事業者の方から、顧客へのプレゼントとして懸賞の企画を予定しているが、景品の価額の算定方法はどのようにすればよいのか、自社が仕入れた金額に基づいて算定すればよいのか、といったご相談をいただくことがございます。
本日は、景品の価額をどのように算定するかについてご紹介いたします。
1 景品類の価額の算定方法について
懸賞にせよ総付景品にせよ、景品類の価額の上限や総額規制が存在しますので、景品の価額の算定方法を理解することは非常に重要です。
この点を理解していないと、自分としては規制に準拠していたつもりであっても、適切な計算をすると規制に違反してしまっているという事態になりかねませんので十分注意が必要です。
景品類の価額の算定方法については、昭和53年11月30日事務局長通達第9号で明記されておりますので、ご紹介いたします。
まず、①景品類と同じものが市販されている場合には、景品類の提供を受ける者が、それを通常購入するときの価格に基づいて算定する必要があります。
例えば、一般消費者に対して何らかのおもちゃを懸賞の景品とする場合には、その景品を一般消費者が購入する場合の通常の価格に基づいて算定することとなります。
次に、②景品類と同じものが市販されていない場合は、景品類を提供する者がそれを入手した価格、類似品の市価等を勘案して、景品類の提供を受ける者が、それを通常購入することとしたときの価格を算定し、その価格に基づいて算定することとなります。
2 懸賞企画や総付景品の提供を実施する前に一度弁護士にご相談ください
懸賞企画や総付景品の提供は、非常に多くの事業者によって実施されていますが、価額の算定方法について適切な方法を理解しないまま実施されてしまっているケースも珍しくはありません。
昨今はインターネットの普及によって、違法な行為が発覚した場合には瞬く間に拡散してしまい(場合によっては、いわゆる炎上といった状況にもなりかねません。)、一般消費者から悪徳企業等のレッテルを貼られてしまうこともあります。
このようなレッテルが張られてしまうと、評判を回復することは至難の業ですので、他の事業者も行っていることだから問題ないだろうと安易に考えることは非常に危険であり、ビジネス上も大きなリスクを抱えていると言わざるを得ません。
転ばぬ先の杖といいますが、懸賞に関する規制に関して少しでもご心配な点等ございましたら、まずは弁護士にご相談いただくことをお勧めいたします。