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契約交渉を中途で破棄した場合の損害賠償義務について

2022-10-24

本日は契約交渉を中途で破棄した場合の損害賠償義務に関する裁判例をご紹介いたします。
ご参照いただけますと幸いです。

 

1 最判昭59・9・18判時1137・51

本事件は、マンション売買の交渉過程で、歯科医院とするためのスペースについて注文を出す等した結果、売主側が容量増加のための設計変更および施工をすることを容認しながら、交渉開始6か月後に自らの都合により契約を結ぶに至らなかった点について、買主側の損害賠償義務が問題となったものです。

【判示の概要】
具体的な事実関係のもとにおいては、上告人の契約準備段階における信義則上の注意義務違反を由とする損害賠償責任を肯定した原審の判断は、是認することができる。

 

以上の裁判例の他にも、契約交渉が途中で破棄された事案において損害賠償義務が認められたものとしては、最判平成19・2・27判時1964・45等があります。
いずれの裁判例においても、契約準備交渉の段階で、自らの言動が相手方に誤解をもたらしているにもかかわらず、誤解を指摘したり、是正する等することなく、相手方の信頼を裏切るような行為をした場合が問題となっており、どの程度の信頼が惹起されていたか、それに対してどのような背信的な行為がなされたかといった点を具体的な事実関係を踏まえて検討されております。
契約の交渉を進めてみた結果、結論として交渉を破棄することももちろんあるものと思いますが、その場合でも、契約を締結する前の段階で有ることから一切責任がない等と考えるのではなく、場合によっては損害賠償義務を負うリスクがある点を認識することが重要です。

 

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当事務所は、契約書の作成・レビュー、商標や著作権を含む知的財産関連の問題、労働問題、輸出入トラブルへの対応をはじめ、企業法務を幅広く取り扱っております。
日々のビジネスの中でご不明な点やご不安な点等ございましたら、ご遠慮なく当事務所までご相談ください。

保管料と課税価格について

2022-10-17

本日は、貨物の保管料と課税価格の関係性についてご紹介いたします。
これまで本コラムにおいて貨物を輸入した場合の課税価格の考え方について何度かご紹介してまいりました。
輸入貨物の課税価格は、貨物の輸入をビジネスとして行っている方には非常に重要な問題といえますので、是非ご参照いただけますと幸いです。

 

1 保管料と課税価格について

まず、輸入取引時点において貨物が輸出国の倉庫に保管されており、当該倉庫の保管料を、買手が売手に対して貨物代金の一部として支払った場合、当該保管料は、輸入貨物代金の一部として、現実支払価格の一部を構成し、課税価格に含まれることになります。
また、これは、保管料を、貨物代金とは別に、売手側の指示で、買手に対して支払う場合も同様であり、課税価格に加算することとなります。
他方で、輸入取引に基づき、貨物が、売手から買手に対して引き渡された後、買手の計算で輸出国の倉庫で保管されていたような場合には、買手が売手に対して又は売手のために直接又は間接に支払うものではないので、課税価格には加算されません。
また、日本に運搬後、輸入申告に先立って、買手が、自己の計算で保税蔵置をした場合も同様に、買手が売手に対して又は売手のために直接又は間接に支払うものではないので、当該費用も課税価格には加算されません。

以上のとおり、貨物の保管料についての課税価格の考え方は特別な考え方が採用されておりますので、ご注意ください。

 

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当事務所は、代表弁護士が輸出入や通関に関する唯一の国家資格である通関士資格を有しており、輸出・輸入や通関上のトラブルに関するご相談を幅広くお受けしております。
弁護士に相談をした方がよいかお悩みの方もいらっしゃるものと思いますが、お悩みをご相談いただくことで、お悩み解消の一助となることもできます。
輸出・輸入や通関に関するトラブル、税関事後調査を含む税関対応等でお悩みの場合には、ご遠慮なく当事務所までご相談ください。

改正債権法の経過措置

2022-10-03

改正債権法は2020年4月1日から施行されております。
もっとも、施行日が到来しても、改正債権法の規定が全て一律に適用されるというわけではありません。いわゆる経過措置という規定が設けられており、一部の改正債権法の規定については、適用の範囲等に関して特別な規律が設けられておりますので注意が必要です。
本日は、このような経過措置のうち、特に注意すべき点をご紹介いたしますので、ご参照いただけますと幸いです。

