Archive for the ‘発信者情報開示請求関連’ Category

特定発信者情報の開示について

2023-01-19

インターネットやSNSの普及によって、インターネットトラブルは増加の一途をたどっています。

社会的に顕在化しているトラブルもあれば顕在化していないトラブルもあり、インターネットの発展によってトラブルの類型も多種多様となっている印象です。

そのような中でもやはりインターネットトラブルの中心は誹謗中傷や名誉毀損などのインターネット上での権利侵害です。

このようなインターネット上での権利侵害の増加に対応するため、プロバイダ責任制限法は令和3年に改正されました。

この内、「特定発信者情報の開示」という制度が設立されましたので、ご紹介いたします。

1 「特定発信者情報の開示」について

プロバイダ責任制限法の改正によって、加害者が権利侵害をする問題のある投稿を行った際のIPアドレス等を開示の対象とする発信者情報の開示請求権という従来の請求権に加えて、加害者がSNS等の自身のアカウントにログインした際のIPアドレス等についても開示の対象に含まれることとなりました。この新しい部分について、「特定発信者情報の開示」と取り扱われています(第5条第1項柱書)。

なお、このように発信者情報の範囲の拡充に伴って、発信者情報(第2条第6号)において「特定発信者情報」及び「特定発信者情報以外の発信者情報」の2類型が含まれることとなります。そのため、従来の「発信者情報開示請求権」は、「特定発信者情報以外の発信者情報の開示請求権」と称することとなる点には注意が必要です。

2 インターネットトラブルが発生した場合には弁護士にご相談ください

インターネットトラブルは誰もが巻き込まれるリスクがあるトラブルですが、基本的にはインターネットの利用者にとっては匿名のやり取りが多いという安心感もあるためか、なかなか自分のこととして実感を持つことができない方が多い印象です。

しかしながら、インターネットトラブルも通常のトラブルと同様ですので、トラブルが発生した場合には、被害者、加害者のいずれの立場であっても慎重に対応を進めることが非常に重要です。

また、インターネットトラブルの特徴としてはふとしたことで思わぬトラブルに巻き込まれえてしまうという点にあります。

自分がインターネットトラブルに巻き込まれてしまったと思われた場合には、まずは弁護士にご相談いただき、慎重に対応方針を検討いただくことをお勧めいたします。

プロバイダ責任制限法の改正について

2023-01-12

インターネット、SNSの普及によって、インターネットトラブルは増加の一途をたどっています。

社会的に顕在化しているトラブルもあれば顕在化していないトラブルもあり、インターネットの発展によってトラブルの類型も多種多様となっている印象です。

そのような中でもやはりインターネットトラブルの中心はインターネット上での権利侵害です。

このようなインターネット上での権利侵害の増加に対応するため、プロバイダ責任制限法は令和3年に改正されました。

1 プロバイダ責任制限法の改正点の概要

改正点の大きな1つ目は、新たな裁判手続を創設したことです。

従来の発信者情報開示請求は通常2段階以上の裁判手続を経る必要があり、時間や労力的にも被害者に多大な負担がありました。

これを改善するために、発信者情報の開示を一つの手続で行うことを可能とする新たな裁判手続として、『発信者情報開示命令事件に関する裁判手続』が創設されました。

これに加えて、裁判所による開示命令までの期間において、被害者が必要とする通信記録の保全を図るため、提供命令及び消去禁止命令という命令が設けられました。

改正点の大きな2つ目は、いわゆるログイン時IPアドレスの情報開示が可能となった点です。具体的には、SNSなどのログイン型サービス等においては、投稿時の通信記録が十分に保存されていないケースがあります。このような場合には、投稿時のIPアドレス等を特定しようと開示請求を行っても無駄に終わってしまい、これまでは加害者を特定することが困難な場合もありました。このようなケースにおいても被害者の救済を図るため、発信者の特定のために必要となる場合には、投稿時ではなく、ログイン時のIPアドレス等の情報の開示が可能となるように、開示請求を行うことができる範囲が拡充されました。

