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輸出事後調査の現状
近年、経済安保の関係で外為法(外国為替及び外国貿易法)の重要性が高まる中で、輸出事後調査が注目されています。この調査は、過去に行われた輸出取引の適正性を確認し、法令違反のリスクを未然に防ぐための重要な手続きです。本記事では、輸出事後調査の概要とその意義についてご説明いたします。
1 輸出事後調査とは?
輸出事後調査とは、過去の輸出取引について、外為法や関連する輸出規制への適合性を検証するために行う内部的または外部的な調査です。特に以下の点を確認します:
①規制対象の確認(該非判定)
輸出した製品や技術が、輸出規制リストやキャッチオール規制に該当していないかを再確認します。
②輸出許可手続きの適正性
該当する場合、必要な輸出許可や申請が適切に行われていたかを確認します。
③輸出先や用途の妥当性
輸出先や最終用途が適正であり、軍事転用や不正利用のリスクがなかったかを調査します。
2 調査で確認対象となる主なポイント
輸出事後調査では、以下の項目が重点的に確認されます。
①該非判定の記録
輸出前に行われた該非判定が正確であり、その記録が適切に保存されているかを確認します。
②輸出先の調査
取引先が規制対象の国や人物ではないか、また再輸出のリスクがないかを確認します。
③輸出許可の取得状況
規制対象の場合、輸出許可が適切に取得されていたか、またその手続きが法的要件を満たしているかを検証します。
④関連文書の保存状況
輸出に関する契約書や申請書類、取引記録などが適切に保存されているかを確認します。
3 輸出事後調査の意義と専門家に依頼するメリット
輸出事後調査は、外為法や関連規制に基づいて輸出取引の適正性を確認し、法令違反や経済安全保障上のリスクを防ぐために欠かせない制度です。
輸出事後調査は単なる過去の問題点の洗い出しにとどまらず、企業のコンプライアンス体制の向上や信頼性の確保に直結しますので、輸出事後調査を機にしっかりとした輸出管理体制を維持することで、将来的に行政や取引先からの信頼を得るだけでなく、事業の安定と成長を支えることにもつながります。
輸出事後調査は、外為法をはじめとした様々な法規制を踏まえて行われることになりますので、専門的な知識が必要となるため、なかなか初回の調査の際にスムーズに対応することは難しい場合が多いのが実情です。
適切な対応や確認を行うために、日常的に専門家のアドバイスを受けることが有益です。
輸出管理や外為法の遵守に不安を感じている企業の方は、ぜひ弁護士などの専門家にご相談いただくことをお勧めいたします。

有森FA法律事務所の代表弁護士、有森文昭です。東京大学法学部および法科大学院を卒業後、都内の法律事務所での経験を経て、当事務所を開設いたしました。通関士や行政書士の資格も有し、税関対応や輸出入トラブル、労働問題など、依頼者の皆様の多様なニーズにお応えしています。初回相談から解決まで一貫して対応し、依頼者の最良のパートナーとして、共に最適な解決策を追求してまいります。
輸入事後調査の現状
本日は、輸入事業者の皆様にとって無視できない『輸入事後調査』についてご説明します。
この調査は、輸入事業者にとって避けて通れないものであり、正しく対応しなければ思わぬペナルティを受けるリスクがあります。以下では、輸入事後調査の概要、よくある指摘事項、また、適切な対応方法についてご説明いたしますので、ご参考となれば幸いです。
1 輸入事後調査とは?
