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発信者情報開示請求の対象となる通信記録について

2021-12-16

発信者情報開示請求の一連の流れでは大まかには2段階の手続があり、1段階目が、コンテンツプロバイダやホスティングプロバイダに対して行うIPアドレスやタイムスタンプの開示請求を行い、2段階目が、アクセスプロバイダに対して行う発信者の氏名や住所メールアドレス等の個人情報の開示請求となります。

本日は、このような、発信者情報開示請求における一連の流れを進めるにあたり理解しておくべき基礎的な用語であるIPアドレスをご紹介いたします。

1 IPアドレスについて

IPアドレスは厳密には2種類を区別して理解しておくことが必要です。

1種類目が、接続元IPアドレスです。これは、投稿者側に紐づくIPアドレスです。これは、1段階目の発信者情報開示請求の対象となります。もっとも、この接続元IPアドレスについては、通常は単体ではあまり意味はなく、接続日時(タイムスタンプ)とあわせて整理しておくことが非常に重要です。

2種類目が、接続先IPアドレスです。これは、コンテンツプロバイダ側のIPアドレスとなります。ただし、この接続先IPアドレスは、複数ある場合もありますので注意が必要です。

以上のIPアドレスに関する情報を取得することが、発信者情報開示請求の一段階目の主たる目的となります。このIPアドレスを把握できた場合には、二段階目の手続として、アクセスプロバイダに対する発信者情報開示請求を行っていくことになります。

2 まずは弁護士にご相談ください

IPアドレスを特定することは発信者情報開示請求の一連の流れの出発点となりますので、非常に重要な手続となります。

その一方で、アクセスプロバイダの通信ログの保存期間の兼ね合いもありますので、IPアドレスの特定の手続は迅速に行うことが必須となります。

以上のとおり、手続を適切に進めることと迅速に進めることを行う必要がありますので、手続になれていない一般の方が行うことには高いハードルがあります。

そのため、最終的な対応はどのようにするかはさておき、まずは弁護士にご相談いただき、対応を慎重に検討いただくことをお勧めいたします。

当事務所では、被害者の方からのご相談と加害者の方からのご相談を、いずれも幅広くお受けしております。

ご遠慮なくお問合せいただけますと幸いです。

未成年者による発信者情報開示請求の注意点

2021-12-09

インターネット上の匿名掲示板やSNSにおいて、誹謗中傷や名誉棄損に類する投稿がなされることや、自身が被写体となっている写真が無断で掲載されるといった被害は後を絶ちません。

このような被害に遭う方は成人の方だけではなく、中学生~大学生といった未成年者が被害に遭う場合もあります。

むしろ最近は特にSNSにおける投稿に関して未成年者の方からのご相談数が一定程度あり、その相談件数は増加傾向にあります。

このように、未成年者の方からご相談をお受けする場合もありますが、未成年者からご依頼をいただく場合には独特な注意点があります。

というのも、未成年者は法的には制限行為能力者となります。

そのため、未成年者が事件当時者となっている場合には、法定代理人のかたの同意が必要です。

具体的には、委任状に法定代理人の記載と押印が必要です(なお、本人の押印は必要ありません。)。

また、裁判手続を利用する場合には、裁判所からは本人、法定代理人であり親権者でもある父、及び法定代理人であり親権者でもある母の合計3名分の記載が求められることもあります。

未成年者の方からご相談をお受けする場合には、以上のとおり、最終的には法定代人の同意が必要となります。

未成年者の方の中には、親御さんに知られたくないと強く希望する方もいらっしゃいますが、現実問題としては、親御さんの了承を得ないと発信者情報開示請求を含めて一連の手続を行うことが不可能です。

そのため、当事務所では、未成年者の方からご相談があった場合には、最低限度のお話しだけ伺い、重要な話については法定代理人の方に同席いただいた状態で必ず進めるようにしております。

