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インターネット上のプライバシー侵害について
インターネットトラブルの代表的な類型の一つに、インターネット上の匿名掲示板やSNSにおけるプライバシー侵害というものがあります。
プライバシーの該当性や、プライバシー侵害の該当性など、一般の方の認識とは異なる部分もあり、自分としてはプライバシー侵害に該当すると考えていたにも関わらず、法的にはプライバシー侵害とまで認められなかったというようなケースもあります。
そこで、以下では、プライバシー侵害の考え方についてご紹介いたします。
1 プライバシーの考え方について
プライバシーの考え方ですが、いわゆる「私生活上の事実」だけではなく、「私生活上の事実らしく受け取られるおそれのあることがら」についてもプライバシーとして保護の対象となっています。
そのため、投稿された内容が「真実」ではない場合でも、プライバシーに該当するケースもあります。
2 プライバシー侵害の考え方について
問題となっている投稿について、以下の6つの要素等を総合考慮し、事実を公表されない法的利益とこれを公表する理由とを比較考量し、前者が後者に優越する場合に、プライバシー侵害が認められます。
①事実の性質及び内容、②事実が伝達される範囲と具体的被害の程度、③対象者の社会的地位や影響力、④投稿の目的や意義、⑤投稿が掲載された時の社会的状況とその後の変化、⑥事実を記載する必要性
3 まずは弁護士にご相談ください
プライバシー侵害は、被害者にとっては非常に重要な問題ですが、加害者側の立場からは軽い気持ちでなされていることも珍しくはありません(むしろ、そちらの方が多い印象であり、加害者側は明確にプライバシー侵害と認識していないケースも相当程度あります。)。
上記のとおり、そもそもプライバシーに該当するのかどうか、また、該当するとして、プライバシー侵害にがいとうするかどうかを判断する必要があります。法的な観点を踏まえた検討が必要となりますので、最終的にどのように対応するかはさておき、まずは弁護士にご相談いただき、慎重に対応を検討いただくことをお勧めいたします。
当事務所は、インターネットトラブルの被害者の方からのご相談のみではなく、加害者の方からのご相談も幅広くお受けしております。
インターネットトラブルでお悩みの場合には、まずはご遠慮なく当事務所までご相談いただけますと幸いです。
名誉権侵害における社会的評価の低下について
インターネットトラブルの代表的な類型は、インターネット上の匿名掲示板やSNSにおいて、誹謗中傷や名誉棄損に類する投稿がなされたというものです。
誹謗中傷や名誉棄損に類する投稿の問題点を法的に整理すると、要するに被害者の名誉権侵害に該当するということであり、反対に、一見すると誹謗中傷や名誉棄損に類する投稿であっても法的には名誉権侵害には該当しないと判断されてしまうケースもあります。
そこで、本日は名誉権侵害の判断の中心的な論点となる「社会的評価の低下」の考え方に関して、ご紹介いたします。
1 「社会的評価の低下」の有無の考え方
まずは、問題となっている投稿について、まず「一般読者の通常の注意と読み方」を基準にして、当該投稿をどのような内容・趣旨であると理解できるかを検討する必要があります。例えば、関係者がじっくりと呼んだ場合には、「社会的評価の低下」にはつながらないと判断できる投稿であっても、「一般読者の通常の注意と読み方」を基準にすると社会的評価が低下したと判断できる場合には、名誉権侵害に該当するとの主張が可能です。
なお、「一般読者」の範囲については、一定の属性を持った読者や、一定の知識を有する者に限定した裁判例もあります。
また、裁判においては、社会的評価の判断に際しても、問題の書き込みがなされたスレッドにおける他の書き込みの内容や書き込みがなされた経緯等を考慮することが認められております。
このように、社会的評価の低下の判断については裁判上特殊な考え方が用いられていることには十分注意することが必要です。
2 まずは弁護士にご相談ください
以上のとおり、名誉権侵害の該当性の有無の中心的な論点である「社会的評価の低下」に関しては、法的な視点から正確に整理し主張をすることが非常に重要です。
最終的にどのような対応を取るにせよ、まずは、弁護士にご相談いただき、問題となっている投稿が法的に「釈迦的評価の低下」と言えるかどうかを慎重にご検討いただくことをお勧めいたします。
なお、当事務所では、インターネットトラブルに関して、被害者の方からのご相談、加害者の方からのご相談のいずれについても幅広くお受けしております。
弁護士へのご相談にはハードルがあるとお感じの方もいらっしゃいますが、そのようなことはございませんので、まずはご遠慮なくお問合せいただけますと幸いです。
名誉権侵害の判断基準の概要