輸入事後調査とは、輸入許可後に税関が輸入事業者の取引内容や書類を調査し、輸入申告内容が正確で適切であるかを確認する制度です。主に以下の目的があります。
①関税・消費税の適正な納付確認
輸入申告で申告した課税価格を踏まえて、納付した関税額や消費税額が正確かをチェックします。
②適法な輸入手続きの確保
禁制品や規制対象品が適切に取り扱われているかを確認します。
通常、税関は過去5年以内の輸入取引を対象に調査を行い、不適切な申告が見つかった場合には追加課税やペナルティが科されることがあります。
2 よくある指摘事項
輸入税関事後調査では、以下のような点がよく問題とされます。
①課税価格の過少申告
輸入品の価格を意図的または誤って低く申告し、関税や消費税を少なく納めるケースです。
たとえば、運賃や保険料を含めない形で価格を申告している場合や加算要素を適切に加算できていない場合には、課税価格が過少となる可能性があります。
②税率の誤適用
関税分類(HSコード)の誤りによる税率の適用ミスが挙げられます。
例えば、食品と工業用化学品で異なる税率が適用される場合、分類ミスが追加納税の原因となります。
③規制品の適正な取り扱い
輸入品が規制対象である場合、必要な許可や証明書を取得していないと指摘されることがあります。
⑤書類の保存不備
輸入事業者は、輸入取引に関する書類を5年間は保存する義務があります。保存が不十分だと、調査で適正な保存をするように指導される可能性があります。
3 税関事後調査への適切な対応
税関事後調査は、突然の通知で輸入事業者にとって大きな負担になることがあります。
しかし、適切に対応すれば負担やリスクを最小限に抑えることが可能です。
税関事後調査は法律的・技術的な知識が必要な場面が多くあります。関税法や輸入手続きに精通した弁護士や税関コンサルタントに相談することで、リスクを軽減できます。
改めてになりますが、輸入事後調査は、輸入事業者にとって避けられないプロセスですが、適切に準備し対応することでリスクを最小限に抑えることができます。不安や疑問を抱えたままでは、事業運営に支障をきたす可能性がありますので、ぜひ専門家にご相談ください。
輸入事業を安心して継続するためのサポートを全力で提供いたします。
お困りの際は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

有森FA法律事務所の代表弁護士、有森文昭です。東京大学法学部および法科大学院を卒業後、都内の法律事務所での経験を経て、当事務所を開設いたしました。通関士や行政書士の資格も有し、税関対応や輸出入トラブル、労働問題など、依頼者の皆様の多様なニーズにお応えしています。初回相談から解決まで一貫して対応し、依頼者の最良のパートナーとして、共に最適な解決策を追求してまいります。
関税等脱税事件に係る犯則調査の現況
日本に貨物を輸入(ハンドキャリーを含む)する場合には、様々な法規制が存在します。
自分としては悪いことをしている認識がなかったとしても、法規制に違反してしまうとペナルティが発生することもありますので、十分注意する必要があり、軽い気持ちで行ったことが思わぬ重大な犯罪につながることもあります。
本日は、令和5事務年度(令和5年7月から令和6年6月)における関税等脱税事件に係る犯則調査の統計情報(税関公表)をご説明致します。
1 犯則調査の現状
処分件数は157件であり、その内、告発まで進んだケースは6件、通告処分で終了した件数は151件、でした。
処分件数自体は、令和4事務年度から微減(前事務年度比93%)となりましたが、告発件数は増加し(前事務年度比200%)ており、悪質な事案が増加したことが窺われます。
2 犯則調査のうちの金地金の件数の現状
処分件数157件の内、金地金は102件、告発まで進んだケース6件の内、金地金は6件、通告処分で終了した件の内、金地金は96件でした。
令和4事務年度よりも件数自体は減少しているものの、告発まで進んだケースが令和4事務年度では2件だったにもかかわらず、6件に増加したことから前事務年度比300%の増加となっております。
いわゆるコロナの影響で海外との往来が制限されていた期間は当然件数自体は少ない物でしたが、それ以前は、年間300件近い処分件数だった時もありましたので、以前に比べると半分近くとまでは言えないものの大幅に処分件数が減少していることは間違いありません。これが、実際に違法行為の試みが減少したからであれば問題ありませんが、違法行為の試みが巧妙化しており、発覚を免れているだけということであれば大問題です。