未成年者の方から法定代理人の方へのご相談をご自身ですることが難しいという場合には、当事務所の弁護士から法定代理人の方に説明等をする場合もありますので、まずはご遠慮なくお問い合わせください。

以上のとおり、昨今は、インターネット上の匿名掲示板やSNSにおいて、誹謗中傷や名誉棄損に類する投稿がなされることが非常に多くなっております。

当事務所は、被害者の方からのご相談、加害者の方からのご相談のいずれも幅広く受けております。

弁護士にご相談いただくことに心理的なハードルを感じていらっしゃる方もいらっしゃいますが、現在直面されている状況への対処には弁護士にご相談いただくことが非常に重要です。

まずは、ご遠慮なく当事務所までご相談いただけますと幸いです。

住所や氏名を含む個人情報の開示請求の段階

2021-12-02

インターネット上の匿名掲示板やSNS上で誹謗中傷や名誉棄損に類する投稿がなされた方や著作権侵害の被害に遭った方など、投稿者や加害者を特定するための発信者情報開示請求を検討されている方も多いと思います。

本日は、発信者情報開示請求の一連の手続の流れにおける2段階目の手続である氏名や住所などの個人情報の開示請求においてどの程度の期間を要するかをご紹介いたします。

なお、以下でご紹介する期間はあくまでも一般的な期間であり個別具体的な事情によって大きく異なる場合もございますので、ご留意ください。

1 住所や氏名を含む個人情報の開示請求の段階

住所や氏名を含む個人情報の開示請求は基本的には民事裁判手続となります。

任意請求として発信者情報開示請求を行うこともできますが、個人情報であることを理由にアクセスプロバイダ側は開示を拒否する場合が多いのが実情です(もっとも、通信ログの保存を求める観点から、民事訴訟を提起する前の段階で任意請求としての発信者情報開示請求を行うことが通常は行われます。)。

そのため、判決までに通常は数か月~半年程度かかり、また、判決確定後、実際に個人情報が開示されるまでに数週間程度はかかります。

なお、発信者情報開示請求書を用いて任意での開示請求をする場合は、1ヶ月弱程度かかることが通常です。

以上のとおり、発信者情報開示請求の一連の流れでかかる総合的な期間としては、IPアドレスから順番にたどっていく手法では、住所氏名が開示されるまでの期間は、半年以上かかる場合もあることは念頭に置く必要があります(海外法人を相手とする場合は1年程度かかる場合もあります。)。

2 まずは弁護士にご相談ください

発信者情報開示請求は、二段階目のアクセスプロバイダへの発信者情報開示請求の時点でアクセスプロバイダが通信ログを消去しているといった状況に陥ることを回避することが重要です。

そのため、発信者情報開示請求における一連の流れにおいてはできるだけスムーズに各手続を行うことが重要です。

ご自身での対応ではなかなか難しい手続も多いので、まずは、弁護士のご相談ください。

当事務所は、被害者の方からのご相談、加害者の方からのご相談のいずれについても幅広く対応しておりますので、ご遠慮なくお問合せいただけますと幸いです。

IPアドレスの開示請求の段階について

2021-11-25

インターネット上の匿名掲示板やSNS上で誹謗中傷や名誉棄損に類する投稿がなされた方や著作権侵害の被害に遭った方など、投稿者や加害者を特定するための発信者情報開示請求を検討されている方も多いと思います。

本日は、発信者情報開示請求の一連の手続の流れにおける一段階目の手続であるIPアドレスの開示請求においてどの程度の期間を要するかをご紹介いたします。

なお、以下でご紹介する期間はあくまでも一般的な期間であり個別具体的な事情によって大きく異なる場合もございますので、ご留意ください。

1 IPアドレスの開示請求の段階

発信者情報開示請求の一段階目の手続であるIPアドレスの開示請求に要する期間についてご紹介いたします。

まず、任意の発信者情報開示請求の取扱いについてですが、ガイドライン上、意見照会期間として2週間の期間が設けられています。そのため、この一段階目の手続においては、概ね1ヶ月前後かかるものと考えておけばよいでしょう。

