貿易実務において、最も難しく、かつ税額に直結するのが「HSコード(品目分類)」の決定です。世界中のあらゆる商品は、いずれかの番号に分類されますが、この番号が一つ違うだけで、関税率が「0%」になるか「20%」になるかが変わることも珍しくありません。
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1 解釈が割れるケース
例えば、極端な話ですが、「カメラ付きのドローン」は「カメラ(空飛ぶカメラ)」なのか、「ヘリコプター(航空機)」なのか?
「栄養ドリンク」は「清涼飲料水」なのか、「医薬品」なのか?
HSコードは、「関税率表の解釈に関する通則」や「解説(Explanatory Notes)」等に基づいて決定されますが、物によっては専門家によっても見解が分かれるものもあるほどです。
2 「事前教示制度」の利用
輸入申告の前に、税関に対して「この商品のHSコードは何番になりますか?」と正式に問い合わせ、書面等で回答をしてもらえる制度が「事前教示」です。
この回答書には一定の法的効力があり(通常3年間)、実際の通関時に照会をした物をその番号で申告すれば、後で「間違いだ」と言われるリスクを大幅に排除することができます。
3 弁護士が作成する「意見書」の効果
事前教示をスムーズに進めるためには、単にカタログやスペック書を送るだけでなく、「なぜ、この商品は●●番に分類されるべきなのか」を論理的に説明した意見書を添付することが効果的です。
「機能」「材質」「加工度」などの要素を法的・技術的に分析し、誰もが納得するような説明を最初の段階で構築しておくことが事前教示をスムーズに進めるためのポイントとなります。ここで重要な点は、最初の段階で構築しておくことです。
税関とのやり取りが進んで雲行きが怪しくなった段階で方向展開を試みたとしても、既に対応が難しい場合も非常に多くあります。最初の段階で丁寧に説明すればよかったところを後から説明を加えようとしてもなかなか信じてもらうことは難しいというのが実情です。
4 更正の請求について
もし、過去に誤って高い関税率のコードで申告していたことに気づいた場合、通関業者を通じて「更正の請求」を行うことで、払いすぎた関税を取り戻せる可能性があります(原則、輸入許可から5年以内)。
ただ、手続としては存在するものの、輸入した貨物の特定が困難であること等から実際にこの手続を利用することにはいくつかのハードルが存在します。
弊事務所では、輸入、輸出分野を中心に幅広く企業法務に対応しておりますので、お困りごとがございましたら、お気軽にお問い合わせください。

有森FA法律事務所の代表弁護士、有森文昭です。東京大学法学部および法科大学院を卒業後、都内の法律事務所での経験を経て、当事務所を開設いたしました。通関士や行政書士の資格も有し、税関対応や輸出入トラブル、労働問題など、依頼者の皆様の多様なニーズにお応えしています。初回相談から解決まで一貫して対応し、依頼者の最良のパートナーとして、共に最適な解決策を追求してまいります。

