疑似餌商品と広告表示

景品表示法に違反する広告等を行ってしまった場合には、措置命令や課徴金納付命令が下されるリスクがあり、これらの命令を下されてしまった場合には、企業の評判に大きな悪影響を生じさせますので、景品表示法に違反する広告には十分注意する必要があります。

本日は令和5年に釣り用の疑似餌に関する商品に対して課徴金納付命令が下された事例をご紹介いたします。

1 事案の概要

広告においては、以下のような表現が使用されました。

①「生分解 生分解性くわせエサ」との記載

②「本品は水中の微生物によって分解される生分解性樹脂を使用しており、保存液も含め全て魚や人体に無害です」との記載

③「生分解性だから地球にやさしい」、「ときに、根掛かりや不注意によって、エサを海中に残してしまうこともありますが、生分解性素材で作られている」本商品「ならご安心を。微生物の働きによって、水中で二酸化炭素と水に分解されます。また、魚が飲み込んでしまっても、スピーディーに排泄されるため、自然に大きなダメージを与えることなく釣りが楽しめます」との記載

④①や②、③等の記載をすることで、事業者は、あたかも、本件商品は、その使用後に水中に残されたままでも、水中の微生物によって分解される生分解性を有するかのような表示をしていた。

2 消費者庁の判断

消費者庁は、景品表示法第8条第3項の規定に基づいて、期間を定めて、事業者に対して当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、同社から資料が提出されたが、当該資料は、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものであるとは認められないものであったと判断された

以上を踏まえて、消費者庁は、当該事業者に対して課徴金納付命令を下した。

3 景品表示法に違反する広告にはご注意ください

景品表示法に違反する広告を行ってしまった場合には、消費者庁等から、措置命令や課徴金納付命令が下されるリスクがあり、また、消費者の評判に大きな悪影響を及ぼしますので、これ自体が事業者にとってはその後の事業を継続する上では極めて大きな問題となり得ることは言うまでもありません。

景品表示法及び具体的な運用に関して正確な理解をしていない場合には、思わぬ表示上の間違いを犯してしまうリスクがあります。

このような状況を避けるためにも、広告表現に関してご不安な点等がありましたら、お気軽にご相談ください。

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