コンビニのアイスケースに入ったり、飲食店の厨房で不衛生な行為をしたりする動画をSNSに投稿する「バイトテロ」。
一度拡散されると、株価の暴落、店舗の休業、ブランドイメージの失墜など、企業に甚大な損害を与えます。
もし自社でバイトテロが起きてしまったらどうすべきか、また起こさないために何が必要かをみていきましょう。
このページの目次
1 発生直後の初動対応:証拠保全と拡散防止
バイトテロが発覚したら、まずは冷静かつ迅速な対応が必要です。
①証拠の確保: 動画や画像を保存します。投稿者がすぐに削除する可能性があるため、アカウント名やIDも控えます。
②本人への事実確認: 該当する従業員を特定し、ヒアリングを行います。
③対外的な発表: 事実関係を認め、謝罪と今後の対応(厳正な処分など)をHP等で発表します。隠蔽しようとするのが一番の悪手です。
2 従業員に対する法的責任の追及
会社に損害を与えた従業員に対しては、以下の責任を追及できます。
①懲戒処分: 就業規則に基づき、解雇(懲戒解雇)などの処分を行います。
②損害賠償請求(民事): 店舗の清掃費用、廃棄した食材の費用、休業補償、信用の低下による損害などを請求します。ただし、従業員個人に数千万円の損害を全額賠償させることは、支払い能力や労働法の観点(報償責任)から難しく、裁判では「信義則上相当な範囲(損害の一部)」に制限されることが多いです。それでも、「請求する姿勢」を見せることが、他の従業員への抑止力になります。
③刑事告訴(刑事): 威力業務妨害罪、器物損壊罪などで警察に被害届を出し、処罰を求めます。
3 「ソーシャルメディアポリシー」の策定
バイトテロを防ぐためには、予防策が不可欠です。
入社時の研修で「SNSに不適切な投稿をしたらどうなるか(損害賠償や刑事罰のリスク)」を具体的に教育することが重要です。
また、就業規則とは別に「ソーシャルメディア利用ガイドライン」を策定し、誓約書にサインさせておくことも有効です。これにより、万が一トラブルが起きた際に、会社の指導不足を問われるリスクを減らし、従業員への責任追及がしやすくなります。
4 会社を守るために
「悪ふざけでした」では済まされない損害が生じます。
企業のリスク管理として、社内規定の整備や研修の実施について不安がある場合は、弁護士にご相談ください。

有森FA法律事務所では、インターネット上の誹謗中傷や名誉毀損、プライバシー・著作権に関するトラブルなど、ネットにまつわる様々なお悩みに対応しています。スマートフォンやSNSが日常に溶け込んだ今、ネット上の問題は誰にとっても身近なリスクとなっています。東京都をはじめ全国からのご相談に対応しており、WEB会議によるご相談も可能です。ひとりで抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください。
