犯則調査による処分

輸入・輸出を業として行われている方は、犯則調査という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

知り合いの会社が、税関から犯則調査を実施され大変な事態となっていた等の話を聞いた経験がある方も相当程度いらっしゃるものと思われます。

犯則調査が行われた場合には、告発され刑事事件化されるケースとそこまではいたらないケースがあります。

 

1 犯則調査による処分

税関のHPにおいて、犯則調査とは「犯則事件について、証拠を発見・収集し、犯則事実の有無及び犯則者を確定させるための手続きであり、告発又は通告処分を終局の目標として行う調査」の表現されております。

簡単にいうと、犯則事件とは、税金に関する犯罪を指しますが、税関の調査対象は、主として関税及び内国消費税となります。

犯則調査の結果、刑事事件相当であると判断された場合には告発されることとなりますが、他方で、通告処分で済む場合もあります。

通告処分という言葉について補足いたしますと、税関による犯則調査の結果、その情状が罰金刑に相当すると判断された場合において、税関長がその罰金に相当する金額の納付を求める処分のことを指し、刑事処分ではなくあくまでも行政処分であるという点が特色です。

 

そのため、反則者の立場からすると、刑事事件にならず通告処分で終わって欲しいと考えることが通常です。

 

2 犯則調査の対象となった場合

犯則調査の対象となった場合には、非常に動転される方も多い一方で、刑事事件ではないから大丈夫だろうと高を括ってしまう方もいらっしゃいます。

しかしながら、上記のとおり、犯則調査の結果、告発がなされ、刑事事件化される場合もありますので、犯則調査は刑事事件の前段階であるという意識を強く持ち慎重に対応することが必須です。

税関に対して虚偽の事実を伝えて何とか処分を軽くしようとする方もおりますが、このような対応は絶対に行ってはいけないことはくれぐれも留意していただく必要があります。

 

まずは、冷静に落ち着いて状況を確認し、その後の流れを確認する意味でも、万一犯則調査の対象となってしまった場合には、速やかに弁護士にご相談いただくことをお勧めいたします。

当事務所は、輸出入や貿易関連のトラブル、税関事後調査をはじめとする税関対応等を幅広く取り扱っておりますので、犯則調査の対象となった場合には、まずはご相談ください。

 

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