1 優良誤認表示と不実証広告規制の概要
景品表示法においては、商品やサービスの品質等の内容が、実際のものと比較して著しく優良であると一般消費者に誤認される表示については、優良誤認表示として禁止されております。
このような優良誤認表示に該当するかどうかについての判断は、最終的には消費者庁が行うこととなりますが、消費者庁は、事業主に対して、当該商品やサービスの効果や性能に合理的な根拠があるかどうか、その裏付けとなる資料の提出を求め、当該資料を踏まえて、優良誤認表示の該当性の判断を行うという流れが通常です。
もちろん、資料を提出しない場合には、当該表示は優良誤認表示と判断されてしまいますし、資料を提出したとしても合理的な根拠があるものでなければ、優良誤認表示と判断されてしまいます。
合理的な根拠と認められるかどうかの判断基準としては、①提出された資料が客観的に実証された内容のものといえること、また、②表示された効果や性能と提出資料によって実証された内容が適切に対応していることが基準となります。
自社としては合理的な根拠があると判断していたとしても、あくまでも最終的には客観的に実証された内容のものかどうかが重要となりますので、その点は十分注意する必要があります。
例えば、自社としては適切な実験結果を踏まえた広告と判断していたとしても、必ずしも客観的に実証された内容のものとなるわけではないということです。
2 広告表示の失敗は企業のビジネスの根幹にかかわりますので十分ご注意ください
広告表示において、自社の商品やサービスを良く見せるために多少大げさな表現を使用する程度は当たり前のことなので、特段問題にはならず大丈夫だろう、という風に考えられる方が一定程度いらっしゃいます。
しかしながら、現在はインターネットの普及により、企業のレピュテーションの維持は企業の存続の根幹にかかわる非常に重要な要素となっております。
例えば、いったんインターネット上で、商品やサービスに関する広告表示が景品表示法等の法令違反であった等と指摘されてしますと、その情報は瞬くSNS等で広まり、当該商品やサービスの販売などに直接的な影響が発生するだけでなく、その他の商品やサービス会社全体の資質などに関しても悪い評判が広まってしまい、企業の存続に関わる問題となってしまいます。
そのため、現在では、広告表示を含めて、レピュテーションリスクに最大限注意を払うことが重要となります。
弊事務所は、広告法務やインターネットトラブル等を含む企業法務を幅広く取り扱っておりますので、お力になれること等ございましたら、お気軽にお問合せいただけますと幸いです。