インターネットトラブルで代表的なものは、インターネット上の匿名掲示板やSNS上における誹謗中傷や名誉棄損に類する投稿がなされるというものです。
この場合には、名誉権侵害の有無を検討することになります。
以下では、名誉権侵害を検討する上で重要な論点をご紹介いたします。
1 名誉権侵害を検討する上で重要な論点
(1)問題の投稿が事実摘示か意見論評か
問題の投稿でお悩みの被害者側の立場では、事実摘示として投稿を整理して主張することの方が圧倒的に多いのが実情です。なぜなら、事実摘示側として整理主張した方が、立証の観点からは圧倒的に有利となるからです(反対に、意見論評型としてしか構成できない場合には、名誉権侵害を立証することは非常に難しいといえます。)。
問題の投稿が事実摘示か意見論評かどちらに該当するかの判断基準は、「証拠等をもってその存否を決することが可能か否か」です。実際のところ、なかなか判断が難しい(どちらとも解釈できる)場合が多いといえます。
(2)違法性阻却事由の要件
問題の投稿が事実適示型である場合、①公共の利害、②公益目的、③摘示事実の重要部分が真実であること、3つが判断要素となります。
他方で、問題の投稿が意見論評型の場合、上記①②に加え、③前提事実の重要部分が真実であること、④人身攻撃に及ぶ等意見ないし論評としての域を逸脱したものではない、の4つが判断要素となります。
実際のところでは、問題の投稿が事実摘示型の場合は、③の要素が主たる争点となり、他方で、意見論評型の場合は、③または④の要素が主たる争点となります。
2 名誉権侵害を主張する場合には、弁護士へのご相談をご検討ください
以上のとおり、名誉権侵害の判断基準は一見すると明確ではありますが、実際にはなかなか判断が難しい場合が多いというのが実情です。
被害者の方のみでの対応では困難といえますので、最終的にどのような対応を取るにせよ、まずは弁護士にご相談いただき慎重に対応を検討いただくことをお勧めいたします。
当事務所では、インターネットトラブルを幅広く取り扱っております。
インターネットトラブルの被害者の方、加害者の方を問わず、ご相談をお受けしておりますので、インターネットトラブルでお悩み方は、ご遠慮なく当事務所までご相談いただけますと幸いです。
名誉権侵害における同定可能性について
インターネットトラブルで最も多いものは、インターネット上の匿名掲示板やSNS上における誹謗中傷や名誉棄損に類する投稿がなされるというものです。
被害者の方は名誉権侵害を主張することになることが通常ですが、その際に、最初に問題となる論点は、同定可能性の論点です。
本日は、名誉権侵害における同定可能性の論点の考え方をご紹介いたします。
1 名誉権侵害における同定可能性の考え方
名誉権侵害における同定可能性の判断基準は、一般読者の注意と読み方となります。
ここで、「一般読者」といっても、国民一般が対象となるわけではありません(国民一般を判断基準とすると、同定可能性が認められるハードルは非常に高いものとなってしまいます。)。
そのため、①被害者の方を知らない読者であっても、インターネット上の投稿内容を踏まえると当該被害者の方を発見することができる場合や、②被害者の方の知人であれば、インターネット上の投稿内容を踏まえると、被害者のことと特定することができる場合、であれば同定可能性が認められるものと考えられております。
また、同定可能性を検討する上では、当該投稿の内容単体のみに基づいて判断するのではなく、「本件スレッドの他の書き込みの内容、本件書き込みがなされた経緯等を考慮」(最判平22・4・13民集64・3・758)することが認められている点も重要です。そのため、投稿内容単体では明確に被害者の方に言及していない場合でも、スレッドの前後の書き込みの内容から、被害者の方を言及していると判断できる場合には、名誉権侵害における同定可能性が認められますので、注意が必要です。
2 まずは弁護士にご相談ください
以上のとおり、名誉権侵害における同定可能性の判断は、法的な視点を踏まえて、慎重に検討を進める必要がある最初の論点となります。
そのため、最終的にどのような対応を進めるかは別として、まずは弁護士にご相談いただき、慎重に検討することが重要です。
当事務所は、インターネットトラブルを幅広く取り扱っております。
インターネットトラブルにおける被害者の方からのご相談、加害者からのご相談を問わずお受けしております。
インターネットトラブルでお悩みの方はご遠慮なく当事務所までご相談いただけますと幸いです。
名誉感情侵害の場合における同定可能性について
インターネット上の匿名掲示板やSNS上における誹謗中傷や名誉棄損に類する投稿がなされた場合、まずは名誉権侵害の有無を検討することとなります。
名誉権侵害の有無の検討においては、同定可能性、すなわち、被害者のことを指した投稿と判断できるかどうかが第一に問題となります。
