冷感効果をうたう商品の性能に関する虚偽記載について

1 冷感効果をうたう商品の性能に関する虚偽記載について

冷感効果をうたう商品の性能に関する虚偽記載があったケースについて、措置命令の対応がとられた事案をご紹介いたします(平成24年9月6日付措置命令)。

事案の概要としては、冷感効果をうたう商品の販売事業者が、商品パッケージ上等において販売する商品について「冷たさは約90分持続します。(室温35℃で20℃以下を保持する時間)(外気温や使用環境により持続時間は異なります。)」等という内容の広告表示をしていました。

このような記載がある場合、一般消費者としては、その表示のとおりの冷感効果、すなわち、室温摂氏35度の室内において当該商品 人が装着した状態で対象商品の表面温度が20度以下を保持する時間が約90分があるものと考えるところです。

しかしながら、実際には、室温摂氏35度の室内において当該商品を人が装着した状態で商品の表面温度が20度以下を保持する時間は、90分を相当程度下回ることが判明しました。

その結果、このような広告表示について、景品表示法が禁止する優良誤認表示に該当するとして措置命令が取られました。

冷感効果をうたう商品において、その性能は、一般消費者が購入を判断する上での決め手となるものですので、購入者が当該性能を理解している場合には、そもそも購入自体を検討していなかった可能性が非常に高いことは明白です。

したがって、本件広告表示によって一般消費者の消費者行動は異なるものとなったと考えられますので、本ケースが優良誤認表示として違法な広告表示であったことに異論はないでしょう。

なお、いわゆる「業界の慣行」は、優良誤認表示に該当するかどうかの判断においては考慮されない点には十分注意することを心がける必要があります。

2 商品の広告表示の正確性には注意しましょう

最近の一般消費者のインターネットやSNSの利用状況を踏まえますと、インターネット上の評判や書き込み等には最大限注意する必要があります。

特に、多くの企業がインターネット上で広告を出しておりますので、メリットも大きな反面、デメリットにも十分注意する必要がある点は強調してもしすぎることはないでしょう。

円滑なビジネスの運営行うためには、企業への信頼を維持するために広告表示を適切に行う点に日常的に注意を払うとともに、第三者の視点を加味する意味でも広告表示に対するリーガルチェックを適切に実施していただくことを強くお勧めいたします。

弊事務所は、広告法務やインターネットトラブル等を含む企業法務を幅広く取り扱っておりますので、広告表示に関する定期的なリーガルチェックをはじめ、お力になれること等ございましたら、お気軽にお問合せいただけますと幸いです。

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