今後の処分件数の推移や、内容については注視していく必要があるところです。
3 貨物の輸入、持ち込みに伴うトラブルにはご注意ください
貨物の輸入、持ち込みに伴うトラブルには様々な種類がありますが、要するに、持ち込みが禁止されているもの(いわゆる禁制品)の持ち込みを試みるケースと、脱税目的で密輸するケースが大半です。
これらはいずれも重大な犯罪ですので、絶対に行ってはいけないことは言うまでもありませんが、軽い気持ち(バイト感覚)で知り合いから頼まれたから等の理由で行ってしまう人も一定程度存在します。
行ってしまったことは取り消せませんので、もしこれらの輸入におけるトラブルに巻き込まれてしまった場合には、速やかに専門家にご相談いただくことをお勧めいたします。

有森FA法律事務所の代表弁護士、有森文昭です。東京大学法学部および法科大学院を卒業後、都内の法律事務所での経験を経て、当事務所を開設いたしました。通関士や行政書士の資格も有し、税関対応や輸出入トラブル、労働問題など、依頼者の皆様の多様なニーズにお応えしています。初回相談から解決まで一貫して対応し、依頼者の最良のパートナーとして、共に最適な解決策を追求してまいります。
輸入事後調査において重加算税が賦課されたケース
輸入を事業として行っている場合には、税関による輸入事後調査の実施は避けて通れない制度として存在します。
輸入申告が適切に行われている場合には問題ありませんが、不適切な輸入申告を行っている場合には過少申告加算税や、重加算税が課される場合もありますので、十分注意が必要です。
本日は、税関が公表している重加算税が賦課されたケースについてご紹介いたします。
1 重加算税が賦課されたケース
①輸入者が自らインボイスを改ざんしたケース
輸入者は、正規の価格が記載されたインボイスをもとに、自ら正規の価格よりも低い価格に書き換えたインボイスを作成し、課税価格の計算の基礎となる事実を隠蔽・仮装して、当該インボイスに基づき申告した。
輸入事後調査によって発覚した結果、不足税額は1,846万円、内重加算税256万円が課された。
②輸入者が輸出者と通謀して虚偽のインボイスを作成したケース
輸入者は、輸入申告前に正規の価格を認識していたが、輸出者と通謀して、取引価格よりも低い価格を記載した虚偽のインボイスを輸出者に作成させ、課税価格の計算の基礎となる事実を隠蔽・仮装して、当該インボイスに基づき申告した。
輸入事後調査によって発覚した結果、不足税額は561万円、内重加算税142万円が課された。
なお、重加算税は、単なる記載ミスである場合には課されることはありません。隠蔽又は仮装により、納税申告をしない又は間違った納税申告を行った場合に課されることになります。
2 輸入事後調査には十分注意が必要です
輸入事後調査は、適正な輸入申告が行われていたかどうかを事後的に調査されるものですが、輸入事業者の多くは、迅速に輸入することが中心的な興味・関心であり、輸入許可が下りている以上は問題ないものと考えてしまっているケースが多くあり、調査の結果予想以上の追徴税額が課される可能性もあります。
知らなかった、よくわからなかった、輸入申告の際に指摘してもらえれば適切に行った、等の反論をしたとしても、意味がなく、輸入事後調査でこのような事態を回避するためには適切に輸入申告を行うことが何よりも重要です。
輸入申告においては、思わぬ費用を課税価格に加算する必要がある等、なかなか正確に把握することが困難な部分もあります。
輸入を事業として行う以上は避けて通れない調査ですので、輸入手続や申告価格の計算方法について不安な点がある場合には、まずは専門家にご相談いただくことをお勧めいたします。

有森FA法律事務所の代表弁護士、有森文昭です。東京大学法学部および法科大学院を卒業後、都内の法律事務所での経験を経て、当事務所を開設いたしました。通関士や行政書士の資格も有し、税関対応や輸出入トラブル、労働問題など、依頼者の皆様の多様なニーズにお応えしています。初回相談から解決まで一貫して対応し、依頼者の最良のパートナーとして、共に最適な解決策を追求してまいります。
令和4事務年度における輸入事後調査
輸入を事業として行っている個人、法人の方の中には輸入事後調査を実際に受けたことがある方も相当程度いらっしゃると思います。