同定可能性に関する議論はなかなか複雑なものがありますが、名誉権侵害の有無を検討する場合には避けて通れない論点と言えます。
そこで、本日は、名誉感情侵害の場合における同定可能性に関してご紹介いたします。
1 名誉感情侵害の場合における同定可能性について
名誉感情侵害は、被害者の方の感情の問題ですが、通常の名誉権侵害の場合と同様に同定可能性を問題とするべきであるとの見解もあります。
しかしながら、名誉感情侵害は被害者の方の内心の問題ですので、厳密には同定可能性は問題とならないと考える立場もあります。
例えば、福岡地方裁判所の裁判例(福岡地判令元9・26判時2444・44)ですが、「対象者が自己に関する表現であると認識することが出来れば成立しうる」とされ、名誉感情侵害に同定可能性を要件としていないと考えられております。ただ、この裁判例も厳密には同定可能性を問題としていないわけではなく、通常の名誉権侵害の場合とは異なる意味(すなわち、同定可能性の基準を一般読者の読み方と注意ではなく被害者を基準としている)での同定可能性を問題としているものと考えられます。
なお、実際のところ、通常の名誉権侵害と名誉感情侵害は同時に主張するという方針を採用する場合が多いので、通常は名誉感情侵害における同定可能性を問題とする必要がありません。
2 まずは弁護士にご相談ください
同定可能性に関する議論は難しい面もあり、なかなか被害者の方がご自身で整理をして適切な主張を行うことにはハードルがあります。
最終的にどのような対応を取るにせよ、まずは弁護士にご相談いただき、対応を慎重に検討いただくことをお勧めいたします。
当事務所では、インターネットトラブルに関するご相談を幅広くお受けしております。
インターネットトラブルで被害者となってしまった方、加害者となった方、いずれの立場からのご相談もお受けしておりますので、インターネットトラブルでお悩みの方はご遠慮なくご相談いただけますと幸いです。
インターネット上の問題のある投稿の削除請求
インターネット上の匿名掲示板やSNS上で誹謗中傷や名誉棄損に類する投稿がなされた場合、肖像権やプライバシー権を侵害する投稿がなされた場合、著作権侵害がなされた場合等、インターネット上で問題のある投稿がなされることは多くあります。
そして、このような場合、第一に考えるべきは被害の拡大防止であり、削除請求をすることが対応の出発点となります。
このような削除請求について、以下では概要をご紹介いたします。
1 サイト上にフォームが具備されている場合
この場合、数日内にサイト管理者から連絡があることが多いですが、何らの回答も届かない場合もあります。
問題のある投稿の削除については対応をしてくれる場合は一定程度ありますが、発信者情報開示請求については、応じてもらえる場合は非常に稀です。ただ、サイト管理者は法律に関しては詳しくないことが多いので、どのような点が違法であるのかについて詳細に整理をして伝えることが非常に重要です。
サイト上にフォームが具備されている場合には、下記2の手続を準備する段階で行ってみることも考えられます。
2 ガイドラインに沿って送信防止措置依頼を行う場合
サイト管理者側から1か月程度で回答が届くことが通常です。
問題のある投稿の削除に関しては対応をされる場合があります(他方で、発信者情報開示請求に関しては基本的には非常に慎重に対応がなされることが通常です。)。
発信者情報開示請求よりも削除請求に重きを置く場合には、主としてこの手続を行うことが考えられます。
3 削除仮処分手続を利用する場合
複雑な手続が必要となり、また海外法人の場合には相当の時間がかかりますが、裁判所の決定が取得できれば削除は速やかに進められます。
上記2でサイト管理者に対応をしてもらえない場合や、また、削除を確実に遂行したい場合には、削除の仮処分手続を利用することになります。
4 まずは弁護士にご相談ください
インターネット上で問題のある投稿がなされた場合には、まず第一に削除請求を試みることになりますが、削除請求を試みる場合には上記の各方法を慎重に検討することが必要です。
最終的にどのような対応を取るにせよ、まずは弁護士にご相談いただき、慎重に対応を検討いただくことをお勧めいたします。
当事務所は、インターネットトラブルを幅広く取り扱っておりますので、インターネットトラブルでお困りの方は、ご遠慮なく当事務所までご相談いただけますと幸いです。
問題のある投稿がYoutubeになされた場合
小学生が将来なりたい職業の上位に選ばれるようになって久しい職業にYoutuberがあることは皆さんご存じだと思います。
Youtubeは世界最大の動画共有サービスであり、誰もが一度は見たことがあるものと思います。
