中古自動車の修復歴に関する虚偽記載について

1 中古自動車の修復歴に関する虚偽記載について

中古自動車の修復歴に関する虚偽記載があったケースについて、措置命令の対応がとられた事案をご紹介いたします(平成26年11月27日付措置命令)。

事案の概要としては、中古自動車の販売事業者が、雑誌広告上等において修復歴について「修復無」等という内容の広告表示をしていました。

このような記載がある場合、一般消費者としては、その表示のとおり、当該中古自動車には修復歴がないものと考えるところです。

しかしながら、実際には、修復歴があるものであることが判明しました。

その結果、このような広告表示について、景品表示法が禁止する優良誤認表示に該当するとして措置命令が取られました。

中古自動車において、修復歴があるかどうかは、いわゆる事故車に該当するかどうかということであり、購入するかどうかを判断する上で極めて重要な要素となります。修復歴がある中古自動車については、心理的に敬遠する消費者も相当程度いるものと思われますので、購入者が修復歴を理解していれば消費者の相当程度は当該購入をしなかった可能性が非常に高いことは明白です。

したがって、本件広告表示によって一般消費者の消費者行動は異なるものとなったと考えられますので、本ケースが優良誤認表示として違法な広告表示であったことに異論はないでしょう。

なお、仮に業界の慣行としてこのような表示がなされていたとしても、そのような慣行は一般消費者には関係ありません。

「多少の大げさな表示は普通にのことなので問題ないのではないか、自分だけ指摘されるのはおかしい」という抗弁は一切効果がありません。

いわゆる「業界の慣行」は、景品表示法が禁止する違法な広告表示に該当するかどうかの判断においては考慮されない点には十分注意することを心がける必要があります。

2 商品の広告表示の正確性は企業への信頼につながります

最近のインターネットやSNSの利用状況を踏まえますと、インターネット上の評判や書き込み等には最大限注意する必要があります。

あえて言えば、商品の広告表示の信用性は、そのまま企業への信頼につながるほどのものであると理解すべきです。

企業への信頼を維持し、円滑なビジネスの運営行うためには、広告表示を適切に行うことに常に注意するとともに、第三者の視点を加味する意味でも広告表示に対するリーガルチェックを日常的に適切に実施していただくことを強くお勧めいたします。

弊事務所は、広告法務やインターネットトラブル等を含む企業法務を幅広く取り扱っておりますので、広告表示に関する定期的なリーガルチェックをはじめ、お力になれること等ございましたら、お気軽にお問合せいただけますと幸いです。

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