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輸入事後調査において重加算税が賦課されたケース

2024-02-12

輸入を事業として行っている場合には、税関による輸入事後調査の実施は避けて通れない制度として存在します。

輸入申告が適切に行われている場合には問題ありませんが、不適切な輸入申告を行っている場合には過少申告加算税や、重加算税が課される場合もありますので、十分注意が必要です。

本日は、税関が公表している重加算税が賦課されたケースについてご紹介いたします。

 

1 重加算税が賦課されたケース

①輸入者が自らインボイスを改ざんしたケース

輸入者は、正規の価格が記載されたインボイスをもとに、自ら正規の価格よりも低い価格に書き換えたインボイスを作成し、課税価格の計算の基礎となる事実を隠蔽・仮装して、当該インボイスに基づき申告した。

輸入事後調査によって発覚した結果、不足税額は1,846万円、内重加算税256万円が課された。

 

②輸入者が輸出者と通謀して虚偽のインボイスを作成したケース

輸入者は、輸入申告前に正規の価格を認識していたが、輸出者と通謀して、取引価格よりも低い価格を記載した虚偽のインボイスを輸出者に作成させ、課税価格の計算の基礎となる事実を隠蔽・仮装して、当該インボイスに基づき申告した。

輸入事後調査によって発覚した結果、不足税額は561万円、内重加算税142万円が課された。

 

なお、重加算税は、単なる記載ミスである場合には課されることはありません。隠蔽又は仮装により、納税申告をしない又は間違った納税申告を行った場合に課されることになります。

 

2 輸入事後調査には十分注意が必要です

輸入事後調査は、適正な輸入申告が行われていたかどうかを事後的に調査されるものですが、輸入事業者の多くは、迅速に輸入することが中心的な興味・関心であり、輸入許可が下りている以上は問題ないものと考えてしまっているケースが多くあり、調査の結果予想以上の追徴税額が課される可能性もあります。

知らなかった、よくわからなかった、輸入申告の際に指摘してもらえれば適切に行った、等の反論をしたとしても、意味がなく、輸入事後調査でこのような事態を回避するためには適切に輸入申告を行うことが何よりも重要です。

輸入申告においては、思わぬ費用を課税価格に加算する必要がある等、なかなか正確に把握することが困難な部分もあります。

輸入を事業として行う以上は避けて通れない調査ですので、輸入手続や申告価格の計算方法について不安な点がある場合には、まずは専門家にご相談いただくことをお勧めいたします。

令和4事務年度における輸入事後調査

2024-02-07

輸入を事業として行っている個人、法人の方の中には輸入事後調査を実際に受けたことがある方も相当程度いらっしゃると思います。

また、実際に受けた経験がないとしても、輸入事後調査という制度の存在を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

そこで、本日は、令和4事務年度における輸入事後調査の実施状況に関してご紹介いたします。

 

1 令和4事務年度における輸入事後調査

令和4事務年度における輸入事後調査の実施件数は、3312者(前事務年度比223.2%)、この内申告漏れ等があった輸入者は2437者(申告漏れ等の割合73.6%)でした。

また、申告漏れ等に係る課税価格は、884億9259万円であり、追徴税額は以下の通りです。

①納付不足税額は93億4333万円(内訳は、関税額は8億872万円、内国消費税額は85億3461万円)

②加算税額は4億7400万円(内重加算税額は1323万円)

 

次に納付不足税額が多い5品目は以下の通りです。

①光学機器等(90類)は22億5775万円、②自動車等(87類)は14億4649万円、③電気機器(85類)は9億8474万円、④機械類(84類)は9億5543万円、⑤履物類(64類)は4億573万円、でした。

 

輸入事後調査の実施件数は、令和3事務年度における件数は1484件でしたが、コロナ禍の後、件数は回復傾向にあります。

来事務年度はさらに増加するものと思いますので十分注意が必要です。

 

2 輸入事後調査には十分ご注意ください

日本では基本的には申告納税方式が取られておりますので、輸入申告は適正に行われている前提で輸入許可が下されます。そのため、輸入許可が下されていることから輸入申告に問題がなかったと誤解する事業者の方も相当程度おりますが、あくまでも申告納税方式であり、輸入申告の適切さについては、事後的に輸入事後調査において包括的、網羅的に調査をすれば良いということに過ぎません。