2 インターネットトラブルが発生した場合には弁護士にご相談ください

インターネットトラブルは誰もが巻き込まれるリスクがあるトラブルですが、基本的には匿名のやり取りが多いという安心感もあるためか、なかなか自分のこととして実感を持つことができない方が多い印象です。

しかしながら、インターネットトラブルも通常のトラブルと同様ですので、トラブルが発生した場合には、被害者、加害者のいずれの立場であっても慎重に対応を進めることが非常に重要です。

自分がインターネットトラブルに巻き込まれてしまったと思われた場合には、まずは弁護士にご相談いただき、慎重に対応方針を検討いただくことをお勧めいたします。

発信者情報開示手続を行うべきかどうか

2022-12-22

1 発信者情報開示手続を行うべきかどうか

インターネットやSNS等において誹謗中傷等の被害を被った場合には、投稿をした人物を特定し、慰謝料請求等を行いたいと考えることが自然ですし、当然の権利と言えます。

もっとも、現実問題として、発信者情報開示請求に伴う手続には一定の時間や費用が掛かりますし、必ず成功するというものでもありません。

また、相手方が非常に悪質である場合には、発信者情報開示請求等を行うことで逆にこれまで以上に悪質な嫌がらせを行ってくる場合も稀にではありますが存在します。

そのため、インターネットやSNS等において誹謗中傷等の被害を被った場合において、必ず発信者情報開示請求を行った方がよいとまでは断言できないところです。

もっとも、だからと言って泣き寝入りをした方がよいということでは決してなく、場合によっては警察に粘り強く相談に行き、刑事事件として対応をしてもらうことも十分考えられますし、開示請求とは別の対策がないかを検討することも重要です。

発信者情報開示請求を弁護士に依頼することで、万事が上手くいくということはなく、様々な対応を検討した上で、デメリット、リスクを踏まえて慎重に対応を検討しなければ、被害がさらに拡大することも十分考えられるところです。

被害回復のために法的な手続をとりますので、逆に被害が拡大しては本末転倒です。どのような手続を取ることが望ましい結果を得られるかを慎重に検討する必要があります。

法的な対応や警察への相談等はなかなかご自身で行うことは難しいと思いますので、最終的に弁護士に依頼するかどうかはさておき、まずは発生した問題を踏まえ、インターネットトラブルに詳しい弁護士にご相談いただくことをお勧めいたします。

2 インターネットトラブルに巻き込まれてしまった場合

昨今では、非常に多くの人がスマートフォンを持ち、インターネットに簡単にアクセスすることが出来る状態となっております。

そのため、ふとしたきっかけで、自身がインターネットに巻き込まれてしまうリスクは非常に高いと言えます。

それは、加害者の立場となってしまうこともありますし、被害者の立場となってしまう場合もあり、どちらの立場になる可能性もあるということはご認識いただき、日常からインターネットのご利用には十分ご注意いただく必要があります。

特に、最近では子供のSNSトラブル等が非常に多く発生しているようですので、ご自身のご利用にとどまらず、お子様のインターネットの利用に関しても十分ご注意ください。

発信者情報開示請求に伴う意見照会書が届いた場合

2022-12-15

1 発信者情報開示請求に伴う意見照会書が届いた場合

インターネット上の匿名掲示板やSNS等において名誉毀損に類する投稿を行ってしまった場合や、インターネット上において違法にアップロードされている著作物をダウンロードしてしまった場合等、インターネット上で第三者の権利を侵害した場合には、加害者を特定するための発信者情報開示に関する手続が存在します。

そのため、加害者となった方は、被害者側の行動次第ではありますが、自身が契約しているアクセスプロバイダ等から、ある日突然、発信者情報開示請求が届く場合があります。

発信者情報開示請求はある日突然届きますので、全く身に覚えがない場合はもちろんのこと、ある程度みに覚えがある方であっても非常に動揺してしまいます。

そのようなある種のパニック状態においては適切な判断がなかなかできませんので、まずはインターネットトラブルに詳しい弁護士に速やかにご相談いただくことをお勧めします。

パニック状態ですので、怖くなって個人情報の開示に同意をしてしまう人もいれば、拒否をしたとしても開示される可能性が非常に高いにもかかわらず、何とかなるだろうという希望にすがり、開示を拒否してしまう人もいる等、発信者情報開示請求が届いた時点ではご自身で正確な判断を下すことは非常に難しいと言わざるを得ません。

