最新の裁判例その9

インターネット上のトラブルには様々なものがあります。

誹謗中傷、名誉毀損に関係するトラブルや、著作権などの知的財産権侵害に関するトラブル、プライバシー侵害に関係するトラブル等、トラブルの種類や量は増加傾向にあります。

弊事務所では、様々なインターネットトラブルに関するご相談をお受けしておりますが、日々様々な裁判例が出ておりますので、最新の裁判例を確認することがトラブルに対応するに当たっては非常に重要となります。

本日は、東京地判令和4年3月8日(LLI/DB 判例秘書登載)をご紹介いたします。

1 事案の概要

Xが、インターネット上の掲示板にYが投稿した記事によって名誉権を侵害され、精神的苦痛を被ったことを理由として、Yに対し慰謝料請求等を行った事案です。

2 裁判所の判断

裁判所は、以下の通り判断しました。

①同定可能性について、Yが主張するように、Yは、Pとしか記載していない。しかし、①上記各記事は、いずれも「××」と題する本件スレッド内の記事であること、②Xが、北新地のキャバクラにおいて、「▲▲」として勤務していたことからすると、上記各記事におけるPは、Xを対象とするものと認めるのが相当である。

②各表現は、稚拙な表現を用いるものであり、悪質性が高いとまではいえない。しかしながら、上記各表現は、Xについて、「相当」知恵遅れである、「無知で頭(が)おかしい」、「こんな(に)頭(の)おかしい(女性は)なかなかいない」などと相当程度の評価を加えて侮辱するものである。したがって、これらの表現は、一定程度悪質というべきであり、社会通念上許される限度にとどまっているものとはいえない。

3 インターネットトラブルは誰もが巻き込まれる可能性があります

現在の社会において、インターネットに一切関係することなく人生を送ることはほぼ不可能です。それは、老若男女問わずいえることです。

トラブルへの巻き込まれ方としては、自身の利用方法に注意をすることで加害者側になることを回避することは可能ですが、被害者となる可能性は誰もがあるといえます。

インターネットトラブルに巻き込まれた際は、誰しも驚いて冷静な対応を取ることが難しい状況であることは間違いありません。ただ、冷静に対応をすることで大事にすることなく解決までつながる場合も多くありますので、まずは軽率な対応をすることは避け、慎重に対応をすることが重要です。

弊事務所では、インターネットトラブルに関して、加害者側からのご相談も含めて幅広く対応しておりますので、お気軽にご相談ください。

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