次に、IPアドレスの開示を求める仮処分手続の場合ですが、申立てから開示決定が出るまでの期間は、コンテンツプロバイダの属性ごとに異なります。具体的には、

①コンテンツプロバイダが通常の国内サイトであり、かつサイト理者側が特に反論をしない場合には、1、2週間前後となります。

②コンテンツプロバイダが反論してきた場合には、1、2か月前後かかるものと考えた方がよいでしょう。

③コンテンツプロバイダが海外法人である場合には、①、②の場合よりも大幅に時間がかかりますので注意が必要です。この場合、海外法人側が何も反論してこない場合は1か月程度の時間を要します。他方で、海外法人側が反論をしてきた場合には2、3か月程度かかるものと考えておいた方がよいでしょう。

なお、発信者情報開示請求書を用いずに、サイト管理者に直接メールを送ることやオンラインフォームを利用して、事実上開示請求をすることもあります。この場合には、サイト管理者が投稿者側に意見照会をしない場合には1週間前後、意見照会する場合には、1ヶ月前後で回答が届くことが通常です。

2 まずは弁護士にご相談ください

発信者情報開示請求は、二段階目のアクセスプロバイダへの発信者情報開示請求の時点でアクセスプロバイダが通信ログを消去しているといった状況に陥ることを回避することが重要です。

そのため、一段階目のコンテンツプロバイダへの発信者情報開示請求はできるだけスムーズに行うことが重要です。

ご自身での対応ではなかなか難しい手続も多いので、まずは、弁護士のご相談ください。

当事務所は、被害者の方からのご相談、加害者の方からのご相談のいずれについても幅広く対応しておりますので、ご遠慮なくお問合せいただけますと幸いです。

発信者情報開示請求にかかる意見照会書が届いた場合の対応

2021-11-18

発信者情報開示請求が被害者側から行われた場合、アクセスプロバイダは投稿者に対して意見照会書を送ります。

この場合、意見照会書にどのような内容を記載するかはその後の流れの中で非常にじゅうようですので慎重に行う必要があります。

本日は、意見照会書が届いた場合の対応に関してご紹介いたします。

1 意見照会書が届いた場合の対応

(1)開示に同意する場合

任意での発信者情報開示請求の場合、開示に同意をするという対応を取ると、発信者情報開示請求訴訟に移行する事態を回避することができますので、被害者側が最終的に請求してく調査費用を抑えることができる可能性があります。

また、民事裁判手続による発信者情報開示請求の場合も、開示に同意をすることで、判決によって自身の投稿等が違法であることを公に認定されるという事態を避けることができます。

以上のように開示に同意をするメリットはありますが、その一方で、開示に同意をするリスクもありますので、慎重に対応をする必要があります。

(2)開示に同意しない場合

任意での発信者情報開示請求の場合には、具体的な理由を記載して開示に同意をしない旨の回答をすれば開示されないのが一般的です。もっとも、著作権侵害を理由とした発信者情報開示請求の場合には、具体的な理由を記載して開示に同意をしない旨の回答をした場合でも、アクセスプロバイダ側の判断で開示をするケースが散見されます。これは、誹謗中傷や名誉棄損に類する投稿については、表現の自由との兼ね合いでアクセスプロバイダも慎重に対応せざるを得ない反面、著作権侵害の場合には、このような慎重な利益衡量は不要となることに起因するものと考えております。

他方で、訴訟手続での開示請求の場合には、開示拒否といっても、開示認容判決が出た場合には開示されます。

2 まずは弁護士にご相談ください

発信者情報開示請求にかかる意見照会書が届いた場合にどのような対応を行うかという点は、発信者情報開示請求という一連の流れの中で初めて投稿者側が関与する部分となります。

