ダイビングの技能認定を受けるための教育コースに関する虚偽記載について

1 ダイビングの技能認定を受けるための教育コースに関する虚偽記載について

ダイビングの技能認定を受けるための教育コースに関する虚偽記載があったケースについて、措置命令の対応がとられた事案をご紹介いたします(平成24年2月9日付措置命令)。

事案の概要としては、ダイビングの技能認定を受けるための教育コースを提供していた事業者が、ウェブサイト上等において「ダイビングライセンス取得!各月先着5名 ¥10000 ポッキリ」等という内容の広告表示をしていました。

このような記載がある場合、一般消費者としては、1万円で対象役務の提供を受け、ダイビングのライセンスを取得できるものと考えるところです。

しかしながら、実際には、1万円のほか、約2万円のダイビング器材レンタル料金を支払い、さらに、約16万円のドライスーツを購入する必要があるものであることが判明しました。

その結果、このような広告表示について、景品表示法が禁止する有利誤認表示に該当するとして措置命令が取られました。

資格を取得する際には、その資格取得きかかる費用が重要な判断要素となる以上、その点を虚偽記載をすることで消費者に一定程度の影響を与えることは明白です。

したがって、本件広告表示によって実際の費用がわかっていれば一般消費者の消費者行動は異なるものと考えられますので、本ケースが有利誤認表示として違法な広告表示であったことに異論はないでしょう。

なお、仮に業界の慣行としてこのような表示(例えば、総費用の一部を記載しない等)がなされていたとしても、そのような慣行は一般消費者には関係ありません。

「皆間違っているから自分だけ指摘されるのはおかしい」という抗弁は一切効果がありません。

いわゆる「業界の慣行」は、優良誤認表示に該当するかどうかの判断においては考慮されない点には十分注意することを心がける必要があります。

2 商品の広告表示の正確性は非常に重要です

最近のインターネットやSNSの利用状況を踏まえますと、インターネット上の口コミ等には最大限注意する必要があります。

特にインターネット上の集客に力を入れている場合には、インターネット上の口コミは直ちに売上に大きな影響を及ぼすと考えるべきです。

ネガティブな口コミは非常に速い速度で広まってしまい、そのような口コミ内容を解消することは非常に難しく、場合によっては不可能なケースもあるというのが実情です。

また、ネガティブな口コミが広まってしまう結果、問題となっている商品やサービスにとどまらず会社全体の売上に大きな悪影響を及ぼす可能性が高いと言わざるを得ません。

このようなリスクを避け、円滑なビジネスの運営を維持するためには、広告表示に対するリーガルチェックを適切に実施していただくことを強くお勧めいたします。

弊事務所は、広告法務やインターネットトラブル等を含む企業法務を幅広く取り扱っておりますので、広告表示に関する定期的なリーガルチェックをはじめ、お力になれること等ございましたら、お気軽にお問合せいただけますと幸いです。

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