景表法違反の具体例その1

本日は、電力会社に対する景表法に基づく措置命令に関してご紹介いたします。

1 有利誤認表示

有利誤認表示は、景表法5条2号において規制対象となっております。

「商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの」

2 問題とされた表示

電力会社Xは『従量電灯A』について、サービスプランを使用すれば料金が安くなるような以下のような広告表示を行っていた。

①「電気料金を少しでも安くしたい。どのコースがおすすめなの?」

②「電気料金が年間約1,200円おトクに!」

③「ご家庭のお客さまに最も多くご契約いただいている『従量電灯A』よりも、1年間で約1,200円おトクになる新コースです。」

④「電気のご使用量が比較的少なく、時間帯を気にせずに電気をご使用になりたいお客さま(月平均ご使用電力量400kWh以下)におすすめです。」

しかしながら、適用される燃料費調整額が従量電灯Aに適用される燃料費調整額を上回るため、サービスプランにおけるそれぞれの電気料金が、従量電灯Aの電気料金より安価にならない場合が実際には存在した。

そのため、電力会社Xによる広告表示が景表法の規制対象である有利誤認表示に該当するものと判断された。

3 広告表示に関する規制についてはご注意ください

インターネットやSNSの発展に伴い、広告表示の方法は多種多様なものが登場しております。それに伴い、広告表示に関する規制も新たに様々な内容で設けられており、また、新たに検討もされております。

少し前までは問題なく行うことができた広告表示であっても、違法な広告表示となる場合もありますので、広告表示の方法が適切に行うことができるかどうかについては日常的に注意をすることが必要です。

消費者庁等のHPにおいて適宜情報は公開されておりますので、情報については常にアップデートしていただくことが重要ですが、自社においてそこまで手が回らない、公表されている内容が良く理解できない等必要に応じて、専門家までご相談いただくことをお勧めいたします。

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