 

1 改正債権法の経過措置

基本て位には、債権の発生事典や契約の締結日が基準時となっておりますが、以下の点には注意が必要です。

①施行日前に債権が生じた場合における当該債権の消滅時効の期間については、旧民法の規定が適用されます(附則10条4項)。

②不法行為債権について20年の除斥期間が施行日に完成していない場合には、施行日前に生じていた債権についても改正後の規定が適用されますので、①とは異なる対応が必要です(附則35条1項)。

③人の生命または身体を害する不法行為債権について、主観的起算点から3年の消滅時効期間が施行日に経過していない場合には、改正民法の規定が適用され、時効期間が5年になります(附則35条2項)。

④定型約款の規定は、施行日前に締結された契約についても改正後の規定が適用されますが、施行日前に生じた効力は妨げられません(附則33条1項)。

⑤定型約款に関して、当事者の一方が施行日までに書面等によって反対の意思を表示した場合には、施行日前に締結された契約について改正後の規定は適用されません(附則33条2項)。

 

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特許品を輸入し、権利者の許可の下、日本で複製する場合のライセンス料と課税価格について

2022-09-12

本日は、特許品を輸入し、権利者の許可の下、日本で複製する場合のライセンス料と課税価格の考え方についてご紹介いたします。
これまで本コラムにおいて貨物を輸入した場合の課税価格の考え方についてご紹介してまいりました。
特許品を複製する場合のライセンス料と課税価格の関係性については、頻繁に問題となる重要な論点といえるところ、課税価格の計算を間違えると、事後的に加算税が課されるリスク等がありますので、十分注意する必要があります。

貨物の輸入をビジネスとして行っている方は是非ご参照いただけますと幸いです。

 

1 特許品を輸入し、権利者の許可の下、日本で複製する場合のライセンス料と課税価格について

「輸入貨物に係る」特許権等の使用に伴う対価であって、かつ「取引の状況その他の事情からみて当該輸入貨物の輸入取引をするため」に買手により支払われるロイヤルティやライセンス料は加算要素の一つとされておりますが、当該輸入貨物を本邦において複製する権利の使用に伴う対価は除かれております。
ここで、「輸入貨物を本邦において複製する権利」とは、輸入貨物に化体され、又は表現されている考案、創作等を本邦において複製する権利のことを言います。
例えば、特許発明である機械その他の物品が輸入された場合において、これと同じ物品を本邦において製造する権利のことを言い、ビデオテープ、録音テープを輸入し、日本において複製する場合も含まれます。

 

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改正債権法の概要

2022-09-05

2020年4月1日に、改正債権法が執行されました。
これまで本コラムにおいて何度か改正債権法の内容をご紹介してまいりました。
債権法の内容は、会社、個人を問わず非常に重要な内容となります。
本日は、改正債権法の概要をご参照いただけますと幸いです。

 

1 改正債権法の概要

従前の民法からの主要な改正点は以下のとおりです。

①消滅時効の改正
従前の民法において規定されていた職業別の短期消滅時効制度(旧民法170条から174条)を削除し、原則的な消滅時効の期間を、権利行使可能時から10年としました。

②法定利率の引き下げ
法定利率を年5%から年3%に引き下げました。

③定型約款に関する規定の新設
ある特定の者が不特定多数の者を相手方として行う取引であって、その内容の全部または一部が画一的であることがその双方にとって合理的なものを「定型取引」と定義した上で、定型取引において契約の内容とすることを目的としてその特定の者により準備された条項の総体を「定型約款」と定義しました。

④売買の契約不適合責任の創設
従前瑕疵担保責任として存在した規定を契約不適合責任に修正しました。
瑕疵担保責任では認められていなかった追完請求権や代替物提供請求権も新たに認められることになりました。

⑤保証契約におけるルールの追加
保証人の保護の充実化を図るという観点から、個人の保証人との間で保証契約を締結する場合、一定の場合における保証人に対する情報提供義務、一定の保証契約についての公正証書による保証医師の確認義務、根保証契約における極度額の規定を盛り込むことの義務化といった新たな規律が設けられました。

 