また、実際に受けた経験がないとしても、輸入事後調査という制度の存在を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
そこで、本日は、令和4事務年度における輸入事後調査の実施状況に関してご紹介いたします。
1 令和4事務年度における輸入事後調査
令和4事務年度における輸入事後調査の実施件数は、3312者(前事務年度比223.2%)、この内申告漏れ等があった輸入者は2437者(申告漏れ等の割合73.6%)でした。
また、申告漏れ等に係る課税価格は、884億9259万円であり、追徴税額は以下の通りです。
①納付不足税額は93億4333万円(内訳は、関税額は8億872万円、内国消費税額は85億3461万円)
②加算税額は4億7400万円(内重加算税額は1323万円)
次に納付不足税額が多い5品目は以下の通りです。
①光学機器等(90類)は22億5775万円、②自動車等(87類)は14億4649万円、③電気機器(85類)は9億8474万円、④機械類(84類)は9億5543万円、⑤履物類(64類)は4億573万円、でした。
輸入事後調査の実施件数は、令和3事務年度における件数は1484件でしたが、コロナ禍の後、件数は回復傾向にあります。
来事務年度はさらに増加するものと思いますので十分注意が必要です。
2 輸入事後調査には十分ご注意ください
日本では基本的には申告納税方式が取られておりますので、輸入申告は適正に行われている前提で輸入許可が下されます。そのため、輸入許可が下されていることから輸入申告に問題がなかったと誤解する事業者の方も相当程度おりますが、あくまでも申告納税方式であり、輸入申告の適切さについては、事後的に輸入事後調査において包括的、網羅的に調査をすれば良いということに過ぎません。
ただし、輸入事後調査で間違いが発覚した場合には、過少申告加算税、重加算税、延滞税等の追徴税が課されますので、10%以上支払うべき税額が増大してしまいます。一般的なビジネスにおいては、10%以上税額が高くなる場合、ビジネスの継続自体に重大な悪影響が生じる可能性もありますので、極力避けるべきです。
輸入申告に関して不安な点がある場合や、実際に輸入事後調査が入る可能性がある(又は入ることになった)という場合には、まずは専門家にご相談いただくことをお勧めいたします。

有森FA法律事務所の代表弁護士、有森文昭です。東京大学法学部および法科大学院を卒業後、都内の法律事務所での経験を経て、当事務所を開設いたしました。通関士や行政書士の資格も有し、税関対応や輸出入トラブル、労働問題など、依頼者の皆様の多様なニーズにお応えしています。初回相談から解決まで一貫して対応し、依頼者の最良のパートナーとして、共に最適な解決策を追求してまいります。
犯則調査の対象品目について
今年に入って海外旅行が再開されたことを機に、日本国内に持ち帰ってはいけない物を持って帰ってしまったり、帰国時に適切に申告することが必要であるにもかかわらず無申告で日本国内に持ち込もうとしてしまったり、手続上問題のある行動をとってしまうケースが非常に多くあります。
これらの行為は、本人としてはそこまで大事ではなく軽い気持ちで行ってしまう場合も多いようですが、現実問題としては、『密輸』や『脱税』に該当する行為ですので、十分に注意が必要です。
1 令和4事務年度における関税等脱税事件に係る犯則調査の対象品目
令和4事務年度においては、169件が対象となり、総額2億1279万円が脱税額となりました。
対象品目の内訳は以下の通りです。
①金地金は125件、1億6714万円、②たばこは14件、877万円、③腕時計は15件、1214万円、④バッグ類は11件、947万円、⑤アクセサリー類は4件、129万円、⑥衣類は4件、189万円、⑦食品・酒は1件、6万円、でした。
金地金については、意図的に密輸されたケースも多いと推察しますが、その他はいわゆるし好品やブランド品等であり、単に申告をし忘れたか、面倒なので申告を怠ったということだと思われます。
ただ、最初に述べた通り、『脱税』や『密輸』に該当する行為であり、一番重いケースでは刑事事件に発展するリスクもありますので、くれぐれも注意が必要です。
2 海外旅行から戻ってきた際には十分ご注意ください
海外旅行から戻ってきた際には、気分も高揚しており、煩雑な手続を行うことが面倒に感じてしまう場合も多いと思います。
