税関長の処分に納得がいかない!泣き寝入りする前に知っておくべき「不服申立て(審査請求)」の手続

「この商品は関税率が高い『革靴』ではなく、『スポーツシューズ』のはずだ」、「ロイヤルティを加算しろと言われたが、契約内容からして納得できない」

税関の事後調査や通関時の検査で、納得のいかない処分(更正処分や決定処分)を下されることがあります。現場の職員と交渉しても埒が明かない場合、諦めてハンコを押すしかないのでしょうか?

いいえ、法律には正当な対抗手段として「不服申立て(審査請求)」の道が用意されています。

1 不服申立てのルートと期限

税関長の処分に不服がある場合、処分を知った日の翌日から3ヶ月以内に、「再調査の請求」または「審査請求」を行うことができます。 さらに、その結果にも納得がいかない場合は、裁判所に対して「取消訴訟」を提起することも可能です。

①再調査の請求: 処分を行った税関長に対して「もう一度調べ直してください」と頼むもの。手軽だが、結論が覆る可能性は低め。

②審査請求: 財務大臣に対して行う不服申立て。第三者機関的な視点での審理が期待できる。

2 適切な「法的論証」がカギ

審査請求は、単に「高すぎる」、「おかしい」と感情的に訴えても認められません。

「関税定率法の解釈に誤りがある」、「過去の裁決事例(判例)と矛盾している」、「事実認定に重大な誤認がある」といった、緻密な法的ロジックが必要です。

これは、事実上の「裁判」に近い手続きであり、法律のプロである弁護士にご相談いただくことが有用です。

3 勝算はあるのか?

正直なところ、一度下された税関の処分を、行政内部の不服申立て手続きだけで覆すことは決して容易なことではありません。行政組織には自己の判断を正当化する強いインセンティブが働くため、単に「納得がいかない」という感情的な訴えや、専門性を欠く説明だけでは、門前払いに近い結果に終わってしまうのが現実です。

しかし、関税法や関連する国際条約に精通した弁護士が介入し、法律的な根拠に基づいた緻密な意見書を提出することで、状況は大きく変わります。審査請求の段階、あるいはそれ以前の税関との交渉(前段階)において、課税価格の算定根拠や原産地認定の解釈に誤りがあることを論理的に証明できれば、税関側が自らの過失を認め、処分を自発的に取り消したり、追徴額を大幅に減額したりするケースは確実に存在します。

また、法的手段を厭わない姿勢には数字以上の価値があります。税関に対して「この企業は不当な処分に対しては、専門家を立てて徹底的に抗戦するコンプライアンス意識の高い組織である」という明確なメッセージを伝えることは、将来的な事後調査や輸入審査において、安易で恣意的な処分を抑制する強力な抑止力となります。目先の減額だけでなく、長期的な企業のガバナンスと権利を守るという意味でも、弁護士による適切な法的対抗措置は極めて重要な経営判断といえるのです。

 

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