SNSや匿名掲示板において、誹謗中傷や名誉棄損に類する投稿がなされ、被害に遭われる方が昨今非常に増えております。
インターネット、SNSの普及に伴いこのような状況となっていることは明白であり、今後もこのような状況が続くものと思われます。
このような権利侵害には厳正に対応する必要があり、現に投稿をした人物を特定するための手続もあり、幅広く利用されております。
しかしながら、誹謗中傷や名誉棄損に類する投稿の削除や投稿をした人物の特定を試みることには高いハードルがある点には注意する必要があります。
以下、注意すべき点についてご紹介いたします。
1 誹謗中傷や名誉棄損に類する投稿への対応には高いハードルがあります
誹謗中傷や名誉棄損に類する投稿は他者の権利を侵害する者であり厳正に対応する必要があります。
しかしながら、被害者にとっては、投稿の削除や加害者の特定に相当の手間がかかることは十分に認識した上でどのような手続を利用するかを検討する必要があります。
具体的には、以下のような高いハードルがある点には注意が必要です(以下は、代表的なものですが、細かなハードルは他にもございます。)。
①加害者の特定までには複数の手続を経る必要があり、かつ時間的な余裕もあまりありませんので、実際には加害者の特定までたどり着くのは非常に困難であることも多いといえます。
②仮に加害者を特定できたとしても、慰謝料額は非常に低額であることが多く、被害回復には足りない場合も多いのが実情です。
③コンテンツプロバイダも含めて、媒体の管理者には法律上責任を問えないことが通常です。
④コンテンツプロバイダが海外法人である場合には、一連の手続にかかる費用や時間が大きく増えます。
2 まずは弁護士にご相談ください
上記1のとおり、一般的には、問題の投稿の削除や加害者の特定には相当のハードルがございます。
しかしながら、具体的な事情の下では該当しないハードルもありますので、一概に問題の投稿の削除や加害者の特定に相当のハードルがあるとまではいえません。
最終的にどのような対応をとるにせよ、まずは弁護士にご相談いただき、上記1のハードルを踏まえて、具体的な事情の下でどのような対応を取るべきかをご検討いただくことをお勧めいたします。