しかしながら、『脱税』や『密輸』に該当する行為を行ってしまった場合には、その後、行政事件や刑事事件の被疑者となってしまいますので、場合によっては人生に大きな悪影響を与えるものとなります。
一度このようなトラブルに巻き込まれてしまった場合には、税関からの複数回にわたる事情聴取を含めて、気の休まる暇もなく、数か月(長い場合には1年以上)対応を行う必要があります。
後悔先に立たずといいますので、海外旅行から戻ってきた際にはくれぐれもご注意ください。
例えば、個人使用目的であったとしても、貨物の種類によっては持参可能な数量に制限があります(酒類やたばこ等)。
ご不安な点がある場合や、トラブルが発生してしまった場合には、まずは専門家にご相談いただくことをお勧めいたします。

有森FA法律事務所の代表弁護士、有森文昭です。東京大学法学部および法科大学院を卒業後、都内の法律事務所での経験を経て、当事務所を開設いたしました。通関士や行政書士の資格も有し、税関対応や輸出入トラブル、労働問題など、依頼者の皆様の多様なニーズにお応えしています。初回相談から解決まで一貫して対応し、依頼者の最良のパートナーとして、共に最適な解決策を追求してまいります。
令和4事務年度における関税等脱税事件に係る犯則事件
海外旅行者が非常に多くなった昨今、意図的にせよ、意図的でないにせよ、間違った形で貨物を輸入してしまい、犯則事件に発展するケースが後を絶ちません。
間違った形で貨物を輸入することは、要するに脱税を行っているということであり、決して行ってはいけないということは言うまでもありません。場合によっては刑事事件に発展する可能性もありますので、決して『魔が差した』等として安易に行うようなことではないことにはくれぐれも注意が必要です。
1 令和4事務年度における関税等脱税事件に係る犯則事件
令和3事務年度は、該当の犯則事件数は39件だったものの、令和4事務年度においては、海外旅行の再開等の影響か、169件まで増加しました。
この内、告発まで進展したケースは3件、通告処分で終わったケースは166件です。
また、脱税額については、告発分にかかる内国消費税は1650万円です。
他方で通告処分にかかる関税額は747万円であり、内国消費税分は1億8882万円でした。
貨物を輸入する際に関税を支払う必要があるということは、なんとなく知っている、という方も多くおりますが、内国消費税も支払う必要があるということはあまり知らない方もいらっしゃいます。海外で購入したものを日本に持って帰ってきただけであるのに、なぜ内国消費税を支払う必要があるのか疑問に思う方もいると思いますが、日本国内に持って帰ってくることで課税対象となる点には十分に注意が必要です。
2 輸入手続は適切に行うことが必要です
海外旅行も再開され、今後非常に多くの方が海外に行かれるものと思います。
輸入や輸出を日常的に事業として行っている方の場合には、ある意味常識的な内容となりますが、そうでない方にとっては、輸入手続は非常に特殊なものですし、また、輸入手続における様々なルールは、場合によっては奇異な内容とすらいえる場合もあります。
もっとも、ルールを知らないからルールを破ってもしょうがない、ということにはなりません。法律上は、ルールを適切に把握していることが前提となりますので、ルールを知らなかったからしょうがないということにはなりません。
例えば、個人使用目的であったとしても、貨物の種類によっては持参可能な数量に制限があります(酒類やたばこ等)。
知らなかったでは済まされませんし、仮にトラブルとなってしまった場合には適切に対応をし、極力大事にすることなく解決を図ることが肝要です。
ご不安な点がある場合や、トラブルが発生してしまった場合には、まずは専門家にご相談いただくことをお勧めいたします。

有森FA法律事務所の代表弁護士、有森文昭です。東京大学法学部および法科大学院を卒業後、都内の法律事務所での経験を経て、当事務所を開設いたしました。通関士や行政書士の資格も有し、税関対応や輸出入トラブル、労働問題など、依頼者の皆様の多様なニーズにお応えしています。初回相談から解決まで一貫して対応し、依頼者の最良のパートナーとして、共に最適な解決策を追求してまいります。
輸出事業者の書類保存義務
輸入や輸出を業とする個人、法人は、該当の貨物に関する品名、数量及び価格等を記載した帳簿を備え付け、帳簿、書類及び電子データを保存する義務を負います。
ただ、実際のところ、このような各書類の保存を適切に行うことができていない事業者も多く存在するように思います。