このようなYoutubeですが、残念ながらYoutube上で様々な誹謗中傷や名誉棄損に類する言動、プライバシー侵害や著作権侵害に該当する動画がアップロードされていることは事実としてございます。
以下では、Youtubeで問題のある動画が投稿されている場合の対応の概要をご紹介いたします。
1 Youtubeで問題のある動画が投稿されている場合の対応
まず、任意での削除請求については、Youtubeにおいてフォームが用意されておりますので、そこからGoogle社に対して請求することができます。
もっとも、なかなか対応をしてくれないことが多いので、最終的には法的な手続を行う必要が生じる場合が多いのが実情です。
そのため、削除請求及び発信者情報開示請求のいずれについても、法的手続を取ることを検討する必要があります。
ここで、注意すべきことは、Google社が保有している発信者情報は、ログイン時IPアドレスとタイムスタンプとなりますので、その後別途手続が必要となるということです。
また、動画内の言動が問題となりますので、裁判所に申告する場合には、具体的に動画の「●分●秒~〇分〇秒」の間に問題となる言動がなされていることを明らかにすることが必要であり、問題となる言動の部分を文字で書き起こすことなどが必要となる点にも注意が必要です。なお、Youtubeには字幕機能がありますので、音声部分を証拠とする場合には、字幕を表示させるように設定しつつ動画を再生し、該当部分のキャプチャ画像を作成する等という方法も有用となりますので検討する必要があります。
2 Youtubeへの対応については弁護士にご相談ください
以上のとおり、Youtubeにおいて問題のある動画が投稿されてしまった場合の対応については、法的手続を取る必要があることが通常です。
そのため、最終的にどのような対応をとるにせよ、まずは弁護士にご相談いただき、対応を慎重に検討いただくことが必要となります。
当事務所はインターネットトラブルを幅広く取り扱っております。
インターネットトラブルの被害者の方からのご相談、加害者の方からのご相談を問わず、ご相談、ご依頼をお受けしております。
弁護士へのご相談にハードルを感じられる方もいらっしゃるものと思いますが、ご遠慮なくご相談いただけますと幸いです。
問題のある投稿がnote上に掲載された場合
「note」というプラットフォームをご存じの方も多いと思います。
公式HP上では、「note」とは、「クリエイターが文章や画像、音声、動画を投稿して、ユーザーがそのコンテンツを楽しんで応援できるメディアプラットフォーム」と紹介されております。
このような「note」上において、他者への誹謗中傷や名誉棄損に類する記事、また、プライバシー侵害や著作権侵害に該当する記事が掲載される場合があり、お困りの方からご相談をお受けする場合があります。
そこで、以下では、「note」上に問題のある投稿がなされた場合の対応の概要についてご紹介いたします。ご参照いただけますと幸いです。
1 「note」上に問題のある投稿がなされた場合の対応について
「note」の運営会社はnote株式会社ですが、問題のある投稿の削除請求についても、投稿者の個人情報に関する開示に関しても、任意請求については非常に消極的な姿勢を示しております。
そのため、記事の削除を求める場合も、投稿者に関する個人情報の開示請求を試みる場合も、最初の段階から法的手続の利用を検討することが非常に重要です。
なお、「note」は、TwitterやInstagramと同様、ログイン型を採用しているプラットフォームとなります。そのため、運営会社側は各投稿記事毎のIPアドレスやタイムスタンプは保有しておらず、投稿者が保有しているアカウントにログインした際のIPアドレス、タイムスタンプが開示の対象となります。そのため、通常の場合よりも複雑な手続を進めることが必要となりますので、注意が必要です。
2 まずは弁護士にご相談ください
「note」に問題のある投稿がなされた場合の対応については、上記1で概要をご紹介いたしましたが、削除を求める場合も投稿者の特定を試みる場合もいずれの場合も、法的手続を利用することが必須となります。
弁護士にご相談いただくことにはハードルをお感じになる方もいらっしゃいますが、最終的にはどのような対応を取るにせよ、まずは弁護士にご相談いただくことが非常に重要となります。
当事務所では、インターネットトラブルに関しては、被害者の方からのご相談、加害者の方からのご相談を幅広くお受けしております。
「note」上におけるトラブルを含めて、インターネットトラブルでお悩みの方は、ご遠慮なく当事務所までご相談いただけますと幸いです。
問題のある投稿が転職会議に掲載された場合
「転職会議」というサイトは、企業への就職や転職に関する情報を提供するものですが、元社員によるクチコミも非常に重要な情報として掲載されています(株式会社リブセンスが運営会社です。)。
