『ADR』という言葉を聞いたことがある方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
ADRとは裁判外紛争解決手続のことをさし、少し前から積極的な利用が呼びかけれている手続です。
様々なADRがありますが、インターネットトラブルに関して利用されることがある手続は国民生活センターADRです。
特に、子供が保護者に無断でインターネットゲームにおいて多額の課金をしてしまった場合等に、ゲームのメーカーや運営者側との返金交渉のために使用されるケースがあります。
本日は、国民生活センターADRについてご紹介いたします。
1 国民生活センターADRをご存じですか
弁護士に相談というと、弁護士を介して裁判手続を利用し、裁判において事件を解決するというイメージが一般的だと思います。
しかしながら、裁判手続を経ることなく話し合いで解決することができればそれに越したことはなく、実際に弁護士にご相談、ご依頼いただいた場合でも可能であれば話し合いでの解決を模索するということが通常です。
そのような中で利用するかどうかを検討すべきで手続の一つが国民生活センターADRといえます。
実際に、同センターのHPで公表されている統計資料を踏まえますと、同センターへの相談件数及び和解件数は以下のとおりです(コロナ禍の影響で直近2年は申請件数が減少しているもようです。)。
①平成29年度 申請件数は172件、和解成立件数は114件
②平成30年度 申請件数は177件 和解成立件数は112件
③令和元年度 申請件数は204件 和解成立件数は120件
④令和2年度 申請件数は166件 和解成立件数は120件
⑤令和3年度 申請件数は136件 和解成立件数は89件
2 インターネットトラブルが発生した場合には早めに弁護士を含む専門家にご相談ください
インターネットトラブルに関しては、インターネット上で様々な解説がなされている所ではありますが、正直なところ玉石混交の情報といわざるを得ず、そのような情報に触れるとますます混乱してしまうと思います。
また、解決方法としても裁判手続を利用すべき場合から、上記のようなADRを利用すべき場合までケースバイケースでの対応が必要となります。
そのため、自分がインターネットトラブルに巻き込まれてしまったと思われた場合には、まずは弁護士を含む専門家にご相談いただき、迅速かつ慎重に対応方針を検討いただくことを強くお勧めいたします。