そこで、本日は、輸出者における保存義務の概要をご紹介いたします。
1 保存義務がある書類
(1)帳簿
まず、輸出者は、輸出許可が下りた日の翌日から5年間、帳簿を保存する必要があります。
帳簿の具体的な記載事項としては、該当の貨物の品名、数量、価格、仕向人の氏名(名称)、輸出許可年月日、許可書の番号を記載する必要があります。ただし、必要な事項が網羅されている場合には、既存の帳簿や仕入書等に追記したものでも代替可能であるとされております。
(2)輸出関係書類
輸出者は、輸出許可が下りた日の翌日から5年間、輸出関係書類を保存する必要があります。
輸出関係書類とは、
①輸出許可貨物の契約書、②仕入書包装明細書、③価格表、④製造者又は売渡人の作成した仕出人との間の取引についての書類、⑤その他税関長に対して輸出の許可に関する申告の内容を明らかにすることができる書類、
のことを指します。
(3)電磁的記録
輸出者は、輸出許可が下りた日の翌日から5年間、電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存する必要があります。
電磁的記録の具体的なないよとしては、電子取引を行った場合における当該電子取引の取引情報、のことを指します。
2 輸出や輸入に関する不明点はお気軽にご相談ください
輸出や輸入に関しては、通常の売買とは異なる習慣や法規制が存在しますので、通常の売買と同じイメージをもち安易な対応を行うと思わぬ部分で足元をすくわれてしまうリスクがあります。
その一方で、輸出や輸入に関する知識を詳しく教えてもらうことができるケースは限られており、また、なんとなく輸出や輸入の手続を進めたとしても、手続自体は一見すると問題なく進む場合も多くあります(税関による事後調査によって手痛いしっぺ返しを受けるリスクがありますが。)
いじょうから、輸出や輸入という特別な取り扱いを行っていることを踏まえ、どのようにすればトラブルを回避することができるかを事前に把握した上で対応を行うことが非常に重要です。自社の輸出や輸入に関するフローが適切かどうかを再度確認いただくとともに、必要に応じて専門家にセカンドオピニオンを求める等、万全の態勢をトラブル発生前に構築しておくことが重要です。

有森FA法律事務所の代表弁護士、有森文昭です。東京大学法学部および法科大学院を卒業後、都内の法律事務所での経験を経て、当事務所を開設いたしました。通関士や行政書士の資格も有し、税関対応や輸出入トラブル、労働問題など、依頼者の皆様の多様なニーズにお応えしています。初回相談から解決まで一貫して対応し、依頼者の最良のパートナーとして、共に最適な解決策を追求してまいります。
輸入事後調査の準備を改めて行いましょう
ECサイトの利用の拡大、副業の拡大によって、輸入を事業として行う企業、個人は増加傾向にあります。
通常の輸入に関しては、日本は申告納税方式が採用されておりますので、問題のある申告を行っていた場合でも輸入許可が下りてしまうことがあるのですが、そのような問題のある申告を取り締まり、事業者間の公平や法秩序を維持するために、輸入事後調査という税関による調査が行われております。
1 輸入通関時の資料等は適切に保管する必要があります
輸入事後調査は、要するに、輸入申告が適切に行われていたかどうか、より具体的には適切な税番や申告価格で申告されていたか、ということを輸入通関時の資料や、送金関連資料、また、契約関連資料を踏まえて判断していくことになります。
そのため、仮に適切に申告をしていたとしても裏付けとなる資料を適切に保管していない場合には、調査を行う税関の立場からすると適切な申告を行っていたかどうかを判断することができません。
以上を踏まえ、まずは必要な資料を常日頃から保管しておくことが非常に重要です。
これは、そもそも輸入事業者は上記の資料を保管する法的な義務がありますので当然のことではありますが、なかなか実現できていない事業者も多く存在する印象です。
どのような資料をどのように保管すればよいか、ということから漏れがないように整理していく必要がありますので、ご不明な点等ありましたら、お問い合わせください。
2 輸入事後調査対応の準備は日常的に行う必要があります
輸入事後調査の準備については、日常的に行うことが非常に重要です。
といいますのも、数年間にわたる関連資料を一度に収集整理しようとすると、それだけで大量の時間が必要となり、日常の業務に支障が生じます。