そのため、その後の帰趨にも影響しますので、慎重に対応を検討する必要がある点は強調してもしきれないところです。

当事務所は、被害者側からのご相談、ご依頼だけではなく、投稿者側からのご相談、ご依頼も幅広くお受けしております。

初めて弁護士にご相談される場合には、弁護士へのご相談は、ハードルが高いとお感じになると思いますが、まずはお気軽にご相談いただけますと幸いです。

発信者情報開示請求にかかる意見照会書が届く場合

2021-11-11

インターネット上の匿名掲示板やSNSにおいて誹謗中傷や名誉棄損に類する投稿がなされた場合やファイル共有ソフト等を利用して著作物の違法ダウンロード、違法アップロードがなされた場合、被害者側は、通常、プロバイダ責任制限法に基づく発信者情報開示請求等を行います。

そして、投稿者側には、発信者情報開示請求にかかる意見照会書が届く場合があります。

以下、投稿者側に発信者情報開示請求にかかる意見照会書が届く場合についてご紹介いたします。

1 投稿者側に発信者情報開示請求にかかる意見照会書が届く場合

発信者情報開示請求がプロバイダに対して行われた場合、プロバイダは、投稿者に対して意見照会を行います。

もっとも、注意すべき点は発信者情報開示請求の一段階目であるコンテンツプロバイダにおいては、投稿者の連絡先などの情報を把握しておりませんので、この段階ではコンテンツプロバイダから投稿者に対して意見照会が行われることはありません(物理的に不可能だからです)。

したがいまして、通常、発信者情報開示請求にかかる意見照会は、アクセスプロバイダから投稿者に対して行われるものです。

そして、この意見照会は、訴訟手続としての発信者情報開示請求の場合だけではなく、任意請求として行われる場合の発信者情報開示請求に対しても行われますが、アクセスプロバイダの運用にもよりますが、意見照会を各手続毎に2回行う場合もありますが、1回のみしか行われない場合もあります。

そのため、投稿者側としては、1回しか意見照会の機会がない前提で意見照会への対応を慎重に検討すべきであるものといえます。

2 まずは弁護士にご相談ください

アクセスプロバイダから突然発信者情報開示請求にかかる意見照会書が届いた場合、多くの方は非常に困惑、混乱してしまうのが通常です。

このような状況で冷静になることはなかなか難しいものではありますが、困惑、混乱した状態で対応を進めた場合、間違った対応をしてしまうリスクが高いことには注意する必要があります。

そのため、まずは、弁護士にご相談いただき、慎重に対応を検討いただくことをお勧めいたします。

当事務所では、問題のある投稿や著作権侵害等にお困りの被害者の方からのご相談だけではなく、投稿者(加害者)の方からのご相談も幅広くお受けしております。

弁護士への相談は敷居が高いとの印象がもたれがちではありますが、そのようなことはございませんので、まずはお気軽にご相談いただけますと幸いです。

問題のある投稿をした人物を特定できた場合の対応について

2021-11-04

インターネット上の匿名掲示板やSNSにおいて誹謗中傷や名誉棄損に類する投稿が発見された後、投稿者を特定するため、発信者情報開示請求等の一連の手続を行った結果、投稿者の特定に成功した場合、どのように投稿者に対して対応をするかについては慎重に検討する必要があります。

以下で概要をご紹介いたしますので、ご参照いただけますと幸いです。

1 問題のある投稿をした人物を特定できた場合の対応について

問題のある投稿をした人物を特定できた場合には、直ちに当該投稿者に対して慰謝料請求や再発防止の確約等を得るために動き出すことが通常です。

しかしながら、投稿者への対応に関しては、いったん慎重に検討する必要があります。

投稿者に対して即座に慰謝料請求等をすることのメリットとしては、当該投稿者に対して断固たる姿勢を示すことができるということです。慰謝料請求と併せて民事上、刑事上の手続を進めていくことは投稿者に対する強力な圧力になり得ることは間違いありません。

