業務上の不利益措置とパワハラ

昨今パワーハラスメント(以下「パワハラ」といいます)は社会全体の問題となっており、実際に、パワハラに関するご相談をお受けすることは多くなっております。
そこで、本日は、パワハラと認められる事由について、裁判例を踏まえてご紹介いたします。
以下の事案がそのままあらゆる場合に適用できるわけではなく、あくまでも業務上の不利益措置に関する判断となりますので、ご注意ください。

 

1 東京高判平成5.11.12判時1484・135(松陰学園事件)

(1)事案の概要
学校法人Yの設置する高等学校の教諭であるXが、Y側によって、それまで担当していた学科の授業、クラス担任等一切の仕事を外されたうえ、何らの仕事も与えられないまま4年半にわたって別室に隔離され、さらに7年近くにわたって自宅研修をさせられ、年度末一時金の支給停止等の差別的取り扱いをされているのは不法行為である等として慰謝料の支払いを求めた事案です。

(2)判示
YがXに対し、仕事を外し、職員室内隔離、自宅研修という過酷な処遇を行い、更に賃金等の差別をしてきた原因については、Xが二度にわたって産休をとったこと及びその後の態度が気にくわないという多分に感情的な校長の嫌悪感に端を発し、その後些細なことについての行き違いから、Y側が勘定に走った言動に出て、執拗とも思えるほど始末書の提出をXに要求し続け、これにXが応じなかったため意固地になったことにあると認められるのであって、その経過において、Xのとった対応にも反省すべき点がなかったわけではないが、この点を考慮しても、Y側の一連の行為の正当性を基礎づける理由とはならず、業務命令権の濫用として違法・無効であり、また、Xの精神的苦痛は誠に甚大であるとして、Y側による不法行為を認定しました。

 

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