税関の事後調査で申告漏れが指摘された場合、単に不足分を支払えば終わりではありません。ペナルティとして「過少申告加算税」や、悪質な場合は「重加算税」が課されます。
しかし、このペナルティは、「いつ修正申告をするか」によって税率が大きく変わることをご存知でしょうか?
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1 ペナルティの税率構造
原則として、当初の申告額が少なかった場合、以下の加算税が課されます。
①過少申告加算税
原則:増差税額の10%(増差税額が当初申告額等を超える部分は15%)
調査通知「前」に自主的に修正した場合:0%(免除)
調査通知「後」~調査による更正の予知「前」に修正した場合:5%(軽減措置)
②重加算税
隠蔽・仮装があった場合:35%~40%
つまり、税関から「調査に行きますよ」という通知が来る前に、自らミスに気づいて修正申告をすれば、加算税はかからないのです(延滞税はかかります)。
2 「更正の予知」とは何か?
実務上、非常に重要なのが「更正の予知」という概念です。
調査が始まり、税関職員から具体的な指摘(例:「このロイヤルティは加算すべきですね」)を受けた後に修正申告をしても、それは「指摘されることを予知して行った」とみなされ、原則通りの10%(またはそれ以上)の加算税がかかります。
しかし、調査通知が来てから実地調査が始まるまでの間に、自主的に再点検を行い、「指摘される前に」修正申告を行えば、5%に軽減される可能性があります。このわずかな期間の対応が大きな影響を与えることになるのです。
3 重加算税を回避するために
最も恐ろしいのは「重加算税(35%以上)」です。
これは、二重帳簿の作成、インボイスの改ざん、虚偽答弁など、「事実を隠蔽または仮装」したと認定された場合に課されます。
単なる計算ミスや法令の解釈誤りであれば、重加算税は課されません。
しかし、調査官は厳しく追及してきます。「知っていて隠したのではないか?」と疑われた際、弁護士がいれば「これは法解釈の相違であり、隠蔽工作ではない」と論理的に主張し、重加算税の賦課を阻止できる可能性があります。
事後調査での指摘事項に納得がいかない場合や、重加算税のリスクがある場合は、まずは弁護士へご相談いただくことをお勧めします。
どのような対応が可能であるかどうかを慎重に検討し、極力会社にとってダメージのない形での解決を模索しましょう。

有森FA法律事務所の代表弁護士、有森文昭です。東京大学法学部および法科大学院を卒業後、都内の法律事務所での経験を経て、当事務所を開設いたしました。通関士や行政書士の資格も有し、税関対応や輸出入トラブル、労働問題など、依頼者の皆様の多様なニーズにお応えしています。初回相談から解決まで一貫して対応し、依頼者の最良のパートナーとして、共に最適な解決策を追求してまいります。

