企業が削除したい書き込みNo.1とも言えるのが、「ブラック企業」というレッテル貼りです。
「残業代が出ない」「パワハラが横行している」「辞めさせてくれない」
こうした書き込みは、事実であれば公益目的の告発ですが、事実無根の嫌がらせであれば重大な名誉毀損です。
この境界線はどこにあるのでしょうか。
このページの目次
1 名誉毀損が成立しない「3つの要件」(公共性・公益性・真実性)
企業に対する批判的な書き込みであっても、以下の3つをすべて満たす場合、違法性はない(名誉毀損にならない)と判断され、削除できません。
①公共の利害に関わる事実であること(公共性): 企業の労働環境は、社会的に関心の高い事柄とされます。
②公益を図る目的であること(公益性): 個人的な恨みではなく、「これから入社する人のために情報を共有する」といった目的があること。
③真実であること、または真実だと信じる正当な理由があること(真実性): 投稿内容が客観的な証拠に照らして事実であること。
つまり、「本当にブラックな実態があるなら、ある程度書かれても仕方がない」というのが法律の原則ではあります。
2 削除できる「ブラック企業」の書き込み
逆に言えば、以下のいずれかに該当すれば削除・特定が可能です。
①事実無根の嘘: 「残業代未払い」と書かれたが、実際には全額支払っている(証拠が出せる)。
②過激な侮辱・罵倒: 批判の域を超えて、「社長は狂っている」「社員は全員犯罪者」など、人格攻撃や侮辱的な表現が含まれている場合。
③抽象的なレッテル貼り: 具体的な根拠を示さずに、ただ「ここはブラック企業だ」「やめておけ」と連呼しているだけの場合。
3 削除できない場合の対応
どうしても削除が認められない(真実性が疑われる)場合でも、放置は危険です。
HP上で「ネット上の書き込みに関する当社の見解」として、誠実な説明や改善策を発表するなどの広報対応が必要になります。
「ブラック企業」という評判を放置せず、法的な削除と社内環境の改善の両輪で対応しましょう。

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