ただし、輸入事後調査で間違いが発覚した場合には、過少申告加算税、重加算税、延滞税等の追徴税が課されますので、10%以上支払うべき税額が増大してしまいます。一般的なビジネスにおいては、10%以上税額が高くなる場合、ビジネスの継続自体に重大な悪影響が生じる可能性もありますので、極力避けるべきです。

輸入申告に関して不安な点がある場合や、実際に輸入事後調査が入る可能性がある(又は入ることになった)という場合には、まずは専門家にご相談いただくことをお勧めいたします。

犯則調査の対象品目について

2024-02-02

今年に入って海外旅行が再開されたことを機に、日本国内に持ち帰ってはいけない物を持って帰ってしまったり、帰国時に適切に申告することが必要であるにもかかわらず無申告で日本国内に持ち込もうとしてしまったり、手続上問題のある行動をとってしまうケースが非常に多くあります。

これらの行為は、本人としてはそこまで大事ではなく軽い気持ちで行ってしまう場合も多いようですが、現実問題としては、『密輸』や『脱税』に該当する行為ですので、十分に注意が必要です。

 

1 令和4事務年度における関税等脱税事件に係る犯則調査の対象品目

令和4事務年度においては、169件が対象となり、総額2億1279万円が脱税額となりました。

対象品目の内訳は以下の通りです。

①金地金は125件、1億6714万円、②たばこは14件、877万円、③腕時計は15件、1214万円、④バッグ類は11件、947万円、⑤アクセサリー類は4件、129万円、⑥衣類は4件、189万円、⑦食品・酒は1件、6万円、でした。

金地金については、意図的に密輸されたケースも多いと推察しますが、その他はいわゆるし好品やブランド品等であり、単に申告をし忘れたか、面倒なので申告を怠ったということだと思われます。

ただ、最初に述べた通り、『脱税』や『密輸』に該当する行為であり、一番重いケースでは刑事事件に発展するリスクもありますので、くれぐれも注意が必要です。

 

2 海外旅行から戻ってきた際には十分ご注意ください

海外旅行から戻ってきた際には、気分も高揚しており、煩雑な手続を行うことが面倒に感じてしまう場合も多いと思います。

しかしながら、『脱税』や『密輸』に該当する行為を行ってしまった場合には、その後、行政事件や刑事事件の被疑者となってしまいますので、場合によっては人生に大きな悪影響を与えるものとなります。

一度このようなトラブルに巻き込まれてしまった場合には、税関からの複数回にわたる事情聴取を含めて、気の休まる暇もなく、数か月(長い場合には1年以上)対応を行う必要があります。

後悔先に立たずといいますので、海外旅行から戻ってきた際にはくれぐれもご注意ください。

例えば、個人使用目的であったとしても、貨物の種類によっては持参可能な数量に制限があります(酒類やたばこ等)。

ご不安な点がある場合や、トラブルが発生してしまった場合には、まずは専門家にご相談いただくことをお勧めいたします。

令和4事務年度における関税等脱税事件に係る犯則事件

2024-01-28

海外旅行者が非常に多くなった昨今、意図的にせよ、意図的でないにせよ、間違った形で貨物を輸入してしまい、犯則事件に発展するケースが後を絶ちません。

間違った形で貨物を輸入することは、要するに脱税を行っているということであり、決して行ってはいけないということは言うまでもありません。場合によっては刑事事件に発展する可能性もありますので、決して『魔が差した』等として安易に行うようなことではないことにはくれぐれも注意が必要です。

 

1 令和4事務年度における関税等脱税事件に係る犯則事件

令和3事務年度は、該当の犯則事件数は39件だったものの、令和4事務年度においては、海外旅行の再開等の影響か、169件まで増加しました。

この内、告発まで進展したケースは3件、通告処分で終わったケースは166件です。

 

