景品表示法に違反する広告等を行ってしまった場合には、措置命令や課徴金納付命令が下されるリスクがあり、これらの命令を下されてしまった場合には、企業の評判に大きな悪影響を生じさせますので、景品表示法に違反する広告には十分注意する必要があります。
本日は令和5年に糖質カットを謳う商品に対して措置命令が下された事例をご紹介いたします。
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1 事案の概要
広告においては、以下のような表現が使用されました。
①「美味しく、ラクして、糖質カット。サイン三一体の機能搭載。糖質カット炊飯器」との記載
②「美味しいご飯を食べたい、お腹が気になる、たくさん炊いて冷凍したい」、「多くのライフスタイルに合わせて万能な糖質カット炊飯器 炊飯器市場では、ご自宅で食事をする傾向の高まりもあって、美味しさ、使いやすさ、健康志向」との記載
③「クラス最高レベルの最大54%糖質カット 美味しさ変わらず健康志向 本モデルでは独自の排水システムにより、炊飯中に出る糖質を含んだ水分を釜からタンクに切り分けることでクラス最高レベルの糖質カット率54%を実現。このシステムを採用したことで、高い糖質カット率を維持しつつ、炊きあげられたお米は粒立ちも良く美味しい仕上がりに」等と記載
④①から③等の記載をすることで、あたかも本件商品の糖質カット炊飯機能で炊飯することにより、通常の炊飯器で炊飯した米飯と同様の炊きあがりで、米飯に含まれる糖質が大幅にカットできるかのように示す表示をしていた。
2 消費者庁の判断
消費者庁は、景品表示法第7条第2項の規定に基づいて、期間を定めて、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、同社から資料が提出されたが、当該資料は、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものであるとは認められないものであったと判断された
以上を踏まえて、消費者庁は、当該広告表示が優良誤認表示に該当するとの判断に基づいて事業者に対して措置命令(一般消費者への周知徹底及び再発防止等)を下した。
3 景品表示法に違反する広告にはご注意ください
景品表示法に違反する広告を行ってしまった場合には、消費者庁等から、措置命令や課徴金納付命令が下されるリスクがあり、また、消費者の評判に大きな悪影響を及ぼしますので、これ自体が事業者にとってはその後の事業を継続する上では極めて大きな問題となり得ることは言うまでもありません。
このような状況を避けるためにも、広告表現に関してご不安な点等がありましたら、お気軽にご相談ください。