住宅用太陽光発電システムの導入後に発生する利益に関する虚偽記載について

1 住宅用太陽光発電システムの導入後に発生する利益に関する虚偽記載について

住宅用太陽光発電システムの導入後に発生する利益に関する虚偽記載があったケースについて、措置命令の対応がとられた事案をご紹介いたします(平成23年7月15日付措置命令)。

事案の概要としては、住宅用太陽光発電システムの販売事業者が、チラシ上等において「電気買取り価格2倍引き上げで、192,000円 /年の節約(利益)!」等という内容の広告表示をしていました。

このような記載がある場合、一般消費者としては、その表示のとおりの利益があるものと考えるところです。

しかしながら、実際には、「太陽光発電の余剰電力買取制度」の下では、年間 192,000 円の 利益を得ることはできないものであることが判明しました。

その結果、このような広告表示について、景品表示法が禁止する優良誤認表示に該当するとして措置命令が取られました。

利益が発生するからこそ、一般消費者は太陽光発電システムを導入するものといえますので、購入者が事実を理解している場合には、そもそも導入自体を検討していなかった可能性が非常に高いことは明白です。

したがって、本件広告表示によって一般消費者の消費者行動は異なるものとなったと考えられますので、本ケースが有利誤認表示として違法な広告表示であったことに異論はないでしょう。

なお、いわゆる「業界の慣行」は、有利誤認表示に該当するかどうかの判断においては考慮されない点には十分注意することを心がける必要があります。

2 商品の広告表示の正確性には注意しましょう

最近の一般消費者のインターネットやSNSの利用状況を踏まえますと、インターネット上の評判や書き込み等には最大限注意する必要があります。

特に、多くの企業がインターネット上で広告を出しておりますので、メリットも大きな反面、デメリットにも十分注意する必要がある点はビジネス上のリスクとしては把握することが重要です。

円滑なビジネスの運営行うためには、企業への信頼を維持するために広告表示を適切に行う点に日常的に注意を払うとともに、第三者の視点を加味する意味でも広告表示に対するリーガルチェックを適切に実施していただくことを強くお勧めいたします。

弊事務所は、広告法務やインターネットトラブル等を含む企業法務を幅広く取り扱っておりますので、広告表示に関する定期的なリーガルチェックをはじめ、お力になれること等ございましたら、お気軽にお問合せいただけますと幸いです。

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