また、脱税額については、告発分にかかる内国消費税は1650万円です。

他方で通告処分にかかる関税額は747万円であり、内国消費税分は1億8882万円でした。

 

貨物を輸入する際に関税を支払う必要があるということは、なんとなく知っている、という方も多くおりますが、内国消費税も支払う必要があるということはあまり知らない方もいらっしゃいます。海外で購入したものを日本に持って帰ってきただけであるのに、なぜ内国消費税を支払う必要があるのか疑問に思う方もいると思いますが、日本国内に持って帰ってくることで課税対象となる点には十分に注意が必要です。

 

2 輸入手続は適切に行うことが必要です

海外旅行も再開され、今後非常に多くの方が海外に行かれるものと思います。

輸入や輸出を日常的に事業として行っている方の場合には、ある意味常識的な内容となりますが、そうでない方にとっては、輸入手続は非常に特殊なものですし、また、輸入手続における様々なルールは、場合によっては奇異な内容とすらいえる場合もあります。

もっとも、ルールを知らないからルールを破ってもしょうがない、ということにはなりません。法律上は、ルールを適切に把握していることが前提となりますので、ルールを知らなかったからしょうがないということにはなりません。

例えば、個人使用目的であったとしても、貨物の種類によっては持参可能な数量に制限があります(酒類やたばこ等)。

知らなかったでは済まされませんし、仮にトラブルとなってしまった場合には適切に対応をし、極力大事にすることなく解決を図ることが肝要です。

ご不安な点がある場合や、トラブルが発生してしまった場合には、まずは専門家にご相談いただくことをお勧めいたします。

輸出事業者の書類保存義務

2024-01-08

輸入や輸出を業とする個人、法人は、該当の貨物に関する品名、数量及び価格等を記載した帳簿を備え付け、帳簿、書類及び電子データを保存する義務を負います。

ただ、実際のところ、このような各書類の保存を適切に行うことができていない事業者も多く存在するように思います。

そこで、本日は、輸出者における保存義務の概要をご紹介いたします。

 

1 保存義務がある書類

(1)帳簿

まず、輸出者は、輸出許可が下りた日の翌日から5年間、帳簿を保存する必要があります。

帳簿の具体的な記載事項としては、該当の貨物の品名、数量、価格、仕向人の氏名(名称)、輸出許可年月日、許可書の番号を記載する必要があります。ただし、必要な事項が網羅されている場合には、既存の帳簿や仕入書等に追記したものでも代替可能であるとされております。

 

(2)輸出関係書類

輸出者は、輸出許可が下りた日の翌日から5年間、輸出関係書類を保存する必要があります。

輸出関係書類とは、

①輸出許可貨物の契約書、②仕入書包装明細書、③価格表、④製造者又は売渡人の作成した仕出人との間の取引についての書類、⑤その他税関長に対して輸出の許可に関する申告の内容を明らかにすることができる書類、

のことを指します。

 

(3)電磁的記録

輸出者は、輸出許可が下りた日の翌日から5年間、電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存する必要があります。

電磁的記録の具体的なないよとしては、電子取引を行った場合における当該電子取引の取引情報、のことを指します。

 

2 輸出や輸入に関する不明点はお気軽にご相談ください

輸出や輸入に関しては、通常の売買とは異なる習慣や法規制が存在しますので、通常の売買と同じイメージをもち安易な対応を行うと思わぬ部分で足元をすくわれてしまうリスクがあります。

その一方で、輸出や輸入に関する知識を詳しく教えてもらうことができるケースは限られており、また、なんとなく輸出や輸入の手続を進めたとしても、手続自体は一見すると問題なく進む場合も多くあります(税関による事後調査によって手痛いしっぺ返しを受けるリスクがありますが。)

いじょうから、輸出や輸入という特別な取り扱いを行っていることを踏まえ、どのようにすればトラブルを回避することができるかを事前に把握した上で対応を行うことが非常に重要です。自社の輸出や輸入に関するフローが適切かどうかを再度確認いただくとともに、必要に応じて専門家にセカンドオピニオンを求める等、万全の態勢をトラブル発生前に構築しておくことが重要です。