このような「転職会議」に掲載されるクチコミに関しては、企業としては事実無根のクチコミもあることから、対応に苦慮する場合もあり、ご相談をいただくこともあります。
本日は「転職会議」に誹謗中傷や名誉棄損に類するクチコミが掲載された場合における対応に関してご紹介いたします。
1 「転職会議」に問題のある投稿がなされた場合の対応について
まず、問題のある投稿の削除については、株式会社リブセンスは、問題のある投稿であることが確認できた場合には任意での削除に応じるという姿勢を示しています。
株式会社リブセンスは削除依頼等について独自の書式を用意しておりますので、まずは送信防止措置依頼を行いたい旨の連絡を取り、書式を送ってもらう必要があります。この書式を利用して、任意での削除請求をしていくことになります。
なお、実際のところ、このような任意での削除請求が認められるケースは少ないといえます。
任意での削除請求が認められない場合には削除仮処分の手続を検討することになります。
次に、投稿者の特定に関してですが、株式会社リブセンスは、「裁判所からの開示命令、行政機関からの開示要請を除き、投稿者の同意なく個人情報を第三者に開示することはございません。」という姿勢を示しております。
そのため、任意での発信者情報開示請求はほぼ無意味といってよく、最初から裁判手続を利用していくことが重要です。
2 まずは弁護士にご相談ください
「転職会議」に問題のある投稿がなされた場合の対応の概要は上記のとおりですが、削除を求める場合も、投稿者の特定を試みる場合もいずれの場合も法的な観点から慎重に整理、検討を進め、手続を進めることが重要です。
自社での対応では非常に難しいものと考えられますので、最終的にどのような対応をするにしても、まずは弁護士にご相談いただき、対応を検討いただくことが必要です。
当事務所では、インターネットトラブルを幅広く取り扱っております。
「転職会議」に問題のある投稿がなされた場合の対応を含めて、インターネットトラブルでお悩みの場合には、ご遠慮なくお問い合わせください。
問題のある投稿がen Lighthouseに掲載された場合
問題のある投稿が、「en Lighthouse」というサイトになされて困っているというご相談を企業の担当者の方から頂戴することもございます。
ご存じの方も多いと思いますが、「en Lighthouse」とは、エン・ジャパン株式会社によって運営されているサイトであり、企業への就職や転職に関するクチコミの情報が記載されておりますので、就職先や転職先の情報が幅広く確認することができるサイトとして人気のあるサイトです。
このようなサイトに、企業に対して誹謗中傷や名誉棄損に類する投稿がなされた場合、企業としては非常に迷惑な状態となりますが、削除等の対応が難しい面もあります。
以下では、「en Lighthouse」に問題のある投稿がなされた場合における対応をご紹介いたします。
1 任意請求について
エン・ジャパン株式会社は、形式的には任意での削除請求を受け付けておりますが、クチコミ情報は非常に重要な情報と位置付けておりますので、任意請求に応じることは実際のところは稀です。
2 法的手続について
「en Lighthouse」の登録の際に、ユーザーは、氏名や住所を登録する必要はありません。そのため、エン・ジャパン株式会社が保有している発信者に関する情報は、IPアドレスとタイムスタンプとなります。
基本的には、仮処分手続を利用して当該IPアドレス及びタイムスタンプの開示を求めます。その上で、2段階目の手続としてアクセスプロバイダに対して氏名、住所、メールアドレス、電話番号等の開示を請求することになります。
なお、「en Lighthouse」の登録の際に、ユーザーによっては、電話番号が登録されている場合があります。そのため、エン・ジャパン株式会社は、ユーザーの電話番号を保有している場合もあります。この場合には、IPアドレス及びタイムスタンプの仮処分手続を省略して、電話番号の開示を求める発信者情報開示請求を最初から行う対応を取ることも考えられます。電話番号から契約者を特定することも考えられるからです。
3 まずは弁護士にご相談ください。
エン・ジャパン株式会社に対する請求は、上記のとおり基本的には裁判手続を利用することが必要です。
手間や時間はかかりますが、企業にとっては良い人材を確保する必要があるにもかかわらず、誹謗中傷や名誉棄損に類するクチコミがなされた場合には、企業にとっては大きな悪影響となってしまいます。
当事務所では、インターネットトラブルを幅広く対応しておりますので、「en Lighthouse」における書き込みを含めてお困りのことがございましたら、お気軽にご相談いただけますと幸いです。
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