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オンラインゲームやSNSで「死ね」と言われ続けた場合、法的措置は取れるか

2026-07-20

【相談内容】

オンラインゲームのチャット欄やXのリプライで、特定のユーザーから毎日のように暴言を受けています。

きっかけはゲーム内でのプレイ内容のようですが、相手は「死ね」「ゴミ」「今すぐ消えろ」「生きている価値がない」など、人格を否定する言葉を繰り返し投稿しています。

「殺すぞ」と直接言われたわけではありません。このような「死ね」という言葉だけでも法的措置を取ることはできるのでしょうか。

【弁護士の回答】

結論として、「死ね」という言葉だけで直ちに脅迫罪が成立するとは限りません。しかし、公開チャットやSNS上で、特定の相手に対して「死ね」「ゴミ」「消えろ」「生きている価値がない」といった暴言を執拗に繰り返している場合、侮辱罪や民事上の不法行為として責任追及できる可能性があります。

法務省の侮辱罪事例集でも、喫茶店で「バカ、ブス、死ね」などと大声で言った事案や、SNSに「死ね死ね死ね」などを含む投稿をした事案が、侮辱罪として処理された例として紹介されています。また、別の事例集でも、SNS配信動画で「ブスう、死ね」などと発言した事案や、路上で「くそばばあが。死ね。」などと大声で言った事案が、侮辱罪の事例として挙げられています。

したがって、「ゲームだから」「熱くなっただけ」という言い訳で当然に免責されるわけではありません。オンライン上でも、相手は現実の人格を持つ一人の人間であり、暴言が一定限度を超えれば法的責任が生じます。

1 「死ね」は脅迫罪になるのか

脅迫罪は、相手またはその親族の生命、身体、自由、名誉、財産に対して害を加える旨を告知した場合に成立します。たとえば、「殺す」「家に行って殴る」「住所を調べて襲う」など、自分が相手に危害を加える意思を示す発言は、脅迫罪に当たり得ます。

一方で、「死ね」という言葉は、通常は「自分が相手を殺す」という害悪の告知というより、「死んでほしい」という呪詛・罵倒の表現と評価されることが多く、単独では脅迫罪に当たりにくいと考えられます。実務解説でも、「死ね」という言葉は直接的に害を加えることを意味せず、脅迫罪には該当しないのが基本とされています。

もっとも、次のような事情がある場合は、脅迫罪や警察相談の対象になり得ます。

  • 「殺す」「刺す」「殴る」などの直接的な加害予告がある
  • 「家に行く」「住所を知っている」と言っている
  • 「夜道に気をつけろ」など、具体的危害を示唆している
  • 家族や勤務先、学校を持ち出している
  • 現実の住所、学校、職場などを特定している
  • ゲーム外でもSNS、DM、メール等で追いかけてくる
  • ストーカー的に執着している

このような場合は、単なる暴言ではなく、安全確保の問題です。スクリーンショットを保存したうえで、警察への相談も検討してください。警察庁も、インターネット上の誹謗中傷等への対応として、相手方の処罰を望む場合の警察への通報・相談を案内しています。

2 脅迫罪にならなくても侮辱罪になり得る

「死ね」が脅迫罪になりにくいとしても、法的に何もできないわけではありません。

公開チャット、掲示板、Xのリプライなど、第三者が見る可能性のある場で、特定の相手に対して「ゴミ」「死ね」「消えろ」「生きている価値がない」といった人格攻撃を行う場合、侮辱罪が問題になります。

侮辱罪は、公然と人を侮辱した場合に成立します。ここでいう「公然」とは、不特定または多数の人に伝わる可能性があることを意味します。SNSやインターネット掲示板など、多くの人が目にする場所での誹謗中傷は、公然性を満たしやすいとされています。

今回のように、オンラインゲームのチャット欄やXのリプライで、他のプレイヤーや第三者が見られる状態で暴言が繰り返されている場合、「公然」の要件を満たす可能性があります。

3 「ゲーム内の喧嘩」は免罪符にならない

相手は「ゲーム中に熱くなっただけ」「プレイが下手だから注意しただけ」と言い訳するかもしれません。

確かに、ゲーム内では勝敗やプレイ内容をめぐり、強い言葉が出ることがあります。単発で「下手」「ミスするな」と言われた程度で、直ちに違法と評価されるとは限りません。

しかし、次のような場合は、単なるゲーム内のやり取りを超えます。

  • 毎日のように暴言を送っている
  • 同じ相手を狙って粘着している
  • 「死ね」「ゴミ」など人格否定が中心である
  • プレイ内容への批判ではなく存在そのものを否定している
  • Xなどゲーム外のSNSまで追いかけている
  • 他人にも見える場所で晒している
  • ブロックや拒否後も別アカウントで続けている

オンラインゲーム内での誹謗中傷や暴言も、名誉毀損罪、侮辱罪、脅迫罪などの刑事責任を問われる可能性があるとされています。画面の向こうにいるのは現実の人間です。ゲーム空間であっても、人格攻撃を繰り返せば、現実の法的責任が発生します。

4 民事上の損害賠償請求も検討できる

刑事事件として侮辱罪や脅迫罪が問題になるだけでなく、民事上も不法行為に基づく損害賠償請求を検討できます。

民事では、暴言の内容、回数、期間、公開範囲、相手の執拗さ、被害者の精神的苦痛、生活への影響などを総合的に見ます。

特に、次の事情があると、違法性を主張しやすくなります。

  • 数日ではなく長期間続いている
  • 1回ではなく多数回投稿されている
  • 暴言が具体的に記録されている
  • 被害者がやめてほしいと伝えても続けている
  • SNSで第三者に見える形で投稿している
  • 別アカウントを使って継続している
  • 精神的苦痛により通院や生活への支障がある

ただし、慰謝料額は、投稿内容や被害の程度によって大きく変わります。法的措置を取るかどうかは、証拠の量、相手の特定可能性、費用対効果も踏まえて判断します。

5 まずは運営会社への通報とブロック

オンラインゲームの場合、最初に行うべき対応は、ゲーム運営会社への通報です。

多くのゲームでは、ハラスメント、暴言、差別的発言、粘着行為、迷惑行為を禁止しています。運営会社に通報すれば、警告、チャット制限、アカウント停止、BANなどの措置が取られることがあります。

対応としては、次の順序が現実的です。

  1. 暴言の証拠を保存する
  2. ゲーム内通報機能を使う
  3. 相手をブロック・ミュートする
  4. フレンド申請やDMを拒否する
  5. Xなど外部SNSでもブロック・通報する
  6. それでも続く場合は、弁護士に相談する
  7. 必要に応じて発信者情報開示請求や警察相談を行う

ただし、通報やブロックの前に証拠を保存してください。通報後にアカウントが停止されたり、チャットログが消えたりすると、後から法的措置を取る際の証拠が不足することがあります。

6 発信者情報開示請求で相手を特定できるか

相手が匿名アカウントの場合、損害賠償請求や刑事告訴をするには、投稿者の特定が必要になることがあります。

オンラインゲーム内の暴言でも、発信者情報開示請求を使って相手を特定できる可能性があります。ただし、オンラインゲームの場合は、ゲーム運営会社がどのログを保有しているか、チャットが保存されているか、投稿時のIPアドレスやログイン情報を取得できるかが問題になります。