輸入事後調査の準備を改めて行いましょう

2024-01-03

ECサイトの利用の拡大、副業の拡大によって、輸入を事業として行う企業、個人は増加傾向にあります。

通常の輸入に関しては、日本は申告納税方式が採用されておりますので、問題のある申告を行っていた場合でも輸入許可が下りてしまうことがあるのですが、そのような問題のある申告を取り締まり、事業者間の公平や法秩序を維持するために、輸入事後調査という税関による調査が行われております。

 

1 輸入通関時の資料等は適切に保管する必要があります

輸入事後調査は、要するに、輸入申告が適切に行われていたかどうか、より具体的には適切な税番や申告価格で申告されていたか、ということを輸入通関時の資料や、送金関連資料、また、契約関連資料を踏まえて判断していくことになります。

 

そのため、仮に適切に申告をしていたとしても裏付けとなる資料を適切に保管していない場合には、調査を行う税関の立場からすると適切な申告を行っていたかどうかを判断することができません。

 

以上を踏まえ、まずは必要な資料を常日頃から保管しておくことが非常に重要です。

これは、そもそも輸入事業者は上記の資料を保管する法的な義務がありますので当然のことではありますが、なかなか実現できていない事業者も多く存在する印象です。

 

どのような資料をどのように保管すればよいか、ということから漏れがないように整理していく必要がありますので、ご不明な点等ありましたら、お問い合わせください。

 

2 輸入事後調査対応の準備は日常的に行う必要があります

輸入事後調査の準備については、日常的に行うことが非常に重要です。

といいますのも、数年間にわたる関連資料を一度に収集整理しようとすると、それだけで大量の時間が必要となり、日常の業務に支障が生じます。

また、一部の記録に関しては数年単位の保管しかされていないこともあり、いざ輸入事後調査が入ることになった場合には、既に資料がどこにも存在しないということにもなりかねません。

また、通常の取引についても、例外的な取引が発生する場合は相当程度ありますが、都度適切にメモを取っておかないと、事後的になぜそのような例外的な取り扱いをすることになったのか記憶が不明瞭となってしまう場合もあります。

日常的に多数の取引を行っていると、例外的な対応といってもそれなりの分量となってしまいますので、記憶を頼りにすることは非常にリスクがある点にはご留意ください。

 

弊事務所では、輸入事後調査の準備から実際の対応まで幅広く対応しておりますので、お力になれること等ありましたら、ご遠慮なくお問い合わせください。

犯則調査の通常の実施状況

2023-10-10

輸入を事業として取り扱っている方の中には、犯則調査、通告処分等の言葉を聞いたことがある方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

犯則調査と刑事事件の区別がつかず、警察が家宅捜索にくる等と誤解される場合もよくありますが、犯則調査は刑事事件の前段階の調査手続であり調査主体は税関であると理解する必要があります。

犯則調査の結果によっては刑事事件となる場合もありますし、調査の結果、通告処分で終わる場合もありますので対応には十分な注意が必須となります。

本日は、関税等脱税事件に係る犯則調査の状況に関してご紹介いたします。

 

1 犯則調査の状況について

平成29事務年度における犯則調査による処分件数は合計841件、内、告発件数は33件、通告処分の件数は808件でした。

具体的な脱税額に関してですが、告発分に係る関税の合計額は1億309万円、内国消費税の合計額は3億6250万円、通告処分分にかかる関税合計額は870万円、内国消費税合計額は12億5019万円でした。

また、品目としては①金地金720件(脱税額:15億389万円)、②たばこ82件(779万円)、③腕時計14件(1341万円)、④バッグ類7件(280万円)、⑤アクセサリー類9件(312万円)等となっております。

 

次に平成28事務年度に関してご紹介いたします。

平成28事務年度における犯則調査による処分件数は561件、内、告発件数は12件、通告処分の件数は549件でした。

告発分に係る関税合計額は4388万円、内国消費税の合計額は1億4813万円、通告処分分にかかる関税合計額は1531万円、内国消費税合計額は7億6005万円でした。

また、品目としては①金地金467件(脱税額8億7361万円)、②たばこ54件(603万円)、③腕時計10件(648万円)、④バッグ類23件(959万円)、⑤アクセサリー類3件(44万円)、等となっております。