そのため落ち着き冷静になる意味でも、まずは弁護士等のご相談いただくことをお勧めします。

弁護士にご相談いただく際には、場合によっては複数の弁護士に問合せをし、様々な視点から検討いただくことを一つの方法です。

その上で、自身が取るべき対応を慎重に検討していくこととなります。

弁護士に依頼して代理人として回答書を作成してもらう必要がある場合もあれば、ご自身で対応を進めた方がよい場合もあり、一概には言えないところですが、まずはご相談いただくことは非常に重要だと考えております。

2 インターネットトラブルに巻き込まれてしまった場合

昨今では、非常に多くの人がスマートフォンを持ち、インターネットに簡単にアクセスすることが出来る状態となっております。

そのため、ふとしたきっかけで、自身がインターネットに巻き込まれてしまうリスクは非常に高いと言えます。

それは、加害者の立場となってしまうこともありますし、被害者の立場となってしまう場合もあり、どちらの立場になる可能性もあるということはご認識いただき、日常からインターネットのご利用には十分ご注意いただく必要があります。

子供がSNSトラブルに巻き込まれてしまった場合

2022-12-08

1 子供がSNSトラブルにおいて加害者となってしまった場合

スマートフォンの普及によって、未成年者の多くがスマートフォンをもっている時代となりました。

スマートフォンは便利な反面、リスクも非常に多いものです。

特に未成年者がSNS等において軽率な投稿を行うことでトラブルとなる事例が非常に増えておりますので、お子様をおもちの方は十分ご注意いただく必要があります。

未成年者のインターネットトラブルとしては、①スマホゲームへの多額の課金、②動画配信者への多額の投げ銭、③海賊版の違法ダウンロード、④誹謗中傷トラブル、⑤プライバシー侵害等が代表的なものとなります。

いずれも非常に深刻な問題ですが、このうち、④、特にSNSトラブルについては昨今テレビのニュース番組等でも盛んに取り上げられておりますのでご存じの方も多いのではないでしょうか。

もっとも、自分の子供がこのような事件に巻き込まれるとは思っていなかった、ましてや加害者側の立場になるとは思っていなかったとおっしゃる方が非常におおくおりますので、万一のこととならないように、日頃から子供のSNS利用等については慎重に教育していただくことが必要です。

では、実際問題として、子供がSNSトラブルにおいて加害者となった場合どのように対応をすべきかですが、子供の場合は、特に友人関係のトラブルを端緒として友人への誹謗中傷やプライバシー侵害といった加害行為を行ってしまう場合が非常に多いことを踏まえますと、まずは被害者側と真摯な話し合いを行い解決を模索するほかありません。

この話し合いにおいては、弁護士を交えた方がよい場合や、学校側を交えた方がよい場合等様々なケースに応じて慎重に話し合いを進めることが肝要です。

そのため、まずはどのような対応を取っていくことが重要であるかを、インターネットトラブルに詳しい弁護士にご相談いただき、検討を進めることをお勧めいたします。

2 インターネットトラブルに巻き込まれるリスクは誰でもあります

ほとんどの人がインターネットにアクセスすることができる現状では、誰もがインターネットトラブルに巻き込まれるリスクがあります。

加害者となる可能性もありますし、被害者となる可能性もあります。

インターネットは非常に便利なものである反面、このように思わぬトラブルに巻き込まれてしまう可能性も非常に高いものですので、慎重な利用を心がけていただくとともに、万一トラブルに巻き込まれてしまった場合には、速やかにインターネットトラブルに詳しい弁護士にご相談いただくことをお勧めいたします。

インターネット上の著作権侵害について

2022-12-01

1 著作権に関するインターネットトラブルを避けるためには

インターネットトラブルといっても、誹謗中傷に伴う名誉毀損に関するトラブルから、著作権侵害等の知的財産関連まで幅広くありますが、本日はその内著作権侵害に関するインターネットトラブルをご紹介いたします。