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無償提供物と課税価格について

2022-08-22

これまで、輸入貨物の課税価格の考え方について、何度かご紹介してまいりました。
課税価格をどのように考えるのか、加算要素とは何か、ということは貨物の輸入をビジネスとして行っている方には非常に重要な問題といえます。
本日は、加算要素に関する問題の内、特に重要であるにもかかわらずよく勘違いされている、無償提供物と課税価格の関係性についてご説明いたしますので、あわせてご参照いただけますと幸いです。

 

1 無償提供物と課税価格について

輸入貨物の課税価格は、「現実支払価格」にその含まれていない限度において「加算要素」の額を加えた価格によることを原則としており、買手が無償で又は値引きをして直接又は間接に提供した輸入貨物に組み込まれる材料、部分品等に要する費用は「加算要素」の一つです。
この買手が提供した物品の費用は、買手が自らこれを生産した場合、当該物品の生産費によることとされ、買手がこれを提供するために要した運送費用、保険料等も含まれます。
したがいまして、買手が、売手に対して提供する無償提供物は、課税価格の加算要素となります。
そして、買手が当該無償提供物を作成するために要した生産費(取引価格、関税、通関費用、工場までの運賃等、工場での加工賃等)及びこれを提供するために要した運賃等(無償提供物の本邦輸出港までの運賃、通関費用等を含む。)の総額を輸入貨物の課税価格に加算する必要があります。

 

2 弁護士へのご相談をご希望の方へ

当事務所は、代表弁護士が輸出入や通関に関する唯一の国家資格である通関士資格を有しており、輸出・輸入や通関上のトラブルに関するご相談を幅広くお受けしております。
弁護士に相談をした方がよいかお悩みの方もいらっしゃるものと思いますが、お悩みをご相談いただくことで、お悩み解消の一助となることもできます。
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契約における期間の計算方法

2022-08-15

本日は契約における期間の計算方法をご紹介いたします。
いずれも基本的な考え方となりますので、ご参照いただけますと幸いです。

 

1 期間の計算方法について

(1)日単位の場合
起算日は、原則として初日を参入せずに翌日から起算します。これを初日不算入の原則といいます(民法140条本文)。もっとも、初日の起算点が午前零時から始まる場合は初日を算入します(同条ただし書)。
次に満了日についてですが、その末日の終了をもって期間は満了します(民法141条)。ただし、期間の満了の末日が休日に該当しその日に取引をしない慣習がある場合に限り、翌日で満了することになります(民法142条)。

 

(2)週・月・年単位によるとき
週・月・年の単位で表示される場合は暦に従って計算します(民法143条1項)。
そのため、月単位の場合にも31日まである月と30日で終わる月を区別しません。
また、年単位の場合、平年と閏年間でも区別はありません。
なお、週単位の場合には7日単位で計算します。

週・月・年の初めから期間を起算しない場合には、その期間が最後の週・月・年においてその起算日に応答する日の前日に満了することになります。
ただし、月または年によって期間を定めた場合において、最後の月に応答する日がないときは、その月の末日に満了することになります(民法143条2項)。
なお、期間の末尾が休日にあたりその日に取引をしない慣習がある場合に限り、翌日で満了します(民法142条)。

 

以上のとおり、契約における期間の計算方法は民法上規定されております。
正確な理解を欠き、期間の計算を間違えた場合、ビジネス上大きな問題に発展する可能性もありますので、十分ご注意ください。

 

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買手が輸出国で行った梱包の費用について

2022-08-08

貨物の輸入をビジネスとして行っている方の中には、当該貨物を輸出国側で梱包してもらった上で輸入するという運用をとっている方もいらっしゃるものと思います。
もっとも、このような梱包作業に何らかの費用が発生している場合には、当該費用を課税価格に加算する必要が生じる可能性があることを知らないという方も多いのではないでしょうか。
そこで、本日は、梱包費用と課税価格について、特に、買手が輸出国で行った梱包の費用についてご紹介いたします。
課税価格の考え方は、貨物の輸入をビジネスとして行っている方にとっては非常に重要な考え方となりますので、是非ご参照いただけますと幸いです。

 