オンラインゲームで誹謗中傷を受けた場合、まずゲーム提供者に対して発信者の通信ログ等の開示を求め、その後、経由プロバイダに対して住所・氏名等の開示を求める流れが説明されています。

また、発信者情報の保存期間には限りがあり、投稿から3か月から6か月が経過すると、投稿者特定に必要な記録が消去されることがあります。そのため、相手を特定したい場合は、早めに弁護士へ相談することが重要です。

7 証拠の集め方

この種の事案では、証拠の質が非常に重要です。

保存すべき証拠は次のとおりです。

  • チャットログのスクリーンショット
  • Xのリプライや引用投稿のスクリーンショット
  • 投稿URL
  • 投稿日時
  • 相手のアカウント名・ID
  • プロフィール画面
  • 暴言の全文
  • 前後の会話
  • こちらがやめてほしいと伝えた記録
  • 通報履歴
  • ブロック後も続いた証拠
  • 別アカウントからの接触記録
  • 期間と頻度が分かる一覧表
  • 画面録画

特に、日付が分かる形で保存することが重要です。単発のスクリーンショットだけでは、「その場限りの口論だった」と反論される可能性があります。毎日のように続いていること、同じ相手が粘着していること、内容がプレイ批判ではなく人格攻撃であることを示せるようにしましょう。

8 警察に相談すべき場合

次のような場合は、弁護士相談と並行して、警察への相談を検討してください。

  • 「殺す」「刺す」「殴る」などの発言がある
  • 住所、学校、勤務先を特定された
  • 家族への危害を示唆された
  • 現実世界で接触をほのめかされた
  • ストーカー的に複数のSNSで追跡されている
  • 自傷を誘導するような投稿が執拗に続いている
  • 精神的に追い詰められている

「死ね」という言葉だけでは脅迫罪になりにくい場合でも、回数、文脈、相手の執着、現実の特定情報の有無によって危険性は変わります。身の危険を感じる場合は、早めに相談してください。

9 まとめ

「死ね」という言葉だけで直ちに脅迫罪が成立するとは限りません。脅迫罪は、基本的には「自分が相手に危害を加える」という害悪の告知が必要だからです。

しかし、オンラインゲームのチャット欄やXのリプライで、「死ね」「ゴミ」「消えろ」「生きている価値がない」といった暴言を毎日のように繰り返す行為は、侮辱罪や民事上の不法行為に当たる可能性があります。法務省の事例集でも、「死ね」を含む発言が侮辱罪として処理された例があります。

まずは、スクリーンショットや画面録画で、日時・アカウント名・投稿内容・頻度が分かる証拠を保存してください。そのうえで、ゲーム運営会社やSNSへの通報、ブロック、必要に応じた発信者情報開示請求、損害賠償請求、警察相談を検討します。

「ゲーム内のことだから」は通用しません。オンライン上の暴言でも、相手の人格を執拗に攻撃すれば、現実の法的責任を問われる可能性があります。

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執筆:有森FA法律事務所 代表弁護士有森文昭(詳細プロフィールは、こちら

(注)2026年3月時点の法令に基づき内容を改定

本記事は2026年3月現在の法令に基づいた一般的な情報の提供を目的としています。個別の事案については、具体的な状況により判断が異なるため、必ず専門家にご相談ください。

ネット誹謗中傷は警察に相談すべきか、弁護士に相談すべきか

2026-07-15

【相談内容】

ネット掲示板で執拗な嫌がらせを受けています。被害者としては、投稿者を特定し、警察に逮捕してもらい、前科を付けてほしいという思いがあります。また、精神的苦痛に対する慰謝料も十分に支払わせたいと考えています。

この場合、まず警察に行くべきなのでしょうか。それとも弁護士に相談すべきなのでしょうか。警察に相談すれば、投稿者の特定から慰謝料請求まで対応してくれるのでしょうか。

【弁護士の回答】

結論として、刑事処罰を求める手続と、慰謝料を請求する手続は別です。

警察は、名誉毀損罪、侮辱罪、脅迫罪、業務妨害罪などの犯罪が疑われる場合に、捜査や刑事処分につなげる役割を担います。一方で、慰謝料や損害賠償の請求、示談交渉、削除請求、発信者情報開示請求は、基本的に民事の領域であり、弁護士が中心となって進める手続です。

警察庁も、インターネット上の誹謗中傷等への対応として、問題ある書き込みの削除方法と、相手方の処罰を望む場合の警察への通報・相談を分けて案内しています。また、投稿者を特定できた後は、損害賠償請求や刑事告訴を行うのが通常であり、これらの手続も弁護士に継続的に依頼することが有益と説明されています。

したがって、「処罰も求めたい」「慰謝料も取りたい」という場合は、警察と弁護士の役割を分けて考え、両方を使い分ける必要があります。

1 警察ができること・できないこと

警察が対応するのは、刑事事件です。

たとえば、投稿内容が次のような場合には、警察への相談や刑事告訴を検討します。

  • 「殺す」「家に行く」などの脅迫
  • 実名を出して虚偽の犯罪歴や不正行為を書かれた
  • 侮辱的な投稿が執拗に繰り返されている
  • 勤務先や事業への信用を害する虚偽投稿がある
  • 住所や電話番号を晒され、危害を示唆されている
  • ストーカー的な嫌がらせが続いている

警察に刑事告訴をすることで、加害者に対する捜査、送致、起訴・不起訴の判断、罰金や拘禁刑などの刑事処分につながる可能性があります。刑事告訴とは、被害者などが犯罪被害を申告し、加害者の処罰を求める手続です。

ただし、警察は、被害者の代理人として慰謝料を請求してくれる機関ではありません。警察が投稿者に「慰謝料を払いなさい」と命じたり、示談金の交渉を代行したりすることはありません。

つまり、警察に相談して刑事処分が進んだとしても、それだけで被害者に慰謝料が支払われるわけではありません。お金の回収や謝罪、再発防止の合意は、別途、民事手続で対応する必要があります。

2 弁護士ができること・できないこと

弁護士が中心となって行うのは、民事上の対応です。

具体的には、次のような対応が可能です。

  • 投稿内容の違法性判断
  • 証拠保全の助言
  • 削除請求
  • 発信者情報開示請求
  • 投稿者の氏名・住所の特定
  • 損害賠償請求
  • 慰謝料請求
  • 謝罪文の要求
  • 再投稿禁止・接触禁止の合意
  • 示談交渉
  • 刑事告訴状の作成支援

発信者情報開示請求とは、インターネット上の違法な書き込みについて、サイト管理者や接続プロバイダに対し、投稿者の情報開示を求める手続です。開示に成功すれば、投稿者に対して損害賠償請求や刑事告訴を行うことが可能になります。

もっとも、弁護士には逮捕権はありません。投稿者を逮捕したり、刑務所に入れたりする権限はありません。刑事処罰を求める場合は、警察・検察の手続に進める必要があります。

