仮陸揚げ貨物について

仮陸揚げ貨物という用語を聞いたことがある方は少ないように思います。
実際のところ、通常の貨物の輸出入の過程では問題となることはないといえますが、例外的に貨物を積載した船舶が遭難した場合等で問題となる可能性があります。
そのため頭の片隅にでも理解していただけますともしもの時の役に立つものと思いますので、ご参照いただけますと幸いです。

 

1 仮陸揚げ貨物について

外国貨物の仮陸揚げとは、船荷証券等の陸揚港が本邦となっていない外国貨物に付いて、船積み若しくは荷繰りの都合又は遭難その他やむを得ない事故のような偶発的な事情によって本来目的とした陸揚地以外の場所に陸揚げすることをいいます。
なお、外国貨物の仮陸揚げは、税関により「仮陸揚届」を提出することにより行います。

(注)外為法上の仮陸揚げとの相違
外為法上の仮陸揚げの概念は、輸出貿易管理令4条1項1号に「本邦以外の地域を仕向地とする船荷証券等により運送されたもの」とあるように、関税法の概念よりも広く、意図的に仮陸揚げされたものを含みます。

 

2 積戻し申告を要しない仮陸揚貨物(原則)

「仮陸揚届」により仮陸揚げをした外国貨物を、船荷証券等に記載された仕向地へ向けて出港する外国貿易船等に積み込む場合には、税関手続きの簡易化の見地から、「仮陸揚届」を税関に提出することにより、仮陸揚貨物の積込として取り扱われます。

 

3 積戻し申告を要する仮陸揚貨物(例外)

「仮陸揚届」により仮陸揚げした外国貨物であっても、外国為替及び外国貿易法48条1項の規定により経済産業大臣の輸出の許可を受けなければならないものについては、経済産業大臣の輸出の許可を受けて、次に税関長に対して積戻し申告をして、積戻しの許可を受けなければなりません。

 

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