中古自動車の売買代金に関する虚偽記載について

1 中古自動車の売買代金に関する虚偽記載について

中古自動車の売買代金に関する虚偽記載があったケースについて、措置命令の対応がとられた事案をご紹介いたします(平成23年3月28日付措置命令)。

事案の概要としては、中古自動車販売事業者が、ウェブサイト上等において「月々1900円からクルマが買える」等という内容の広告表示をしていました。

このような記載がある場合、一般消費者としては、その表示のとおり、毎月1900円を支払えば中古自動車を購入することができるものと考えるところです。

しかしながら、実際には、毎月1900円の他に頭金及び年2回のボーナス時に月々の支払額に加算される金額を支払う必要があるものであることが判明しました。

その結果、このような広告表示について、景品表示法が禁止する有利誤認表示に該当するとして措置命令が取られました。

毎月1900円で自動車を購入することが出来るかのように表示しておきながら、実際には、それ以外にかなりの費用を支払う必要がありますので、そのような支払いの全容を理解している場合には、消費者の相当程度は当該購入をしなかった可能性が非常に高いことは明白です。

したがって、本件広告表示によって一般消費者の消費者行動は異なるものとなったと考えられますので、本ケースが有利誤認表示として違法な広告表示であったことに異論はないでしょう。

なお、仮に業界の慣行としてこのような表示がなされていたとしても、そのような慣行は一般消費者には関係ありません。

「皆でやっていることなので問題ないのではないか、自分だけ指摘されるのはおかしい」という抗弁は一切効果がありません。

いわゆる「業界の慣行」は、有利誤認表示に該当するかどうかの判断においては考慮されない点には十分注意することを心がける必要があります。

2 商品の広告表示は正確に行いましょう

最近のインターネットやSNSの利用状況を踏まえますと、インターネット上の評判や書き込み等には最大限注意する必要があります。

特にインターネット上の集客に力を入れている場合には、インターネット上の書き込みは直ちに売上に大きな影響を及ぼすと考えるべきです。

そもそも、ウェブサイト上の広告表示であれば、悪影響が及ぼす影響はさらに大きなものとなるでしょう。

このようなリスクを避け、円滑なビジネスの運営を維持するためには、広告表示を適切に行うことに常に注意するとともに、第三者の視点を加味する意味でも広告表示に対するリーガルチェックを適切に実施していただくことを強くお勧めいたします。

弊事務所は、広告法務やインターネットトラブル等を含む企業法務を幅広く取り扱っておりますので、広告表示に関する定期的なリーガルチェックをはじめ、お力になれること等ございましたら、お気軽にお問合せいただけますと幸いです。

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