3 まず何をすべきか

実務上は、緊急性がある場合を除き、まず弁護士に相談して、証拠保全と発信者情報開示請求を急ぐことが多いです。

理由は、投稿者を特定するための通信ログには保存期間があるためです。大手接続プロバイダのログ保存期間は約3か月から6か月とされ、早く発信者情報開示請求を行わなければ開示不可となることがあります。また、アクセスログの保存期間はおおむね3か月であり、その期間内にコンテンツプロバイダから開示を受け、ISPに開示請求まで行う必要があると説明されています。

総務省の会議資料でも、誹謗中傷被害では、被害相談の決断まで時間がかかることが多く、ログ保存期間との関係で非常に厳しくなること、発信者情報開示手続で犯人を特定してから警察に告訴等を進めることが多いことが指摘されています。

そのため、「警察が動いてくれるか様子を見る」「相手が飽きるまで待つ」という対応は危険です。時間が経つと、投稿者を特定できなくなる可能性があります。

4 例外的に、すぐ警察へ行くべきケース

もっとも、次のような場合は、弁護士相談と並行して、直ちに警察へ相談すべきです。

  • 殺害予告がある
  • 自宅や実家の住所を晒されている
  • 「会いに行く」「待ち伏せする」などの投稿がある
  • 性的画像や盗撮画像を拡散されている
  • ストーカー行為が疑われる
  • 家族や勤務先に危害が及ぶおそれがある
  • すでに現実の接触や脅迫がある

このような場合は、民事上の損害賠償よりも、まず身体・生活の安全確保が優先です。証拠を持参して、最寄りの警察署、サイバー犯罪相談窓口、警察相談専用電話に相談してください。

5 刑事と民事の違い

刑事と民事は、目的が異なります。

手続目的主な担当結果
刑事加害者を処罰する警察・検察・裁判所罰金、拘禁刑、前科など
民事被害回復を図る被害者・弁護士・裁判所慰謝料、損害賠償、削除、謝罪、再発防止合意

刑事事件で加害者が罰金を払っても、そのお金は被害者に支払われるものではありません。被害者が慰謝料を受け取るには、民事上の請求や示談交渉が必要です。

一方で、民事手続で慰謝料を受け取っても、当然に前科が付くわけではありません。前科を付けるには、刑事事件として捜査・起訴され、有罪判決や略式命令等に至る必要があります。

6 「民事先行」が有効な理由

刑事処罰と慰謝料請求の両方を考える場合、民事の発信者情報開示請求で投稿者を特定し、その後に刑事告訴や損害賠償請求へ進む方法が実務上よく使われます。

主な理由は次のとおりです。

①投稿者特定を主導できる

匿名掲示板では、警察がすぐに捜査を開始するとは限りません。緊急性や悪質性が高い事案でなければ、まず証拠を整理し、投稿者特定の見通しを立てる必要があります。

発信者情報開示請求で投稿者を特定できれば、その後の損害賠償請求や刑事告訴が進めやすくなります。

②ログ保存期間に対応しやすい

投稿者特定は時間との勝負です。弁護士に依頼すれば、投稿内容を確認し、開示請求の相手方、必要な情報、ログ保存の要否、削除との順序を判断できます。

削除請求を先に行うと、投稿の証拠や通信ログに影響が出る場合もあるため、損害賠償請求を予定している場合は、証拠を残し、弁護士に確認を受けたうえで進めることが重要です。

③刑事告訴を見据えた証拠整理ができる

刑事告訴では、投稿内容、日時、URL、投稿者特定資料、被害状況、犯罪構成要件との関係を整理する必要があります。

誹謗中傷の刑事告訴では、告訴状の作成・受理・捜査対応に専門的な知識が求められ、ネット誹謗中傷では発信者情報開示という前段階も伴うため、早期に弁護士へ相談することが望ましいとされています。

④示談交渉を有利に進められることがある

投稿者を特定した後、相手が刑事告訴を避けたいと考える場合、謝罪、慰謝料、再投稿禁止、接触禁止などを含む示談交渉が進むことがあります。

もっとも、「金を払わなければ刑事告訴する」といった伝え方は、表現を誤ると別のトラブルになり得ます。刑事告訴を交渉材料にする場合も、弁護士を通じて慎重に進めるべきです。

7 最初に準備すべき証拠

警察に行く場合でも、弁護士に相談する場合でも、証拠が重要です。

最低限、次の資料を保存してください。

  • 投稿のURL
  • 掲示板名・スレッド名
  • 投稿番号
  • 投稿日時
  • 投稿者名・ID
  • 投稿本文
  • 前後の投稿
  • スクリーンショット
  • 可能であればページ全体のPDF
  • 被害状況のメモ
  • 削除依頼や相手とのやり取り
  • 生活・仕事・健康への影響を示す資料

刑事告訴の流れでも、まず投稿内容をスクリーンショットや印刷で保全し、URL、日時、投稿者名、本文を記録することが重要とされています。

8 まとめ

警察は、加害者を捜査し、刑事処罰につなげるための機関です。慰謝料請求や示談交渉を代行してくれるわけではありません。

弁護士は、発信者情報開示請求で投稿者を特定し、削除請求、慰謝料請求、示談交渉、再発防止の合意、刑事告訴状の作成支援を行います。ただし、弁護士自身が加害者を逮捕したり、刑務所に入れたりすることはできません。

したがって、刑事処罰も慰謝料も求めたい場合は、まず証拠を保存し、早急に弁護士へ相談して投稿者特定を進めることが重要です。そのうえで、投稿内容が悪質な場合は、警察への刑事告訴を並行または後続して行います。

殺害予告、住所晒し、ストーカー的投稿など身の危険がある場合は、弁護士相談を待たず、直ちに警察へ相談してください。

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SNSに無断で写真を投稿された場合、削除を求められるか

2026-07-10

【相談内容】

20代女性のCさんは、友人と遊びに行った際に撮影された写真を、本人の許可なく友人のInstagramの公開アカウントに投稿されました。

Cさんは、写真の写り方が気に入らないだけでなく、そもそもインターネット上に顔写真を出したくないと考えています。そこで友人に削除を求めましたが、友人は「風景の一部のようなもの」「もう『いいね』がついたから消したくない」と言って、削除に応じません。

このような場合、肖像権侵害として削除を求めたり、法的措置を取ったりできるのでしょうか。

【弁護士の回答】

結論として、Cさんの顔がはっきり写っており、知人が見ればCさんだと分かる写真であれば、肖像権侵害やプライバシー侵害を理由に、削除を求められる可能性があります。

総務省は、肖像権について、人格権の一部であり、他人から無断で写真を撮られたり、撮られた写真を無断で公表・利用されないように主張できる権利であると説明しています。また、肖像権はアーティストやタレントに限らず、誰にでも認められる権利です。

もっとも、写真に人が写っていれば直ちに違法というわけではありません。問題は、本人を特定できるか、写真の内容や公開範囲、投稿の目的、本人に生じる不利益などを踏まえて、社会生活上受忍すべき限度を超えているかです。

1 肖像権とは何か

肖像権とは、一般に、人がみだりに他人から写真を撮られたり、撮られた写真をみだりに公表・利用されない権利をいいます。

最高裁判例でも、人は承諾なしにみだりに容貌・姿態を撮影されない自由を有し、自己の容貌等を撮影された写真をみだりに公表されない人格的利益を有するとされています。

SNSに顔写真を投稿する行為は、単なる撮影とは別に「公表」の問題です。友人同士の記念写真として撮影に応じたとしても、それは必ずしもInstagramの公開アカウントに掲載することまで許したことにはなりません。