まず、大前提となりますが、著作権法上は、著作権者の許可なくアップロードされているデータ(いわゆる海賊版)については、ダウンロードすること自体が違法となります。

これは、個人使用目的であっても変わりません。

漫画、アニメ、映画、音楽など種類を問わず、著作物であれば全てに適用されるルールとなります。

インターネット上でアップロード、公開されているものだからダウンロードしても問題ないだろうと考えることは非常に危険です。

著作物の違法ダウンロードは、刑事罰の対象にもなりますので、十分ご注意いただく必要があります。特に最近では、未成年による違法ダウンロードが大きな問題となっております。

お子様が知らずにダウンロードしてしまう可能性もありますので、常日頃からお子様のインターネットの利用に関しては十分にご注意ください。

また、最近では、コンシューマゲーム、スマホゲームを問わず、ゲームの実況動画等を各動画投稿アプリなどに投稿することが幅広く行われております。

著作権者が許可しているゲームや配信サービスにおける動画投稿であれば問題ないのですが、そのような著作権者からの許可がない場合には、著作権法に違反してしまう可能性もございます。

ゲーム実況に関しては、非常に多く方が行っているようですので、他の人が行っているから大丈夫だろうと安易な気持ちで行うことは非常にリスクが高いと言わざるを得ません。

あくまでも著作権者がどのような対応を取っているかを正確に把握した上でゲーム実況動画を配信することが必須となります。

最近は、ゲーム会社等が配信に関するガイドラインなどを公表している場合も多いですが、もしご自身で確認することが難しい場合には、弁護士等にご相談等いただくことをお勧めします。

2 著作権に関するインターネットトラブルに巻き込まれてしまった場合

著作権に関するインターネットトラブルが発生した場合、加害者側は刑事罰を受ける可能性があるほか、民事上の損害賠償額も高額となる場合が多くあります。

そのため、著作権に関するインターネットトラブルが発生し、加害者側の立場となってしまった場合には、速やかにインターネットトラブルに詳しい弁護士にご相談いただき、対応を慎重の検討いただく必要があります。

知的財産に関するトラブルにおいて加害者側となってしまった場合

2022-11-24

1 知的財産に関するトラブルにおいて加害者側となってしまった場合

インターネット上における知的財産権侵害は非常に大きな問題となっております。

例えば、漫画やアニメ、映画、音楽などの違法ダウンロード、違法アップロードに関する問題等がその代表的な問題です。

これらの行為は権利者側が正当に得ることができるはずの報酬を得られなくなり、ひいては生計を立てることができなくなる可能性すら大いにあり得る行為ですので、絶対に行ってはいけません。

ただ、既にそのような行為を行ってしまい、発信者情報開示請求等が行われている場合にはどのように対応をすべきでしょうか。

まずは、営利目的で著作物を違法にアップロードしていた場合ですが、これは刑事事件になる可能性も非常に高く、速やかに開示に同意をして、権利者側に謝罪をすべきケースと言えます。

他者の著作物で自分が利益を得ていた以上は、泥棒等と変わらない行為をしていたといえ、非常に悪質であると言わざるを得ません。

ただ、権利者側とどのように交渉をすればよいか分からない場合が多いと思いますので、速やかにインターネットトラブルに詳しい弁護士にご相談いただき、対応を進める必要があります。

他方で、営利目的とは一切関係ない、ある種軽い気持ちでインターネット上の著作物を違法にダウンロードしてしまった場合については、基本的には、開示に同意をした上で、権利者側に真摯に謝罪をし、しかるべき示談金を支払って解決するという方針が望ましいと言えます。

開示請求に対して開示を拒否する旨の回答を行ったとしても、プロバイダ側の判断で、権利侵害が明白であるとして個人情報の開示がなされてしまう場合も相当程度ありますので、能動的に対応を進めるという意味でも、単に開示を拒否するという対応はお勧めいたしません。

2 知的財産権侵害に関するトラブルに巻き込まれてしまった場合

最近では、インターネットの普及により、インターネット上では、様々な違法アップロードされた著作物が存在します。

安易な気持ちで違法にアップロードされた著作物をダウンロードしてしまう気持ちも理解はできますが、やはり権利者側の生計の糧を奪っている行為となりますので、厳に慎んでいただく必要があります。