 

2 犯則調査への対応には十分注意が必要です

冒頭でご説明した通り、犯則調査は、行政処分で終了する場合もありますが、刑事事件化される可能性もあります。

そのため、犯則調査は大部分は行政処分で終わっているからどうせ通告処分で終わり大した問題には発展しない等と安易に考えてしまうことは非常に危険であると言わざるを得ません。

実際問題として、犯則調査の結果刑事事件化されるケースも相当程度ありますし、刑事事件化されてしまった場合には事業の存続に関わる重大な問題となりますので犯則調査への対応には十分注意が必要です。

 

当事務所は、輸出入や貿易関連のトラブル、事前教示制度の利用や税関事後調査をはじめとする税関対応等を幅広く取り扱っておりますので、犯則調査への対応等に関して少しでも不安がある場合には、まずはご相談ください。

犯則調査の具体的な実施状況

2023-10-03

輸入を事業として取り扱っている方の中には、犯則調査、通告処分等の言葉を聞いたことがある方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

また、知人が税関による犯則調査を受けており事業に大きな悪影響が発生してしまっている等の話を聞いたことがある方も相当程度いらっしゃるものと思います。

犯則調査は刑事事件であると誤解される場合もよくありますが、犯則調査は刑事事件の前段階の調査手続と理解することができます。

犯則調査の結果によっては刑事事件となる場合もありますし、調査の結果、通告処分で終わる場合もありますので注意が必要です。

本日は、関税等脱税事件に係る犯則調査の状況に関してご紹介いたします。

 

1 犯則調査の状況について

令和元事務年度における犯則調査による処分件数は271件、内、告発件数は9件、通告処分の件数は262件でした。

具体的な脱税額に関してですが、告発分に係る関税の合計額は2580万円、内国消費税の合計額は7870万円、通告処分分にかかる関税合計額は955万円、内国消費税合計額は3億3774万円でした。

また、品目としては①金地金199件(脱税額:3億6071万円)、②たばこ33件(344万円)、③腕時計24件(1996万円)、④バッグ類8件(150万円)、⑤アクセサリー類8件(233万円)等となっております。

 

次に平成30事務年度に関してご紹介いたします。

平成30事務年度における犯則調査による処分件数は536件、内、告発件数は12件、通告処分の件数は524件でした。

告発分に係る関税合計額はなし、内国消費税の合計額は4億147万円、通告処分分にかかる関税合計額は984万円、内国消費税合計額は6億4692万円でした。

また、品目としては①金地金404件(脱税額9億6004万円)、②たばこ89件(949万円)、③腕時計19件(1547万円)、④バッグ類11件(671万円)、⑤アクセサリー類4件(97万円)、等となっております。

 

2 犯則調査への対応には十分注意が必要です

冒頭でご説明した通り、犯則調査は、行政処分で終了する場合もありますが、刑事事件化される可能性もございます。

そのため、犯則調査はどうせ行政処分でおわる、大部分は行政処分で終わっているから大した問題ではない等と安易に考えてしまうことは非常に危険であると言わざるを得ません。

実際問題として、犯則調査の結果刑事事件化されるケースも相当程度ありますし、刑事事件化されてしまった場合には事業の存続に関わる重大な問題となりますので犯則調査への対応には十分注意が必要です。

 

当事務所は、輸出入や貿易関連のトラブル、事前教示制度の利用や税関事後調査をはじめとする税関対応等を幅広く取り扱っておりますので、犯則調査への対応等に関して少しでも不安がある場合には、まずはご相談ください。

犯則調査の現況について

2023-09-26

輸入を事業として取り扱っている方の中には、犯則調査、通告処分等の言葉を聞いたことがある方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

また、知人が犯則調査を受けており大変なことになっている等の噂を聞いたことがある方も相当程度いらっしゃるものと思います。

犯則調査と刑事事件はよく混同される表現ですが両者は似て非なるものですので注意が必要です。

本日は、関税等脱税事件に係る犯則調査の状況に関してご紹介いたします。

 