1 買手が輸出国で行った梱包の費用について

輸入貨物の課税価格は、「現実支払価格」にはその含まれていない限度において「加算要素」の額を加えた価格によることを原則としており、関税定率法4条1項2号ハには加算要素の一つとして当該輸入貨物の包装に要する費用が規定されております。そして、この包装に要する費用には、材料費の他、人件費その他の費用も含まれることとなっております。
以上から、例えば、買手側が、自社の社員を輸出国側に派遣して、梱包作業を実施させた場合には、梱包用資材の費用、作業員の往復の旅費、これらの者のホテル代等の輸出国における滞在費及び日当又は賃金等を含む総額が、課税価格に加算すべき梱包費用となりますので、注意が必要です。

 

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弁護士に相談をした方がよいかお悩みの方もいらっしゃるものと思いますが、お悩みをご相談いただくことで、お悩み解消の一助となることもできます。
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混同的商標について

2022-08-01

商標法においては、商標登録を受けることが出来ない事由が列記されております(商標法4条)。
このうち、本日は、「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標(第十号から前号までに掲げるものを除く。)」(15号。いわゆる混同的商標)の概要をご紹介いたしますので、ご参照いただけますと幸いです。

 

1 混同的商標について

この点について参考となる裁判例としては、「レール・テュ・タン」審決取消請求事件(最判平成12・7・11判時1721・141)をご紹介いたします。

【判示の概要】
商標法四条一項一五号にいう「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」には、当該商標をその指定商品又は指定役務(以下「指定商品等」という。)に使用したときに、当該商品等が他人の商品又は役務(以下「商品等」という。)に係るものであると誤信されるおそれがある商標のみならず、当該商品等が右他人との間にいわゆる親子会社や系列会社等の緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品等であると誤信されるおそれ(以下「広義の混同を生ずるおそれ」という。)がある商標を含むものと解するのが相当である。けだし、同号の規定は、周知表示又は著名表示へのただ乗り(いわゆるフリーライド)及び当該表示の希釈化(いわゆるダイリューション)を防止し、商標の自他識別機能を保護することによって、商標を使用する者の業務上の信用の維持を図り、需要者の利益を保護することを目的とするものであるところ、その趣旨からすれば、企業経営の多角化、同一の表示による商品化事業を通して結束する企業グループの形成、有名ブランドの成立等、企業や市場の変化に応じて、周知又は著名な商品等の表示を使用する者の正当な利益を保護するためには、広義の混同を生ずるおそれがある商標をも商標登録を受けることができないものとすべきであるからである。

そして、「混同を生ずるおそれ」の有無は、当該商標と他人の表示との類似性の程度、他人の表示の周知著名性及び独創性の程度や、当該商標の指定商品等と他人の業務に係る商品等との間の性質、用途又は目的における関連性の程度並びに商品等の取引者及び需要者の共通性その他取引の実情などに照らし、当該商標の指定商品等の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として、総合的に判断されるべきである。

 

以上のとおり、混同的商標に関して、具体的な事情を踏まえて総合的に判断する必要がありますので、ご注意ください。

 

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動産の引渡の4類型について

2022-07-18

動産の売買契約においては、どのように売買対象物である動産を買主に引き渡すかが重要です。
動産の引渡が適切に受けられない場合には、買主にとって売買契約の意味がなくなってしまうからです。
そのため、動産の売買契約においては、動産の引渡の態様を規定する必要があります。
そこで、本日は動産の引渡の4類型についてご紹介いたします。
ご参照いただけますと幸いです。

 

1 動産の引渡の4類型について

動産の引渡態様としては、①現実の引渡、②簡易の引渡、③占有改定による引渡、及び④指図による占有移転による引渡(民法182条から184条)の4類型があります。

①現実の引渡とは、譲渡人が譲受人に対して売買の目的物の現実の支配を移転することを指します。もっとも、一般的な引渡の態様であるものといえます。

②簡易の引渡とは、譲受人が現に対象物を所持する場合に譲渡人の意思表示のみによってする引渡しのことを指します。例えば、人から借りた物を気に入って購入する場合に、いったん物を返却した上で改めて引渡しをうけることは非常に迂遠ですので、そのような場合に利用されます。

③占有改定による引渡とは、物の占有者が、その物を手元に置いたまま、以後譲受人のために占有すべき意思を表示することによってする引渡のことを指します。例えば、自分の物を売却するものの、売却後も引き続き自分で使用する場合に利用されます。

④指図による占有移転による引渡とは、代理人によって占有をする場合において、本人がその代理人に対して以後第三者のためにその物を占有することを命じ、その第三者がこれを承諾することによって行う引渡のことを指します。

 

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