、⑨賃金、⑩加入保険、⑪募集者の氏名又は名称、⑫派遣労働者として雇用する場合
仮に、求人票とは異なる条件での契約締結を求める場合には、事前のなるべく早い段階で、その変更内容を書面で比較対照できる形式で明示する必要がありますので、ご注意ください。
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就業規則の変更に基づく労働条件の不利益変更について
就業規則は、事業所における労働条件を一律に規定するものです。
そのため、就業規則を利用することで労使間の労働条件を一律に変更することが可能となりますので、就業規則の変更をうまく利用することは、会社にとって非常に重要な取扱いとなります。
もっとも、就業規則を会社が自由に変更することができるわけではなく、特に就業規則を従業員の不利益となるように変更する場合には、一定の規律がありますので、当該規律を把握することがまずは重要となります。
そこで、本日は、就業規則の変更に基づく労働条件の不利益変更に関する規律をご紹介いたします。
ご参照いただけますと幸いです。
1 就業規則の変更に基づく労働条件の不利益変更について
労働条件の不利益変更ついて労働者の個別の合意が得られない場合、使用者としては、就業規則の変更によって労働条件を変更することを検討することになります。
そのためには、就業規則の変更が合理的であると評価されることが必要であるところ、その評価に際しては、労働契約法10条により、①労働者の受ける不利益の程度、②労働条件の変更の必要性、③変更後の就業規則の内容の相当性、④労働組合等との交渉の状況、⑤その他の就業規則の変更に係る事情が斟酌されることになります。
そして、⑤の事情としては、不利益変更に伴う代償措置その他関連する他の労働条件の改善状況、他の労働組合又は他の従業員の対応や同種時効に関すル日本における一般的な状況等が考慮されることになります。
以上の考慮要素の内、重要なのは、①と②といわれております。
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