お菓子の原料の表示について

1 お菓子の原料の表示について

お菓子の原料の産地表示が正確なものではなかったことから、措置命令の対応がとられた事案をご紹介いたします(平成22年10月13日付措置命令)。

事案の概要としては、「あきたこまち米使用 純米クッキー」、「コシヒカリ純米クッキー」 との記載がお菓子の包装紙上にあり、当該お菓子の主原料が「あきたこまち」や「こしひかり」といった品種の米穀が使用されているかのような記載がなされておりました。

しかしながら、実際には、当該お菓子の主原料は小麦粉であり、米も一部では使用されていましたが、「あきたこまち」や「こしひかり」といった品種の米はほとんど使用されていない状況でした。

このような広告表示について、景品表示法が禁止する優良誤認表示に該当するとして措置命令が取られました。

お菓子に関する広告表示に関しては、問題となることもたまにありますが、このケースでは、お菓子の主原料が米ではなく、小麦粉であったという問題と、そもそも、「あきたこまち」や「こしひかり」といった品種の米がほとんど使用されていなかったという二段階で大きな問題がありましたので、景品表示法が禁止する優良誤認表示に該当することは特段異論がないところです。

なお、仮に業界の慣行としてこのような表示がなされていたとしても、いわゆる「業界の慣行」は、優良誤認表示に該当するかどうかの判断においては考慮されませんので注意が必要です。

2 適正な広告表示を心がけることで、ビジネス上のリスク軽減につながります

広告表示において、自社の商品やサービスを良く見せるために多少大げさな表現を使用する程度(いわゆるお手盛り的な表現)は当たり前のことであり、どの会社も行っていることなので問題にはならず大丈夫だろう、という風に考えられる方が一定程度いらっしゃいます。

しかしながら、いったん最近のインターネットやSNSの利用状況を踏まえますと、商品やサービスに関する広告表示が景品表示法等の法令違反であった等と指摘された場合、その情報は瞬く間にSNS等で拡散してしまい(例えば、当日の検索ランキングの上位に表示されることで、当該情報はものすごい速度で拡散されることになります。)、当該商品やサービスの販売などに直接的な影響が発生することはもちろんですが、その他の商品やサービス、ひいては会社全体の資質などに関しても悪い評判が広まってしまいます。

特に、食べ物の場合には、悪評が経ってしまうと、消費者心理としては当該商品の購入を控える風潮となってしまい、大きく売上を減少させるリスクが高く、主力製品の場合には、企業の存続にも関わるよう名非常に重大な問題となってしまいます。

このようなリスクを避け、円滑なビジネスの運営を維持することが重要であり、広告表については日常的な業務の一つとしてリーガルチェックを実施していただくことをお勧めいたします。 弊事務所は、広告法務やインターネットトラブル等を含む企業法務を幅広く取り扱っておりますので、お力になれること等ございましたら、お気軽にお問合せいただけますと幸いです。

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