また、一部の記録に関しては数年単位の保管しかされていないこともあり、いざ輸入事後調査が入ることになった場合には、既に資料がどこにも存在しないということにもなりかねません。
また、通常の取引についても、例外的な取引が発生する場合は相当程度ありますが、都度適切にメモを取っておかないと、事後的になぜそのような例外的な取り扱いをすることになったのか記憶が不明瞭となってしまう場合もあります。
日常的に多数の取引を行っていると、例外的な対応といってもそれなりの分量となってしまいますので、記憶を頼りにすることは非常にリスクがある点にはご留意ください。
弊事務所では、輸入事後調査の準備から実際の対応まで幅広く対応しておりますので、お力になれること等ありましたら、ご遠慮なくお問い合わせください。

有森FA法律事務所の代表弁護士、有森文昭です。東京大学法学部および法科大学院を卒業後、都内の法律事務所での経験を経て、当事務所を開設いたしました。通関士や行政書士の資格も有し、税関対応や輸出入トラブル、労働問題など、依頼者の皆様の多様なニーズにお応えしています。初回相談から解決まで一貫して対応し、依頼者の最良のパートナーとして、共に最適な解決策を追求してまいります。
犯則調査の通常の実施状況
輸入を事業として取り扱っている方の中には、犯則調査、通告処分等の言葉を聞いたことがある方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
犯則調査と刑事事件の区別がつかず、警察が家宅捜索にくる等と誤解される場合もよくありますが、犯則調査は刑事事件の前段階の調査手続であり調査主体は税関であると理解する必要があります。
犯則調査の結果によっては刑事事件となる場合もありますし、調査の結果、通告処分で終わる場合もありますので対応には十分な注意が必須となります。
本日は、関税等脱税事件に係る犯則調査の状況に関してご紹介いたします。
1 犯則調査の状況について
平成29事務年度における犯則調査による処分件数は合計841件、内、告発件数は33件、通告処分の件数は808件でした。
具体的な脱税額に関してですが、告発分に係る関税の合計額は1億309万円、内国消費税の合計額は3億6250万円、通告処分分にかかる関税合計額は870万円、内国消費税合計額は12億5019万円でした。
また、品目としては①金地金720件(脱税額:15億389万円)、②たばこ82件(779万円)、③腕時計14件(1341万円)、④バッグ類7件(280万円)、⑤アクセサリー類9件(312万円)等となっております。
次に平成28事務年度に関してご紹介いたします。
平成28事務年度における犯則調査による処分件数は561件、内、告発件数は12件、通告処分の件数は549件でした。
告発分に係る関税合計額は4388万円、内国消費税の合計額は1億4813万円、通告処分分にかかる関税合計額は1531万円、内国消費税合計額は7億6005万円でした。
また、品目としては①金地金467件(脱税額8億7361万円)、②たばこ54件(603万円)、③腕時計10件(648万円)、④バッグ類23件(959万円)、⑤アクセサリー類3件(44万円)、等となっております。
2 犯則調査への対応には十分注意が必要です
冒頭でご説明した通り、犯則調査は、行政処分で終了する場合もありますが、刑事事件化される可能性もあります。
そのため、犯則調査は大部分は行政処分で終わっているからどうせ通告処分で終わり大した問題には発展しない等と安易に考えてしまうことは非常に危険であると言わざるを得ません。
実際問題として、犯則調査の結果刑事事件化されるケースも相当程度ありますし、刑事事件化されてしまった場合には事業の存続に関わる重大な問題となりますので犯則調査への対応には十分注意が必要です。
当事務所は、輸出入や貿易関連のトラブル、事前教示制度の利用や税関事後調査をはじめとする税関対応等を幅広く取り扱っておりますので、犯則調査への対応等に関して少しでも不安がある場合には、まずはご相談ください。

有森FA法律事務所の代表弁護士、有森文昭です。東京大学法学部および法科大学院を卒業後、都内の法律事務所での経験を経て、当事務所を開設いたしました。通関士や行政書士の資格も有し、税関対応や輸出入トラブル、労働問題など、依頼者の皆様の多様なニーズにお応えしています。初回相談から解決まで一貫して対応し、依頼者の最良のパートナーとして、共に最適な解決策を追求してまいります。