また、違法ダウンロードといっても重い場合には刑事罰もあり得ますので、民事事件、刑事事件の両方の側面から慎重にどのように対応を進めるべきかを検討することが重要です。 どのような対応を取る必要があるかにつきましては、まずはインターネットトラブルに詳しい弁護士にご相談いただくことをお勧めいたします。

名誉毀損に関するトラブルにおいて加害者側となってしまった場合

2022-11-17

1 名誉毀損に関するトラブルにおいて加害者側となってしまった場合

匿名掲示板やSNS等において、知人や有名人等に対して誹謗中傷やそれに類する投稿を行ったとして名誉毀損による発信者情報開示請求が届なされた場合、加害者側はどのように対応する必要があるでしょうか。

そもそも、アクセスプロバイダからは、発信者情報開示請求に伴う意見照会書として、個人情報の開示に同意をするかどうかの回答が求められます。

開示に同意をして示談交渉を行い、示談で解決することを希望される場合には、回答書を送る前に一度弁護士にご相談いただき、回答書を送る時点から弁護士が代理人に就いて対応を行うかどうかを一度ご検討ください。

弁護士が代理人に就いて示談交渉を行った方がスムーズに進む場合が多いとは思われますが、場合によっては弁護士が前面に出ない方がスムーズに進む場合もございます。

この点は一度慎重にご検討いただくことをお勧めいたします。

他方で、開示に同意をしないと選択される場合にも、開示に同意をしなかったとして、その後どのような手続がなされるのか、開示に同意をせずにそのまま済むものなのか、また、そもそも開示に同意をしないメリット、デメリットはどのようなものなのか、といった点を事前に検討いただいた上で最終的な判断を行うことをお勧めいたします。

もっとも、ご自身でここまで検討することはなかなか難しいというのが実情だと思いますので、まずは、プロバイダから届いた書類一式を持参して、インターネットトラブルに詳しい弁護士にご相談いただくことからスタートすることになろうかと思います。

2 名誉毀損に関するトラブルに巻き込まれてしまった場合

最近では、個人間におけるトラブル、企業への誹謗中傷など、様々な場面でのインターネットトラブルが日々増加しております。

意図的なものから自分としては違法行為を行う意図はなかったものの、結果として違法行為に該当する行為を行ってしまっているものまで、様々な態様が存在し、その内容も非常に過激なものから、違法性があるかどうか微妙なものまで幅広くあります。

インターネットトラブルに関しては、被害者の立場、加害者の立場のいずれの立場においても、民事事件、刑事事件の両方の側面から慎重にどのように対応を進めるべきかを検討することが重要です。 どのような対応を取る必要があるかにつきましては、まずはインターネットトラブルに詳しい弁護士にご相談いただくことをお勧めいたします。

加害者側の立場となってしまった場合

2022-11-10

1 加害者側の対応について

「発信者情報開示請求が行われた場合に、加害者側はどのように対応をしていけば良いか」というご質問を非常に多くいただきますが、ケースバイケースに対応を検討せざるを得ず、一概にこのように対応をすればよいということはなかなか言えません。

開示請求がなされた理由がどのような権利侵害を理由とするものか、すなわち名誉権侵害なのか、肖像権侵害なのか、著作権などの知的財産権侵害を原因とするものなのかによって対応は異なります。

また、開示請求をしてきている権利者側との関係性や権利者側の属性によっても対応は大きく異なります。

更には、当然のことながら権利侵害の態様によっても大きく異なります。

以上は、対応を検討する上での代表的な考慮要素ではありますが、以上のほかにも細かな状況を慎重に検討してくことが必要ですので、簡単に対応方針を決めることは非常に難しいと言わざるを得ません。

したがいまして、加害者側の立場となってしまった場合には、開示請求に関する書類一式を持参し、インターネットトラブルに詳しい弁護士に速やかにご相談いただくことをお勧めいたします。