2 肖像権侵害になるかの判断基準

肖像権侵害になるかどうかは、具体的な事情を総合的に見て判断されます。

裁判例上、肖像権侵害に当たるかは、撮影された人の社会的地位、活動内容、撮影場所、撮影目的、撮影態様、撮影の必要性などを総合考慮し、社会生活上受忍すべき限度を超えるかによって判断されると整理されています。

SNS投稿では、特に次の点が重要です。

①個人を特定できるか

最も重要なのは、写真を見てCさんだと分かるかです。

顔がはっきり写っており、友人、知人、学校や職場の関係者が見れば本人だと分かる場合、肖像権侵害の可能性は高まります。反対に、後ろ姿、遠景、顔が小さい、ぼかしやスタンプで顔が隠れている、解像度が低く本人を判別できない場合には、侵害と認められにくくなります。

東京都の消費生活情報でも、写真や動画に写り込んだ人物が小さい、解像度が低い、ぼかしやモザイクが入っているなど、誰か特定できない場合には、肖像権侵害にはなりにくいと説明されています。

②公開範囲が広いか

Instagramの公開アカウントに投稿された場合、不特定多数が閲覧できます。身内だけの限定共有と比べると、本人の不利益は大きくなります。

特に、Cさんが普段から顔出しをしていない、SNS上で実名や顔を出さない方針を取っている、学校・職場・家族に見られたくない事情がある場合には、公開による不利益が大きいといえます。

③写り方や内容に不利益があるか

「変な顔で写っている」「酔っているように見える」「交友関係や居場所が分かる」「服装や状況を知られたくない」など、本人が恥ずかしさや不安を感じる事情がある場合、違法性の判断に影響します。

肖像権は、単に美しく写っているかどうかだけの問題ではありません。本人がネット上に顔を出したくないという意思も尊重されるべきです。

④写真の主たる被写体か、単なる写り込みか

観光地やイベント会場で、背景にたまたま小さく写り込んだだけであれば、肖像権侵害とはいえない場合があります。

一方、友人同士の写真でCさんがはっきり写っており、写真の主要な被写体の一人になっている場合、「風景の一部」とはいえません。

3 「撮影OK」と「SNS投稿OK」は別

友人がよく主張するのが、「写真を撮らせてくれたのだから、投稿してもよいはずだ」という理屈です。

しかし、これは正確ではありません。

撮影に応じることと、SNSで公開することは別の行為です。記念撮影のために写真に写ることは承諾していても、Instagramの公開アカウントに投稿され、不特定多数に見られることまで承諾したとは限りません。

総務省も、肖像権について「撮られた写真が無断で公表・利用されないように主張できる権利」と説明しています。つまり、撮影と公表は分けて考える必要があります。

また、「いいねがついたから消したくない」という理由は、Cさんの肖像権やプライバシーに優先するものではありません。投稿者の承認欲求やSNS上の反応は、本人の承諾なき顔写真公開を正当化する理由にはなりません。

4 まず取るべき対応

友人関係の問題でもあるため、最初から裁判に進む必要はありません。もっとも、削除を求める意思は明確に残すべきです。

①証拠を保存する

削除を求める前に、次の証拠を保存してください。

  • 投稿画面のスクリーンショット
  • 投稿URL
  • 投稿日時
  • アカウント名
  • 写真全体
  • Cさんの顔が分かる部分
  • キャプション
  • コメント欄
  • 削除を求めたメッセージ
  • 友人が削除を拒否したメッセージ

後に削除請求や慰謝料請求を検討する場合、どの写真が、いつ、どの範囲で公開されていたかを示す必要があります。

②友人に明確な削除要求を送る

口頭ではなく、LINEやDMなど記録が残る方法で、次のように伝えることが有効です。

私は、Instagramの公開アカウントに自分の顔写真を掲載することを承諾していません。顔が分かる状態で公開されることに強い抵抗があります。肖像権・プライバシーの問題になるため、〇月〇日までに投稿を削除するか、私の顔が分からないように加工してください。

ポイントは、感情的な言い争いではなく、「承諾していない」「公開を望まない」「削除または加工を求める」と明確に伝えることです。

③Instagramに報告する

友人が応じない場合、Instagramの通報機能を使って、本人の写真が無断で公開されていることを申告します。SNS運営者に権利侵害があったとして削除請求をすることも考えられると説明されています。

プラットフォームへの申告では、本人が写っていること、投稿を許可していないこと、公開アカウントであること、削除を求めたが拒否されたことを具体的に記載します。

④弁護士名で通知する

それでも削除されない場合は、弁護士名で削除要求の通知を送る方法があります。友人間のトラブルでは、弁護士名の通知だけで相手が問題の重大性を理解し、削除に応じることもあります。

通知では、肖像権・プライバシー権侵害を理由に、投稿の削除、再投稿の禁止、第三者への共有停止、必要に応じて慰謝料の支払いを求めます。

⑤仮処分や訴訟を検討する

写真が拡散している、悪意あるコメントがついている、学校や職場に知られた、何度も再投稿されるなど、被害が大きい場合には、裁判所を通じた削除仮処分や損害賠償請求を検討します。

肖像権侵害に対しては、民事上、侵害行為の差止めや損害賠償を求めることができます。

5 慰謝料請求はできるか

削除だけでなく、慰謝料請求が可能な場合もあります。

ただし、友人が無断で写真を1枚投稿したという事案では、慰謝料額は高額になりにくいのが通常です。写真の内容、公開期間、閲覧数、拡散の有無、本人が特定される程度、削除要求後の対応、悪意の有無などによって変わります。

たとえば、次のような事情があると、請求を検討しやすくなります。

  • 顔がはっきり分かる
  • 公開アカウントに掲載された
  • 本人が削除を求めた後も放置した
  • 写り方が本人にとって強い羞恥を伴う
  • コメント欄でからかわれた
  • 学校や職場の人に見られた
  • ストーリーズや別SNSにも転載された
  • 同じことを繰り返している

一方で、金銭的な解決よりも、まずは削除と再投稿防止を優先するのが現実的です。

6 投稿する側が気をつけるべきこと

この問題は、誰もが加害者側になり得ます。

SNSに友人や家族の写真を投稿する場合は、事前に許可を取るべきです。東京都の消費生活情報でも、無関係な人が写り込んでいる写真や動画は、特定できないようにぼかしやマスキングをしたり、トリミングして除外するなどの配慮が必要であり、一緒に写った人に事前に許可を得ることが望ましいとされています。

特に、公開アカウントでは、投稿後に誰が閲覧・保存・転載するか分かりません。友人同士の軽い投稿でも、本人にとっては大きな負担になることがあります。

7 まとめ

Cさんの顔がはっきり写っており、知人が見れば本人だと分かる写真を、承諾なくInstagramの公開アカウントに投稿した場合、肖像権侵害やプライバシー侵害に当たる可能性があります。

