保税地域には、指定保税地域、保税蔵置場、保税工場、保税展示場、総合保税地域の5種類があること(関税法29条)は、先日のコラムでもご紹介いたしました。
このうち、貨物の蔵置を目的とした保税蔵置場は、一般の方にも馴染みのあるものと思われますが、保税工場には馴染みのない方も多いのではないでしょうか。
本日は、保税工場の概要をご紹介いたしますので、ご参照いただけますと幸いです。
このページの目次
1 保税工場の概要
保税工場とは、外国から日本に届いた貨物について、輸入許可を受けることなく、加工や製造などを行うことが出来る場所として税関長が許可した場所のことを指します。
保税工場における加工や製造の期間は原則として2年となります(一定の要件を満たせば延長可能です。)。
基本的には、この期間中に外国から日本に届いた貨物を加工や製造をした上で、外国に送り出すことになります(加工・製造した貨物をそのまま日本で販売することはできません。)。
2 「みなし蔵置場」について
保税工場の被許可者は、その保税工場において使用する輸入貨物について、その保税工場に入れた日から3か月までの期間に限り、その保税工場について保税蔵置場の許可を併せて受けているとみなす取扱いをすることが可能です(関税法56条2項、関税法基本通達56-16)。
これを、「みなし蔵置場」と呼称しており、その場所を利用できる貨物は次のとおりとなっております
①その保税工場において外国貨物のままで又は輸入の許可を受けて保税作業に使用されることが見込まれる原料品
②上記①の輸入原料品と同種の輸入原料品で、輸入の許可を受けてその保税工場における内貨作業に使用されることとなるもの
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