2 複数の弁護士に相談いただくことについて

「発信者情報開示請求が届いた場合にどのように対応をすべきかについて、複数の弁護士に相談をしても大丈夫ですか」というご相談をいただくこともございます。

弁護士によっては嫌がる方もいらっしゃるとは思いますが、個人的な考えとしては複数の弁護士にご相談いただくことは全く問題ありませんし、複数の見解を確認することでご自身の理解も深まるのではないかと思います。

何より、弁護士との関係性は長期的なものとなりがちですので、ご自身と相性が良さそうな弁護士に最終的なご依頼をしていただくことが望ましいと思います。

3 名誉毀損に関するトラブルに巻き込まれてしまった場合

最近では、個人間におけるトラブル、企業への誹謗中傷など、様々な場面でのインターネットトラブルが増加しております。

意図的なものから自分としては違法行為を行う意図はなかったものの、結果として違法行為に該当する行為を行ってしまっているものまで、様々な態様が存在します。

インターネットトラブルに関しては、被害者の立場、加害者の立場のいずれの立場においても、民事事件、刑事事件の両方の側面から慎重にどのように対応を進めるべきかを検討することが重要です。

どのような対応を取る必要があるかにつきましては、まずはインターネットトラブルに詳しい弁護士にご相談いただくことをお勧めいたします。

動画配信における表現の判断基準

2022-11-03

新聞記事等の紙媒体における表現について名誉毀損に該当するかどうかの判断基準においては、一般読者の普通の注意と読み方を基準にするとの考え方が最高裁判所によって示されております。

これに対して、テレビ番組等の動画配信における表現について名誉毀損に該当するかどうかの判断金についても、最高裁はその判断基準を示しております。

そこで、本日は、最判平成15年10月16日(民集57・9・1075)について、ご紹介いたします。

1 最判平成15年10月16日の判示内容

最高裁は、以下のとおり判示しました。

「新聞記事等の報道の内容が人の社会的評価を低下させるか否かについては,一般の読者の普通の注意と読み方とを基準として判断すべきものであり(新聞報道に関する最高裁昭和29年(オ)第634号同31年7月20日第二小法廷判決・民集10巻8号1059頁参照),【要旨1】テレビジョン放送をされた報道番組の内容が人の社会的評価を低下させるか否かについても,同様に,一般の視聴者の普通の注意と視聴の仕方とを基準として判断すべきである。

 そして,【要旨2】テレビジョン放送をされた報道番組によって摘示された事実がどのようなものであるかという点についても,一般の視聴者の普通の注意と視聴の仕方とを基準として判断するのが相当である。テレビジョン放送をされる報道番組においては,新聞記事等の場合とは異なり,視聴者は,音声及び映像により次々と提供される情報を瞬時に理解することを余儀なくされるのであり,録画等の特別の方法を講じない限り,提供された情報の意味内容を十分に検討したり,再確認したりすることができないものであることからすると,当該報道番組により摘示された事実がどのようなものであるかという点については,当該報道番組の全体的な構成,これに登場した者の発言の内容や,画面に表示されたフリップやテロップ等の文字情報の内容を重視すべきことはもとより,映像の内容,効果音,ナレーション等の映像及び音声に係る情報の内容並びに放送内容全体から受ける印象等を総合的に考慮して,判断すべきである。」

要するに、新聞記事等の紙媒体における表現に対する判断基準と平仄をあわせる形での判断基準が示されており、妥当な考え方だといえます。

2 名誉毀損に関するトラブルに巻き込まれてしまった場合

最近では、個人間におけるトラブル、企業への誹謗中傷など、様々な場面でのインターネットトラブルが増加の一途をたどっております(誹謗中傷等以外にも、知的財産権侵害に関わるトラブルも増加している印象です。)。

また、意図的なものから自分としては違法行為を行う意図はなかったものの、結果として違法行為に該当する行為を行ってしまっているものまで、様々な態様が存在します。

インターネットトラブルに関しては、被害者の立場、加害者の立場のいずれの立場においても、民事事件、刑事事件の両方の側面から慎重にどのように対応を進めるべきかを検討することが重要です。

どのような対応を取る必要があるかにつきましては、まずはインターネットトラブルに詳しい弁護士にご相談いただくことをお勧めいたします。

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