これに対して、デメリットとしては当該請求金額を支払えば何をしてもよいと投稿者側が勘違いする恐れがあるということです。請求する金額によっては、投稿者側が大したことはないと考えてしまうリスクがあり、再発防止の観点からは望ましくない状況になる可能性があります。

以上のとおり、問題のある投稿者を特定することが出来た場合には直ちに慰謝料請求等を行いたいというお気持ちはよくわかりますが、いったん立ち止まって慎重に対応を検討することは非常に重要です。

ただし、慎重に対応を検討する一方であまりにも時間をかけるとその後の手続を取ることができなくなる可能性もありますので、迅速さにも注意をする必要があります。

2 最後の段階まで慎重に対応を進めることが重要です

誹謗中傷や名誉棄損に類する投稿がなされた場合、問題のある投稿の削除や投稿者の特定をするだけでも様々な手続を経る必要があり、相当のハードルがありますが、投稿者の特定後、というある意味一連の流れでは詰めの段階でも決して油断することはできません。

投稿者側に不用意に連絡を取ることでそれまでの積み重ねが無駄になってしまう可能性もあります。

まずは、弁護士と慎重に交渉方針を検討いただく必要があるという点にはご注意ください。

インターネットトラブル対応の注意点

2021-10-28

インターネット上の匿名掲示板やSNS上での誹謗中傷や名誉棄損に類する投稿への対応に関して、投稿の削除や投稿者の特定が主たる論点となることが非常に多いですが、どのような対応を取るにせよ、そもそもそのような対応を取るべきかどうか前提として検討すべきです。

以下でご紹介いたしますので、ご参照いただけますと幸いです。

1 インターネットトラブルの対応の前提として注意すべき点

代表的な注意点は以下のとおりです。

①インターネット上の表現トラブルにおいて、法的措置がうまくいかなかった場合、投稿者側からさらなる投稿があるリスクがあります。

②インターネットトラブルの対応の経緯や経過をインターネット上で説明する方がいらっしゃいますが、これは非常に危険です。情報発信の内容によっては、別のトラブル、より具体的には投稿者側からの慰謝料請求を招くリスクがあります。

③インターネット上の表現トラブルにおいては、実際のところ何らの対応もせずに静観をすべきケースがあります。例えば、何らかの対応を取ることでより激しい誹謗中傷や名誉棄損に類する投稿を誘発するリスクもありますし、利用する手続によっては、投稿者を特定できた後に慰謝料請求をしても最低限度の弁護士費用相当額も回収できない場合もあります。

以上のような代表的なリスクをまずは検討した上で、問題の投稿の削除や投稿者の特定を試みるかどうかを慎重に検討していくことが必要です。

ただ、この検討においては、慎重さと迅速さの両側面に注意をすることになりますので、慎重に検討をすることで多くの時間を費やしてしまい、その後の手続を進めることができなくなってしまうということは避けることにも注意が必要です。

2 まずは弁護士にご相談ください

上記1のような注意点は、見落とされがちです。

しかしながら、そもそも平穏な生活や日常を取り戻すために、問題のある投稿に対して様々な対応を試みるという趣旨に鑑みますと、反対に問題のある投稿に対応をすることでより一層悪質な被害を招くという事態は避ける必要があります。