「写真撮影に応じたこと」と「SNSで公開すること」は別です。また、「いいねがついたから消したくない」という理由は、本人の肖像権を侵害してよい理由にはなりません。

まずは、投稿画面、URL、日時、削除要求のやり取りを保存してください。そのうえで、記録に残る形で削除または顔の加工を求め、応じない場合はInstagramへの通報、弁護士名での通知、必要に応じて削除仮処分や慰謝料請求を検討します。

SNSでは、「たかが写真」では済まないことがあります。顔写真はその人の人格やプライバシーに関わる情報です。本人が嫌だと言っている以上、投稿者は速やかに削除または加工に応じるべきです。

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執筆:有森FA法律事務所 代表弁護士有森文昭(詳細プロフィールは、こちら

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匿名掲示板で「バカ」「無能」と書かれた場合、訴えることはできるのか

2026-06-30

【相談内容】

会社員のAさんは、匿名掲示板に実名を出されたうえで、「本当に無能だ」「頭が悪いから関わらない方がいい」「バカ丸出し」など、人格を否定するような投稿を繰り返されました。

もっとも、「会社の金を横領している」「不倫している」といった具体的な事実が書かれているわけではありません。友人からは「具体的な事実がないと名誉毀損にはならないのでは」と言われ、不安に感じています。

このような、いわゆる「悪口」の投稿について、法的措置を取ることはできるのでしょうか。

【弁護士の回答】

結論として、具体的な事実の記載がない場合でも、法的措置を取れる可能性はあります。

たしかに、「Aは横領している」「Aは職場で不正をしている」といった具体的な事実を示して社会的評価を低下させる投稿でなければ、典型的な名誉毀損とは言いにくい場合があります。

しかし、「バカ」「無能」「関わらない方がいい」といった抽象的な罵倒であっても、公然と人を侮辱する内容であれば、刑事上は侮辱罪、民事上は名誉感情侵害として責任追及できる可能性があります。名誉毀損と侮辱罪は、事実を指摘しているかどうかが大きな違いであり、「バカ」「ブス」といった書き込みは、具体的事実ではなく主観的評価を示すものとして、侮辱罪の問題になり得ると説明されています。

1 名誉毀損と侮辱の違い

名誉毀損と侮辱の違いは、投稿の中に「具体的な事実」が示されているかどうかです。

名誉毀損とは、公然と事実を指摘して、人の社会的評価を低下させる行為をいいます。ここでいう「事実」は、真実か虚偽かを問いません。たとえば、「Aは会社の金を横領している」「Aは反社会的勢力と関係がある」「Aは不倫している」など、証拠によって真偽を確認できる内容が典型です。

これに対して、侮辱は、具体的な事実を示さずに、人を見下したり、人格を攻撃したりする行為です。たとえば、「バカ」「無能」「気持ち悪い」「関わる価値がない」といった表現は、事実の摘示というよりも、相手に対する否定的評価・罵倒です。

Aさんのケースでは、「横領している」などの具体的事実ではなく、「無能」「頭が悪い」「バカ丸出し」といった抽象的な悪口が中心です。そのため、名誉毀損よりも、侮辱または名誉感情侵害として検討するのが実務的です。

2 「単なる悪口」でも違法になる場合がある

もっとも、悪口であれば常に違法になるわけではありません。

民事上の名誉感情侵害は、単に不快だった、傷ついたというだけで当然に認められるものではなく、社会通念上許される限度を超える侮辱行為といえるかが問題になります。名誉感情侵害については、社会通念上許される限度を超える侮辱行為である場合に、人格的利益の侵害が認められ得るとされています。

裁判所が重視するのは、投稿の文言だけではありません。次のような事情を総合的に見ます。

  • 実名を出しているか
  • 投稿が公開掲示板やSNSなど不特定多数に見える場所でされたか
  • 投稿回数が多いか
  • 執拗に繰り返されているか
  • 他の読者にもAさんのことだと分かるか
  • 仕事や生活への影響があるか
  • 容姿、能力、人格、家族関係など人格的価値を攻撃しているか
  • 前後の投稿やスレッド全体の流れ
  • 批判・意見の範囲を超えているか

単発で「バカ」と書かれただけの場合には、開示請求や損害賠償請求のハードルが高いこともあります。しかし、実名を出し、何度も人格攻撃を繰り返し、周囲の人に見られる場所で社会生活に影響するような投稿をしている場合には、違法な侮辱・名誉感情侵害と評価される可能性が高まります。

3 発信者情報開示請求は可能か

匿名掲示板の投稿者を特定するためには、発信者情報開示請求を検討します。

発信者情報開示請求とは、サイト管理者や接続プロバイダに対し、投稿者を特定するための情報開示を求める手続です。インターネット上の匿名投稿では、投稿者が誰か分からないことが多いため、損害賠償請求や刑事告訴をする前提として、まず投稿者の特定が必要になります。

発信者情報開示請求では、投稿内容が名誉権侵害、プライバシー侵害、名誉感情侵害などの民事上の違法行為に当たるかが問題になります。名誉感情侵害も、発信者情報開示請求の根拠となる権利侵害として扱われます。

手続の流れは、一般に次のようになります。

  1. 投稿の証拠を保存する
  2. サイト管理者に対して発信者情報開示命令などを申し立てる
  3. IPアドレスやタイムスタンプ等の情報を取得する
  4. アクセスプロバイダに対して発信者情報開示命令やログ保存を求める
  5. 投稿者の氏名・住所等を特定する
  6. 投稿者に対し、削除、損害賠償、謝罪、再発防止、刑事告訴等を検討する

発信者情報開示請求では、投稿から時間が経ちすぎていないことも重要です。接続プロバイダのログ保存期間は限られており、投稿からおおむね3か月から6か月程度で開示が困難になることがあるとされています。

4 慰謝料はどの程度認められるか

慰謝料額は、名誉毀損か、名誉感情侵害か、投稿の悪質性、拡散範囲、投稿回数、実生活への影響などによって変わります。

一般に、具体的な事実を示して社会的評価を低下させた名誉毀損の方が、慰謝料額は高くなりやすい傾向があります。他方で、名誉感情侵害は、主観的な人格的利益の侵害として扱われるため、慰謝料は比較的低額にとどまることが少なくありません。名誉感情侵害の慰謝料については、事案にもよるものの数万円から10万円程度が基本と説明されることがあります。

もっとも、実名を出して執拗に攻撃した、長期間にわたり投稿を続けた、職場や友人関係に実害が出た、削除後も再投稿した、といった事情があれば、慰謝料額が増える可能性があります。また、発信者情報開示に要した費用についても、損害として一定額が認められる裁判例があります。法務省の調査報告書でも、開示請求等費用について、高等裁判所の裁判例では認容範囲に差はあるものの一定の考慮がされている状況が紹介されています。

そのため、金銭的な回収だけを目的にすると、弁護士費用との関係で費用倒れになる可能性があります。他方で、「相手を特定したい」「投稿を削除させたい」「二度と書かせたくない」「謝罪や示談を求めたい」という目的がある場合には、法的措置を取る意味があります。

5 刑事告訴も検討できる

悪質な投稿については、刑事上の侮辱罪として告訴を検討できる場合があります。

名誉毀損罪と侮辱罪はいずれも親告罪であり、刑事処罰を求めるには、原則として被害者による告訴が必要です。刑事告訴をする場合、加害者が分かっていれば加害者名を記載しますが、加害者不明のまま告訴することも可能とされています。