1 犯則調査の状況について

令和3事務年度における犯則調査による処分件数は39件、内、告発件数は2件、通告処分の件数は37件でした。

告発分に係る内国消費税の合計額は1117万円、通告処分分にかかる関税合計額は1695万円、内国消費税合計額は5184万円でした。

また、品目としては①金地金13件(2048万円)、②たばこ3件(122万円)、③腕時計11件(2147万円)、④バッグ類14件(3219万円)、⑤アクセサリー類5件(233万円)、⑥化粧品3件(1万円)等となっております。

 

次に令和2事務年度に関してご紹介いたします。

令和2事務年度における犯則調査による処分件数は36件、内、告発件数は4件、通告処分の件数は32件でした。

告発分に係る関税合計額は1億4798万円、内国消費税の合計額は2億5980万円、通告処分分にかかる関税合計額は351万円、内国消費税合計額は3705万円でした。

また、品目としては①金地金20件(脱税額8913万円)、②たばこ5件(418万円)、③腕時計4件(294万円)、④バッグ類7件(2499万円)、⑤アクセサリー類3件(14万円)、等となっております。

 

2 犯則調査への対応には十分注意が必要です

犯則調査は、行政処分で終了する場合もありますが、刑事事件化される可能性もございます。

そのため、犯則調査はどうせ行政処分でおわるからほっておけばよい等と安易に考えることは非常に危険です。

実際問題として、犯則調査の結果刑事事件化されるケースも相当程度ありますので犯則調査への対応には十分注意が必要です。

 

当事務所は、輸出入や貿易関連のトラブル、事前教示制度の利用や税関事後調査をはじめとする税関対応等を幅広く取り扱っておりますので、犯則調査への対応等に関して少しでも不安がある場合には、まずはご相談ください。

輸出事業者の帳簿書類の保存義務

2023-09-19

輸出事業者の方であれば、輸出許可書やインボイスなどをある程度の期間保存しておかなければならない、という話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

もちろん、法令の規定に沿って適切に対応している事業者の方も多くいらっしゃるものと思いますが、日々の業務に忙殺されてしまい、適切な対応をすることができていない事業者の方も相当程度いらっしゃるものと思います。

本日は、輸出事業者の方の帳簿書類の保存義務に関してご紹介いたします。

 

1 輸出事業者の帳簿書類の保存義務について

輸出事業者が保存すべき帳簿書類については、具体的には以下のとおりです。

 

まず、品名、数量、価格、仕向人の氏名(名称)、輸出許可年月日、許可書の番号を記載された帳簿(必要事項が網羅されている既存帳簿、仕入書等に必要項目を追記したものでも可)については、5年間(輸出許可の日の翌日から起算)の保存義務があります。

 

次に、①輸出許可貨物の契約書、②仕入書、③包装明細書、④価格表、⑤製造者又は売渡人の作成した仕出人との間の取引についての書類、⑥その他税関長に対して輸出の許可に関する申告の内容を明らかにすることができる書類については、5年間(輸出許可の日の翌日から起算)の保存義務があります。

 

また、電子取引(いわゆるEDI取引、インターネット等による取引、電子メール等により取引情報を授受する取引)を行った場合における当該電子取引の取引情報(貨物の取引に関して授受する契約書、仕入書等に通常記載される事項)については、5年間(輸出許可の日の翌日から起算)の保存義務があります。

 

2 帳簿書類の保存は輸出事業者の義務ですので注意が必要です

輸出事業は、貨物が無事に相手国に届くかどうか、ということに特に注意が傾きがちであり、そのような日々の業務に忙殺されてしまい、それ以外の形式的な部分等はおろそかにされがちです。

しかしながら、帳簿書類の保存は輸出事業者の義務ですので、違反した場合には最悪の場合ペナルティもあり得ますので十分注意する必要があります。

 

当事務所は、輸出入や貿易関連のトラブル、事前教示制度の利用や税関事後調査をはじめとする税関対応等を幅広く取り扱っておりますので、帳簿書類の保存方法や日々の輸出業務に関して少しでも不安がある場合には、まずはご相談ください。

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