日本に貨物を輸入(ハンドキャリーを含む)する場合には、様々な法規制が存在します。
自分としては悪いことをしている認識がなかったとしても、法規制に違反してしまうとペナルティが発生することもありますので、十分注意する必要があり、軽い気持ちで行ったことが思わぬ重大な犯罪につながることもあります。
本日は、令和5事務年度(令和5年7月から令和6年6月)における関税等脱税事件に係る脱税額の推移に関する統計情報(税関公表)をご説明いたします。
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1 脱税額の現状
告発に進んだケースの関税額は106万円、内国消費税額は2億5079万円(前事務年度比15.2倍)でした。
次に、通告処分で終了したケースの関税額は778万円、内国消費税額は1億3598万円(前事務年度比72%)でした。
2 脱税額を踏まえた現在の状況
脱税額を踏まえた現在の状況を考えると、やはり金地金の密輸が圧倒的なウェイトを占めるということが分かります。
いわゆるコロナの流行期間においては海外との往来が行われておりませんでしたが、それ以前の期間から金地金の密輸は大問題として存在しておりました。
要するに、海外で金を購入し、日本に密輸して日本で販売すれば消費税分を丸々利益にすることができるということで、若い学生などを運び屋にして金地金の密輸をすることが多かったわけですが、現状でも金地金の密輸が非常に多く行われていることが分かります。
金地金の密輸は徹底的に防ぐことが必要であることは今更言うまでもありませんが、徹底的に防ぐことが重要であることは改めて強調したいところです。
3 貨物の輸入、持ち込みに伴うトラブルにはご注意ください
貨物の輸入、持ち込みに伴うトラブルには様々な種類がありますが、要するに、持ち込みが禁止されているもの(いわゆる禁制品)の持ち込みを試みるケースと、脱税目的で密輸するケースが大半です。金地金の密輸は後者です。
これらはいずれも重大な犯罪ですので、絶対に行ってはいけないことは言うまでもありませんが、軽い気持ち(バイト感覚)で知り合いから頼まれたから等の理由で行ってしまう人も一定程度存在します。
行ってしまったことは取り消せませんので、もしこれらの輸入におけるトラブルに巻き込まれてしまった場合には、速やかに専門家にご相談いただくことをお勧めいたします。