輸入申告価格の間違いに気づいた場合

輸入事業者の皆様は日常的に多数の貨物を輸入しておりますので、HSコードが正確かどうか、また輸入申告価格が適切であったかどうかについては日常的に注意を払われているものと思います。

ただ、どれほど注意をしていてもミスはつきものであり、輸入申告価格に誤りがあった場合には、迅速かつ適切に対応することが必要です。不適切な申告価格が税関により指摘された場合、ペナルティや追徴課税が発生する可能性があるからです。

また、輸入業務全体の信頼性にも影響を及ぼすため、慎重な対応が求められます。

本記事では、主に「修正申告」と「更正の請求」という2つの方法を中心に、申告価格の間違いへの対応について解説いたします。

 

1 修正申告について

修正申告とは、申告価格が実際に申告すべき価格よりも低額であった場合において、輸入者が自ら申告価格の誤りを発見した上で、税関にその誤りを申告し、正しい価格を基に再計算した税額を納付する手続きです。

この方法は、税関による指摘を受ける前に自主的に行うことが可能です。

修正申告を行う際の主な流れは以下の通りです。

①誤りの確認

申告価格に誤りがあることを確認し、具体的な修正内容を把握します。この段階では、インボイスや契約書などの関連資料を改めて精査することが重要です。

②税関への申告

修正内容を税関に申告します。税関の専用フォーム等を利用し、正しい申告価格および修正後の税額を記載します。

③不足税額の納付

修正申告に基づき、納付すべき不足税額を支払います。速やかな納付により、ペナルティが課されることを回避することが期待できます。

 

2 更正の請求について

更正の請求は、申告価格を過大に申告した結果、過剰な税金を納付してしまった場合に、税関に対して過払い分の返還を求める手続きです。

この方法は、以下の手順で進めます。

①申告の見直し

当初申告した価格が実際よりも高額であったことを確認します。修正申告と同様に、インボイスや契約書などの証拠資料を基に誤りを明確にします。

②請求書類の提出

更正の請求を行うためには、税関の指定する書類を提出します。ここでは、過大申告の根拠および返還を求める税額を明記する必要があります。

③税関とのやり取り

税関が請求内容を確認し、適切であると判断した場合、過剰に納付した税額相当額が返還されます。このプロセスには一定の期間がかかることがあるため、余裕を持った手続きを心がけましょう。

 

3 各手続の注意点

いずれの手続きにおいても、正確な証拠資料の提出が重要です。

輸入に関わる書類の保管や記録は、適切な対応のための出発点となります。また、複雑なケースでは、通関業者や弁護士といった専門家のサポートを受けることを検討すると良いでしょう。

修正申告や更正の請求を迅速かつ適切に行うことは、輸入事業者の法的リスクを低減し、適正な税務処理を実現するポイントとなります。

輸入申告価格の内容を含めて輸入手続に不明点がある場合は、まずは専門家に相談することをおすすめします。

 

 

 

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