ベランダの虫よけ商品の性能に関する虚偽記載について

1 ベランダの虫よけ商品の性能に関する虚偽記載について

ベランダの虫よけ商品の性能に虚偽記載があったケースについて、措置命令の対応がとられた事案をご紹介いたします(平成27年2月20日付措置命令)。

事案の概要としては、ベランダの虫よけ商品を販売していた事業者が、商品パッケージ上等において、「いやな虫をよせつけない!!」、「ベランダ軒下つるだけ」、「適用害虫:ユスリカ、チョウバエ」等と広告表示をしていました。

このような記載がある場合、一般消費者としては、をベランダ等に吊り下げるなどするだ けで、表示された範囲、表示された期間にわたり、対象商品から放出される薬剤により、ユ スリカ及びチョウバエを寄せ付けない性能を有するかのように認識するところです。

しかしながら、実際には、対象商品を使用した場合の効果には疑義があり、合理的な根拠の提示がないことが判明しました。

その結果、このような広告表示について、景品表示法が禁止する優良誤認表示に該当するとして措置命令が取られました。

虫よけの効果は、商品の性能の本質的な内容となりますので、消費者としては、その性能によって商品の購入の有無を判断するものと考えられ、本ケースでは、そのような消費者心理を利用した虚偽記載であったことは明白です。

したがって、本件広告表示によって一般消費者の消費者行動は大きく異なるものと考えられますので、本ケースが優良誤認表示として違法な広告表示であったことに異論はないでしょう。

なお、仮に業界の慣行としてこのような表示がなされていたとしても、そのような慣行は一般消費者には関係ありません。

いわゆる「業界の慣行」は、優良誤認表示に該当するかどうかの判断においては考慮されない点には十分注意することを心がける必要があります。

2 商品の広告表示の正確性の維持に注意しましょう

最近のインターネットやSNSの利用状況を踏まえますと、インターネット上の口コミ等には最大限注意する必要があります。一度「悪徳業者」等のレッテルが張られてしまった場合には、そのようなレッテルを解消することは非常に難しく、場合によっては不可能なケースもあるというのが実情です。

また、問題となっている商品以外の商品についても同様の疑いを掛けられてしまい、会社全体の売上に大きな悪影響を及ぼす可能性が高いと言わざるを得ません。

このようなリスクを避け、円滑なビジネスの運営を維持するためには、日常的な業務の一つとして広告表示に対するリーガルチェックを実施していただくことを強くお勧めいたします。

弊事務所は、広告法務やインターネットトラブル等を含む企業法務を幅広く取り扱っておりますので、広告表示に関する定期的なリーガルチェックをはじめ、お力になれること等ございましたら、お気軽にお問合せいただけますと幸いです。

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