ただし、警察がどの程度捜査するかは、投稿の悪質性、回数、被害の程度、証拠の有無などに左右されます。民事上の発信者情報開示請求と並行して、刑事告訴の可否を検討することになります。

6 まず行うべき証拠保存

Aさんがまず行うべきことは、投稿の証拠を確実に保存することです。

最低限、次の情報を残してください。

  • 投稿が掲載されているURL
  • スレッド名・掲示板名
  • 投稿番号
  • 投稿日時
  • 投稿者名・ID・アカウント名
  • 投稿本文
  • Aさんの実名が表示されている部分
  • 前後の投稿
  • スクリーンショット
  • 可能であればページ全体のPDF保存
  • 投稿を見た第三者がいる場合、その状況

スクリーンショットだけでは、URLや日時が分かりにくい場合があります。画面上にURL、投稿日時、投稿番号が表示される形で保存することが重要です。

また、投稿者に直接反論したり、感情的に言い返したりすることは避けるべきです。言い争いの経緯があると、相手方から「単なる口論だった」「双方の応酬だった」と反論される可能性があります。証拠を保存したうえで、削除請求、開示請求、損害賠償請求、刑事告訴の順に冷静に検討することが重要です。

7 まとめ

Aさんのケースでは、「横領している」などの具体的な事実が書かれていないため、典型的な名誉毀損としては難しい面があります。

しかし、「無能」「頭が悪い」「バカ丸出し」といった投稿であっても、実名を出し、匿名掲示板で多数の人が閲覧できる状態で、人格攻撃を繰り返しているのであれば、侮辱罪や民事上の名誉感情侵害として法的措置を取れる可能性があります。

特に重要なのは、投稿の回数、文言の強さ、実名の有無、公開範囲、生活や仕事への影響です。単なる一言の悪口では難しい場合もありますが、執拗な誹謗中傷であれば、発信者情報開示請求、削除請求、損害賠償請求、刑事告訴を検討できます。

まずは、投稿のURL、日時、投稿番号、本文、前後の流れを保存してください。発信者情報は保存期間が限られているため、投稿から時間が経っていないうちに対応を始めることが大切です。

【お問合せは、こちらから】

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執筆:有森FA法律事務所 代表弁護士有森文昭(詳細プロフィールは、こちら

(注)2026年3月時点の法令に基づき内容を改定

本記事は2026年3月現在の法令に基づいた一般的な情報の提供を目的としています。個別の事案については、具体的な状況により判断が異なるため、必ず専門家にご相談ください。

ネット誹謗中傷に時効はある?民事の損害賠償と刑事告訴の期限

2026-06-20

「数年前の書き込みを見つけてしまった」
「昔の炎上が、今になって検索結果やSNSで蒸し返されている」
「投稿者を特定して責任追及したいが、もう遅いのではないか」

インターネット上の投稿は、削除されない限り長期間残り続けます。SNS、掲示板、口コミサイト、まとめサイト、ブログ記事などに一度掲載された情報は、検索エンジンに表示され続けたり、第三者によって転載・拡散されたりすることもあります。
もっとも、投稿が残っているからといって、いつまでも同じように法的責任を追及できるわけではありません。損害賠償請求には民法上の消滅時効があり、刑事責任を求める場合には公訴時効や告訴期間が問題になります。
この記事では、ネット上の誹謗中傷・名誉毀損・侮辱について、まず前編として、民事上の損害賠償請求と刑事告訴の期限を解説します。

1 民事上の損害賠償請求には時効がある

ネット上の投稿によって名誉や信用を傷つけられた場合、投稿者に対して慰謝料などの損害賠償を請求できる可能性があります。
法律上は、不法行為に基づく損害賠償請求として整理されるのが一般的です。
不法行為に基づく損害賠償請求権については、原則として次の期間制限があります。

①被害者が「損害及び加害者」を知った時から3年
②不法行為の時から20年

この2つの期間のいずれかが経過すると、相手方から時効を主張されることにより、損害賠償請求が認められなくなる可能性があります。
たとえば、匿名掲示板に名誉を傷つける投稿がされた場合、投稿から20年を経過すると、たとえ投稿者が後から判明したとしても、損害賠償請求は困難になります。
一方で、投稿から数年が経過していても、投稿者が誰か分かっていなかった場合には、「損害及び加害者を知った時から3年」の期間がまだ始まっていないと考えられることがあります。

2 「加害者を知った時」とはいつか

ネット誹謗中傷で特に問題になるのが、「加害者を知った時」がいつかという点です。
実名で投稿されている場合や、投稿者が元交際相手、知人、取引先などであることが明らかな場合には、投稿を見た時点または早い段階で加害者を知ったと評価される可能性があります。
これに対して、匿名アカウントや匿名掲示板の投稿では、被害者は投稿を見つけた時点では投稿者の氏名や住所を知りません。

そのため、通常は、発信者情報開示請求などによって投稿者の氏名・住所等が判明した時点が、3年の時効の起算点として問題になります。
つまり、匿名投稿の場合、投稿を発見しただけで直ちに「加害者を知った」と評価されるとは限りません。投稿者を特定できて初めて、損害賠償請求を現実的に行える状態になることが多いからです。
もっとも、ここで注意すべきなのは、「加害者が分からない間は放置してよい」という意味ではないことです。
投稿から20年という長期の期限は、投稿者の特定の有無にかかわらず進行します。また、後編で解説するように、投稿者を特定するための通信記録、いわゆるアクセスログは、20年どころか数か月で消えてしまうことが少なくありません。

3 「投稿から20年以内なら大丈夫」とはいえない

民事上の時効だけを見ると、「投稿から20年以内であれば、まだ損害賠償請求の余地がある」と考えたくなるかもしれません。
しかし、ネット上の誹謗中傷では、損害賠償請求をする前提として、まず投稿者を特定しなければならないケースが多くあります。
匿名投稿の投稿者を特定するためには、通常、サイト管理者やSNS事業者、インターネット接続プロバイダに対して、発信者情報開示請求を行います。
しかし、投稿者を特定するために必要なアクセスログは、永久に保存されているわけではありません。

そのため、法律上の損害賠償請求権がまだ時効にかかっていなくても、ログが消えてしまえば投稿者の特定が困難になり、結果として責任追及ができなくなる可能性があります。

4 刑事責任を求める場合の時効

ネット上の誹謗中傷については、民事上の損害賠償請求だけでなく、刑事事件として対応を求めることもあります。
代表的な犯罪類型としては、名誉毀損罪と侮辱罪があります。
名誉毀損罪は、公然と事実を摘示して人の名誉を毀損した場合に成立し得る犯罪です。
たとえば、インターネット上で「○○は不正をしている」「○○は犯罪者だ」など、具体的な事実を示して社会的評価を低下させる投稿をした場合には、名誉毀損罪が問題になることがあります。
一方、侮辱罪は、事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した場合に成立し得る犯罪です。
たとえば、「バカ」「無能」「消えろ」など、具体的な事実を示さない罵倒表現については、侮辱罪が問題になることがあります。
刑事事件では、民事上の消滅時効とは別に、公訴時効が問題になります。公訴時効とは、一定期間が経過すると検察官が起訴できなくなる制度です。