弁護士であれば以上のような注意点を慎重に見極めどのように対応すべきかをアドバイスすることが可能です。

弁護士へのご相談はなかなかハードルが高いと思いの方もいらっしゃいますが、まずは弁護士にご相談いただくことをお勧めいたします。

誹謗中傷や名誉棄損に類する投稿への対応には高いハードルがあります

2021-10-21

SNSや匿名掲示板において、誹謗中傷や名誉棄損に類する投稿がなされ、被害に遭われる方が昨今非常に増えております。

インターネット、SNSの普及に伴いこのような状況となっていることは明白であり、今後もこのような状況が続くものと思われます。

このような権利侵害には厳正に対応する必要があり、現に投稿をした人物を特定するための手続もあり、幅広く利用されております。

しかしながら、誹謗中傷や名誉棄損に類する投稿の削除や投稿をした人物の特定を試みることには高いハードルがある点には注意する必要があります。

以下、注意すべき点についてご紹介いたします。

1 誹謗中傷や名誉棄損に類する投稿への対応には高いハードルがあります

誹謗中傷や名誉棄損に類する投稿は他者の権利を侵害する者であり厳正に対応する必要があります。

しかしながら、被害者にとっては、投稿の削除や加害者の特定に相当の手間がかかることは十分に認識した上でどのような手続を利用するかを検討する必要があります。

具体的には、以下のような高いハードルがある点には注意が必要です(以下は、代表的なものですが、細かなハードルは他にもございます。)。

①加害者の特定までには複数の手続を経る必要があり、かつ時間的な余裕もあまりありませんので、実際には加害者の特定までたどり着くのは非常に困難であることも多いといえます。

②仮に加害者を特定できたとしても、慰謝料額は非常に低額であることが多く、被害回復には足りない場合も多いのが実情です。

③コンテンツプロバイダも含めて、媒体の管理者には法律上責任を問えないことが通常です。

④コンテンツプロバイダが海外法人である場合には、一連の手続にかかる費用や時間が大きく増えます。

2 まずは弁護士にご相談ください

上記1のとおり、一般的には、問題の投稿の削除や加害者の特定には相当のハードルがございます。

しかしながら、具体的な事情の下では該当しないハードルもありますので、一概に問題の投稿の削除や加害者の特定に相当のハードルがあるとまではいえません。

最終的にどのような対応をとるにせよ、まずは弁護士にご相談いただき、上記1のハードルを踏まえて、具体的な事情の下でどのような対応を取るべきかをご検討いただくことをお勧めいたします。

削除仮処分手続を利用する場合のスケジュール感

2021-10-14

SNSや匿名掲示板上で、自己に関する誹謗中傷や名誉棄損に類する投稿がなされてお困りの場合、被害拡大防止の観点からは、投稿の削除を試みることが非常に重要です。

このような投稿の削除に関しては、任意請求の方法から法的な手続を利用する方法まで様々な方法がありますが、本日は、法的手続である削除仮処分手続を利用する場合のスケジュール感についてご紹介いたします。

1 問題の投稿の削除仮処分手続を利用する場合のスケジュール感

削除仮処分手続を利用する場合のスケジュール感を考える際には、コンテンツプロバイダ側が日本法人であるのか、それとも海外の法人であるかによって大きく異なります。

具体的には、削除仮処分手続の申立後、裁判所は双方審尋期日設定されるところ、コンテンツプロバイダが日本法人の場合には1、2週間先に設定されます。これに対して、コンテンツプロバイダが海外法人である場合には通常は1ヶ月程度先に設定されますが、送達条約未加盟国の場合は半年程度先に設定されることになります。

削除仮処分手続においては、コンテンツプロバイダ側が問題の投稿による権利侵害を争わない場合には、速やかに担保決定まで進むこともあります。

しかしながら、コンテンツプロバイダ側が争ってきた場合には、1、2週間毎に双方審尋期日が設定され審理が行われます。

また、コンテンツプロバイダによっては、削除仮処分で認容決定が発令された場合でも、保全異議、保全抗告等を行い争ってくることがあり、そうすると、さらに手続が伸びることになります。

このように、削除仮処分手続を利用する場合のスケジュール感としては、ケースバイケースとなりますので、その事案に即した形で可能な限り迅速に対応をするように試みていくことが非常に重要となります。

2 まずは弁護士にご相談ください

削除仮処分は有用な手続ではありますが、非常にテクニカルな手続ともいえます。

問題の投稿の削除を試みる場合には、削除仮処分手続を利用することが最も有用な方法となりますので、問題の投稿の削除を検討されている場合には、最初から弁護士にご相談、ご依頼いただきながら迅速に手続を進めることをお勧めいたします。

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