クーポン(割引券)について

1 景表法の規制対象となるかどうか

クーポン(割引券)が景表法の規制対象となるかどうか、というご質問をいただくことがよくあります。

結論としては、景表法の規制対象となる場合もあれば、ならない場合もあるということになるのですが、ここでは、代表的な考え方をご紹介いたします。

まず、自己の供給する商品等の取引において用いられるクーポン(割引券)については、それが自己との取引に用いられ、取引通念上妥当と認められる基準に従っているものである場合には、「正常な商慣習に照らして値引と認められる経済上の利益」となり、景表法の規制対象である「景品類」には該当しないと考えられます(定義告示運用基準6(3)ア等)。

他方で、自己だけではなく他の事業者との取引においても共通して用いることができる共通クーポン(割引券)については、景表法上の規制対象となる場合もありますので、十分に注意する必要があります。

また、自己との取引においても用いられるクーポン(割引券)であっても、特定の商品等とのみ引き換えることができるものである場合には、景表法上の規制対象となります。

以上のとおり、クーポン(割引券)といっても、その実態がどのようなものかによって景表法上の規制対象となるかどうかは大きく異なります。

景表法上の規制対象となる場合には上限額が設けられることになりますし、知らずに行ったとしても景表法上のペナルティが課せられてしまいます。

景表法上のペナルティが課された場合には、一般消費者からは悪徳業者等のレッテルを貼られてしまいますので、その後の企業活動に重大な悪影響を与えるリスクがありますので最大限注意をする必要があります。

2 クーポン(割引券)の利用は誤解も多いので、まずは弁護士にご相談ください

クーポン(割引券)については、上記1のとおり、ケースバイケースでの判断が必要となります。

セール等とは違い、景表法の規制対象とならない場合には、顧客に対して安さを訴求できる貴重な方法となりますので、多くの企業が景表法の規制対象とならない形でクーポン(割引券)を駆使しているのが実情です。

ただ、他の企業がやっていることだから大丈夫だろうという安易な気持ちで自由にクーポン(割引券)を利用することはリスクが伴います。 まずは、弁護士にご相談いただき、想定しているクーポン(割引券)の使用方法が問題ないかどうかをご確認いただくことをお勧めいたします。

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