5 名誉毀損罪・侮辱罪の公訴時効

名誉毀損罪の公訴時効は3年です。
また、侮辱罪についても、現在は公訴時効が3年と整理されます。
以前は、侮辱罪の法定刑が軽かったため、公訴時効を1年と説明する記事や解説もありました。しかし、侮辱罪は2022年に厳罰化され、法定刑が引き上げられました。その結果、現在では侮辱罪の公訴時効も3年と考えられます。
そのため、古い情報を見て「侮辱罪は1年で時効になる」と理解している場合には注意が必要です。
もっとも、これは「3年間は何もしなくてよい」という意味ではありません。刑事責任を求める場合には、公訴時効だけでなく、告訴期間も問題になるからです。

6 名誉毀損罪・侮辱罪では「告訴期間」にも注意

名誉毀損罪や侮辱罪は、原則として、被害者の告訴がなければ起訴できない親告罪です。
そして、告訴は、原則として犯人を知った日から6か月以内に行う必要があります。
ここでいう「犯人を知った日」とは、単に「このアカウントが怪しい」と思った日ではなく、告訴が可能な程度に犯人を特定した日が問題になります。
匿名投稿の場合には、発信者情報開示請求によって投稿者の氏名・住所等が判明した時点が問題になることが多いでしょう。
つまり、刑事責任を求める場合には、次の2つの期限を意識する必要があります。

①犯罪行為からの公訴時効
②犯人を知った日からの告訴期間

投稿者を特定できた後も、「まだ公訴時効まで時間がある」と考えて放置していると、告訴期間を過ぎてしまうおそれがあります。
刑事告訴を検討する場合には、投稿内容が名誉毀損罪や侮辱罪に該当するか、証拠が足りるか、告訴状をどのように構成するかを早期に検討する必要があります。

7 まとめ

ネット誹謗中傷に対する責任追及には、法律上の期限があります。
民事上の損害賠償請求については、原則として次の2つの期間が問題になります。

①損害及び加害者を知った時から3年
②不法行為の時から20年

匿名投稿の場合、投稿者を特定できて初めて3年の時効が進み始めると考えられることがあります。
一方で、刑事責任を求める場合には、名誉毀損罪・侮辱罪の公訴時効に加え、犯人を知った日から6か月以内という告訴期間にも注意が必要です。

インターネット・ホットラインセンターとは?削除依頼の通報先と弁護士依頼の違い

2026-06-15

ネットトラブルについて調べていると、「インターネット・ホットラインセンター(IHC)」という名称を目にすることがあると思います。

「ここに通報すれば、警察が動いて削除してくれるの?」と期待される方も多いですが、IHCには「できること」と「できないこと」があります。

弁護士による法的対応との違いを理解し、正しく使い分けましょう。

1 インターネット・ホットラインセンター(IHC)とは?

IHCは、警察庁の受託事業として運営されている民間団体です。

インターネット上の「違法情報」や「有害情報」の通報を受け付け、サイト管理者やプロバイダに対して削除依頼を行う活動をしています。

2 IHCが対応できる情報の種類

IHCが削除依頼の対象とするのは、主に以下の「公然と陳列することが犯罪となる情報」です。

①わいせつ画像(無修正ポルノなど)

②児童ポルノ

③違法薬物の販売情報

④自殺誘引等情報

⑤リベンジポルノ(私事性的画像記録)

これらの情報については、IHCに通報することで、警察庁への情報提供や、プロバイダへの削除要請を行ってくれるため、非常に有効です。

3 IHCが「対応できない」ケース

一方で、個人の名誉毀損やプライバシー侵害、日常的な誹謗中傷については、IHCの対応範囲外となることが多いです。

①「バカ」「死ね」などの悪口

②事実無根の噂話

③店舗への悪質な口コミ

これらは、当事者間の民事トラブルの側面が強く、IHCが「違法」と即断できないため、介入してくれません。

4 IHCは「犯人特定」をしてくれない

最も重要な違いはここです。

IHCの目的はあくまで「違法情報の削除(流通防止)」です。

「誰が書き込んだか調べてほしい(発信者情報開示請求)」や「慰謝料を請求したい」という要望には一切応えてくれません。

インターネットトラブルの被害にあわれた場合には、弁護士や警察をはじめとした様々な組織を比較しつつ、どこに相談、依頼をすることで自身の被害回復、希望を叶えることが出来るかを冷静に判断していくことが重要です。
なかなかイメージがわきづらいと思いますので、まずはそれぞれに問い合わせをしてみるというのも一つの方法です。

弁護士に依頼するメリット・デメリット|自分で行う開示請求との成功率の違い

2026-06-10

「発信者情報開示請求は、弁護士に頼むと費用が高い」

「ネットで調べれば自分でもできるらしい」

そう考えて、ご自身(本人訴訟)で手続きを始めようとする方がいます。

もちろん、法律上は本人でも手続きは可能ですが、そこには専門家でなければ乗り越えられない多くの壁が存在します。

今回は、弁護士に依頼する場合と自分で行う場合の違いについて、忖度なしに解説します。

1 比較表

項目自分でやる場合弁護士に依頼する場合
費用実費(数万円)のみで済む着手金・報酬金がかかる
手間書類作成、裁判所への出頭など膨大ほぼ全て丸投げできる
スピード手探りで行うため時間がかかる最短ルートで行うため速い
精神的負担誹謗中傷を直視し続ける必要がある弁護士が代行するため軽減される
成功率法的知識不足で失敗しやすい専門知識により最大化される

2 最大のリスクは「権利侵害の立証」の難しさ

開示請求で最も難しいのは、「この書き込みは違法だ」と裁判官やプロバイダを説得する(法的に構成する)ことです。

単に「傷ついたから開示して」と訴えても、裁判所は認めません。

ここの詰めが甘いと、せっかく裁判を起こしても「権利侵害が明らかではない」として棄却(敗訴)されてしまいます。一度失敗すると、同じ事案でやり直すことはほぼ不可能です。

3 プロバイダの対応の違い

サイト管理者やプロバイダによっては、一般人からの任意の開示請求は門前払いし、「弁護士からの照会なら対応する」「裁判所の命令がないと動かない」という態度をとるところも少なくありません。

弁護士名義で通知を送るだけで、相手の対応の本気度が変わることは実務上よくあります。

4 加害者にバレずに進められるか?

