葬儀サービスの内容に関する広告表示の虚偽記載について

1 葬儀サービスの内容に関する広告表示の虚偽記載について

葬儀サービスの内容に関する広告表示に虚偽記載があったケースについて、措置命令の対応がとられた事案をご紹介いたします(平成24年9月7日付措置命令)。

事案の概要としては、葬儀社が、「ご葬儀会員価格88万パック お返し品、料理、精進料理まですべて入った追加・オプションの必要ないパックです。」等の広告表示をパンフレット上に行っていました。

このような記載がある場合、一般消費者としては、表示されるとおり、追加料金なくサービスの提供を受けることができるものと認識するところです。

しかしながら、実際には、表示された価格には料理に係る費用が含まれているにもかかわらず飲料に係る費用が含まれていないほか、葬儀の受付、棺の運搬等大半の葬儀で必要とされる作業に係る人件費等が含まれていなかったことが判明しました。

その結果、このような広告表示について、景品表示法が禁止する有利誤認表示に該当するとして措置命令が取られました。

本ケースでは、支出する費用に関して正確な認識がある場合には、一般消費者の消費者行動は異なるものとなった可能性は十分と考えられるところであり、本ケースが優良誤認表示として違法な広告表示であったことに異論はないでしょう。

なお、いわゆる「業界の慣行」は、優良誤認表示に該当するかどうかの判断においては考慮されない点には十分注意することを心がける必要があります。

「この業界では、常識だ」等と主張したとしても、それは業界自体に問題があるというだけであり、自社の広告表示が適切であったことにはなりません。

2 商品の広告表示の正確性には十分な注意が必要です

インターネットやSNSは、良い評判が広まれば、企業の売上を大きく伸ばすことに結びつきますが、その反対も同様であり、一度悪い評判がインターネット上で広まってしまうと、挽回が不可能になってしまう場合も珍しいことではありません。

特に商品やサービスの費用について、意図的又は意図的と認識されるような虚偽記載の場合には、悪い評判は長く続いてしまう傾向があります。

円滑なビジネス運営を行うためには、企業への信頼を維持するために広告表示を適切に行う点に日常的に注意を払うとともに、第三者の視点を加味する意味でも広告表示に対するリーガルチェックを適切に実施していただくことを強くお勧めいたします。

弊事務所は、広告法務やインターネットトラブル等を含む企業法務を幅広く取り扱っておりますので、広告表示に関する定期的なリーガルチェックをはじめ、お力になれること等ございましたら、お気軽にお問合せいただけますと幸いです。

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