家庭用の美顔器、ローラー、脱毛器。
これらは法律上、医療機器ではなく「一般雑貨(雑品)」に分類されます。
雑品の広告ルールは非常にシンプルで厳格です。要するに、「物理的な効果(事実)しか言えない」、これに尽きます。
このページの目次
1 「身体の構造・機能が変わる」といった表現はNGです
医療機器としての承認を受けていない雑品が、身体の構造や機能に変化を与えるような表現を用いると、薬機法違反(未承認医療機器の広告)とみなされるリスクが極めて高くなります。以下の表現は、意図せずとも「身体のメカニズムに作用している」と判断される典型的なNG例です。
①「リフトアップ」(皮膚の位置が変わる)
②「小顔効果」(顔の大きさが変わる)
③「脂肪分解・燃焼」(細胞に作用する)
④「育毛・発毛」(毛根に作用する)
⑤「ターンオーバー促進」(代謝機能に作用する)
2 『言えること』の範囲
では、何を訴求すればいいのでしょうか?
雑品で言えるのは、使用している最中の物理的な事実や、使用に伴う副次的な効果です。
例えば、
①「汚れを落とす」(洗浄効果)
②「肌を引き締める」(ただし、物理的な引き締めや冷却効果などに限る)
③「温める」(温熱効果)
④「揉みほぐす」(ただし、「血行促進」「コリをほぐす」などは一般医療機器でないと言えない場合が多いので注意が必要)
3 「見せ方」で工夫する
直接的な言葉が使えない分、広告においては「使用感」や「気分の変化」を訴求する必要があり、また、多くの企業がこのような「見せ方」の工夫を行っております。
①印象へのアプローチ
「上向きの印象へ」「スッキリしたフェイスラインを目指す」など、状態の変化ではなく、あくまで「見た目の印象」として表現します。
②注釈(打ち消し表示)の活用
「ハリを与えることによる」や「汚れが落ちたことによる明るさ」など、効果の根拠が物理的範囲内であることを明示します。
③情緒的価値の訴求
「自分へのご褒美タイムに」「エステ帰りのような充足感」など、体験価値を強調します。
高額な製品ほど「劇的な変化」を謳いたくなるものですが、誇大広告は行政の監視対象となりやすく、ブランド毀損のリスクを孕みます。法律の枠組みを正しく理解し、物理的事実の積み重ねによって「納得感のあるストーリー」を構築することが、クリーンで持続可能な広告運用の正解と言えるでしょう。

有森FA法律事務所は、「広告表現に不安があるけれど、何から始めていいか分からない」という方々の力になりたいと考えています。インターネット広告やSNSの普及で、広告に関する法律リスクも多様化してきました。広告チェックに関しては、全国からのご相談に対応しており、WEB会議や出張相談も可能です。地域を問わず、さまざまなエリアの事業者様からご相談をいただいています。身近な相談相手として、お気軽にご連絡ください。