自分で手続きを行う場合、開示請求の過程で、相手方(加害者)に自分の氏名や住所が知られてしまうリスクがあります(訴状に原告の住所氏名が記載されるため)。

弁護士に依頼すれば、手続き上の工夫により、被害者の個人情報を極力秘匿したまま進めることも可能です。

5 結論:費用対効果をどう見るか

確かに費用はかかりますが、それは「成功率」と「安心」、そして「時間」を買うためのコストです。

「絶対に失敗したくない」「相手を特定して責任を取らせたい」という本気度が高いのであれば、最初から専門家である弁護士に任せるのが、結果として一番の近道となります。

「リベンジポルノ」被害の緊急対応

2026-06-05

交際相手や元配偶者に、裸の写真や性的な動画をインターネット上に公開される「リベンジポルノ」。

被害者の尊厳を傷つけ、平穏な生活を一瞬にして破壊する極めて卑劣な犯罪です。

この被害の最大の特徴は、「一度拡散すると回収が極めて困難(デジタルタトゥー)」という点です。

恥ずかしさや恐怖で身動きが取れなくなる前に、一刻も早い対処が必要です。

1 「リベンジポルノ防止法」による処罰

リベンジポルノ行為は、名誉毀損罪だけでなく、専用の法律である「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律(リベンジポルノ防止法)」によって厳しく処罰されます。

①罰則: 3年以下の懲役または50万円以下の罰金

②対象: 第三者が撮影対象者を特定できる方法で、性的画像を不特定多数に提供・公表する行為。

撮影自体には同意していたとしても、それを許可なく公開することは犯罪です。

2 何よりも優先すべき「削除」の動き

犯人を捕まえることと同時に、画像の拡散を止めることが最優先です。

①サイト管理者への削除要請:リベンジポルノ被害専用の通報窓口を設けているサイトも多いです。

②プロバイダへの送信防止措置依頼:法的な書類を送付して削除を求めます。

③検索エンジン(Googleなど)への削除申請:画像が検索結果に出ないように申請します。

これらの手続きは自分でも可能ですが、精神的な負担が大きいため、弁護士に任せて迅速に行うことを強くお勧めします。

3 警察への相談と刑事告訴

リベンジポルノ被害に関しては、警察も比較的積極的に動いてくれます。

最寄りの警察署の生活安全課などに相談し、被害届や告訴状を提出しましょう。

警察が動けば、加害者のスマホやPCが押収され、元データの削除(消去)を期待できます。また、加害者が逮捕されれば、これ以上の拡散を防ぐ強力な抑止力になります。

4 民事での損害賠償請求

刑事事件とは別に、民事訴訟で慰謝料を請求します。

リベンジポルノ被害の慰謝料相場は、通常の名誉毀損よりも高く、100万円〜300万円程度認められるケースもあります。 また、二度と画像を公開しないよう「差止請求」や「データの破棄」を求めることも重要です。

リツイート(リポスト)や「いいね」でも訴えられる?

2026-05-31

「共感したから『いいね』を押しただけ」

SNSにおいて、これらの行為は日常的に行われています。

しかし、そのワンタップが、時には数百万円の損害賠償請求に繋がる可能性があることをご存知でしょうか。

今回は、拡散行為(リポスト/リツイート)と、賛同行為(いいね)の法的責任について、最新の裁判例を交えてみていきます。

1 リツイートは「投稿と同じ」とみなされる

他人の誹謗中傷投稿をリツイート(リポスト)する行為について、裁判所は厳しい判断を下しています。

過去の裁判例において、裁判所は「リツイートは、元の投稿内容をそのまま自身のフォロワーに表示させる行為であり、自身の発言として発信したのと同等の責任を負う」と判断しました。

つまり、「他人が書いた悪口だから自分は関係ない」という言い訳は通用しません。

コメントなしのリツイートであっても、その内容が名誉毀損に当たる場合、リツイートした人自身も損害賠償責任を負うことになります。

2 「いいね」を押しただけで違法になる?

これまでは、「いいね」を押す行為は単なる好意的な反応に過ぎず、違法性は問えないと考えられていました。

しかし、状況が変わりつつあります。

2022年の東京高裁判決において、執拗に他者を侮辱する投稿に対して繰り返し「いいね」を押した行為が、名誉感情を侵害する違法行為であると認定されました。

もちろん、すべての「いいね」が直ちに違法になるわけではありませんが、

①悪意を持って執拗に行われた場合

②社会的な影響力がある人物が行った場合

③ハラスメントの一環として行われた場合

などは、法的責任を問われるリスクがあります。

3 安易な拡散(拡散希望)のリスク

「犯人はこいつだ!拡散希望!」

ネット上の私刑(リンチ)や、デマ情報の拡散に加担してしまうケースも後を絶ちません。

もし拡散した情報が「人違い」や「デマ」だった場合、元の投稿者だけでなく、拡散した全員が法的責任を問われる可能性があります。

「みんながやっているから大丈夫」ではありません。被害者が本気になれば、拡散者を片っ端から特定して訴えることも物理的には可能です。

4 もし訴えられたら、または被害に遭ったら

自分が拡散してしまった側で、開示請求の意見照会書が届いた場合は、すぐに弁護士に相談し、適切な回答書を作成する必要があります。場合によっては早期の示談が最善策となります。

逆に、自分の悪口が拡散されて被害に遭っている場合は、元の投稿者(発信源)を特定すると同時に、悪質な拡散者に対しても法的措置を検討しましょう。デマの拡散を止めるには、毅然とした対応が必要です。

退職者による書き込みへの対応

2026-05-26

「転職会議」「OpenWork(旧Vorkers)」「キャリコネ」「en Lighthouse(旧カイシャの評判)」などの転職口コミサイト

これらは求職者にとって有用な情報源ですが、企業にとっては退職者(元社員)による恨み節や、事実と異なる書き込みの温床となりがちです。

こうした専門サイトの削除は、一般的な掲示板とは異なる難しさがあります。

1 各サイトの削除ポリシーと傾向

これらのサイトは、「会員登録した元従業員」から情報を集めるビジネスモデルであり、投稿者の匿名性を強く守る傾向があります。また、サイト側も「多少のネガティブ情報も、求職者にとっては有益」というスタンスを取っているため、問い合わせフォームからの任意の削除依頼には、なかなか応じてくれません。

「事実と異なる」と主張しても、「投稿者の主観的な体験・感想ですので削除できません」と返答されるのが関の山です。

2 削除・特定のための法的手段

任意の削除が難しい場合、裁判所への「仮処分申立て」を行います。

ここで重要になるのが「虚偽の事実」であることの立証です。

例えば、「サービス残業を強要された」と書かれた場合、会社側は「タイムカードと給与明細を照らし合わせ、全額支払われている」という客観的な証拠を提出します。

裁判所が「真実ではないことが明らか」と判断すれば、サイト運営者に対して削除命令やIPアドレスの開示命令が出されます。

3 投稿者は誰か?-退職者の特定

開示請求が進み、プロバイダから契約者情報が開示されれば、投稿者が「どの元社員か」が特定できます。多くの場合、円満退社しなかった人物や、在職中にトラブルがあった人物です。

特定後は、損害賠償請求を行うだけでなく、「退職時の秘密保持誓約書違反」を問える可能性もあります。

4 サイト側とのガイドライン攻防

裁判まで行かなくても、各サイトの「ガイドライン違反」を精緻に指摘することで、削除に成功するケースもあります。

①個人名の記載: 上司や同僚の実名が出ている。

②プライバシー侵害: 社内の特定の個人しか知らない事情が書かれている。

③過度な暴言: 批評を超えた侮辱的表現がある。

転職口コミサイトの悪評は、数年にわたって採用活動の足を引っ張り続けます。

「どうせ消えない」と諦めず、特に悪質なものから優先的に法的対処を行うことが、優秀な人材を確保するための投資となります。

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