最新の裁判例その2

インターネット上のトラブルには様々なものがあります。

誹謗中傷、名誉毀損に関係するトラブルや、著作権などの知的財産権侵害に関するトラブル、プライバシー侵害に関係するトラブル等、トラブルの種類や量は増加傾向にあります。

弊事務所では、様々なインターネットトラブルに関するご相談をお受けしておりますが、日々様々な裁判例が出ておりますので、最新の裁判例を確認することがトラブルに対応するに当たっては非常に重要となります。

本日は、東京地判令和4年10月28日(判例時報2555号15頁)をご紹介いたします。

1 事案の概要

被告が、原告が警察官に逮捕された際の状況が撮影された動画をインターネット上の動画投稿サイトであるYouTubeに投稿したことに対して、原告が、名誉権、肖像権及びプライバシー権を侵害されたと主張して、不法行為に基づく損害賠償請求を行った事案です。

2 裁判所の判断

裁判所は、以下の通り判断しました。

①名誉毀損の該当性に関しては、一般の視聴者の通常の注意と視聴の仕方を基準とすれば、本件逮捕動画は、原告が警察官によって白昼路上で逮捕され手錠を掛けられたなどという事実を摘示するものであり、これをYouTubeに投稿することが、原告の人の品性、徳行、名声、信用等の人格的価値について社会から受ける客観的評価を低下させることは明らかである。

②肖像権侵害に関しては、本件逮捕動画の内容が社会通念上受忍すべき限度を超えて原告を侮辱するものであることは、明らかである。したがって、本件逮捕動画を原告に無断でYouTubeに投稿して公表する行為は、原告の肖像権を侵害するものとして、不法行為法上違法となる。

③プライバシー侵害に関しては、そもそも白昼路上という公的領域において撮影されている以上、プライバシー侵害を認めることはできない。

3 インターネットトラブルは誰もが巻き込まれる可能性があります

現在の社会において、インターネットに一切関係することなく人生を送ることはほぼ不可能です。それは、老若男女問わずいえることです。

トラブルへの巻き込まれ方としては、自身の利用方法に注意をすることで加害者側になることを回避することは可能ですが、被害者となる可能性は誰もがあるといえます。

インターネットトラブルに巻き込まれた際は、誰しも驚いて冷静な対応を取ることが難しい状況であることは間違いありません。ただ、冷静に対応をすることで大事にすることなく解決までつながる場合も多くありますので、まずは軽率な対応をすることは避け、慎重に対応をすることが重要です。 弊事務所では、インターネットトラブルに関して、加害者側からのご相談も含めて幅広く対応しておりますので、お気軽にご相談ください。

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