発信者情報開示請求の流れ|IPアドレス特定から氏名特定まで

本記事では、誹謗中傷の加害者を特定する具体的な流れ、必要な期間、そして成功させるための重要ポイントについて、ご紹介します。

1 発信者情報開示請求とは?

発信者情報開示請求とは、プロバイダ責任制限法に基づき、インターネット上で他人の権利を侵害する書き込みを行った人物の「住所・氏名・電話番号」などの情報を開示させる手続きのことです。

通常、ネット上の書き込みは匿名で行われますが、その裏には必ず通信を行った記録(ログ)が存在します。このログを辿ることで、投稿者を特定し、損害賠償請求や刑事告訴を行うことが可能になります。

2 犯人特定までの「2段階」のステップ

以前の手続きは非常に時間がかかりましたが、現在は「新しい裁判手続(非訟手続)」も導入されています。

しかし、基本となる構造は以下の2段階であることに変わりありません。

(1)ステップ①

コンテンツプロバイダ(サイト管理者)への請求

まずは、書き込みがなされたWebサイト(X/Twitter、Google、掲示板管理者など)に対して、投稿に使われた「IPアドレス」と「タイムスタンプ」の開示を求めます。

サイト管理者が任意で開示することは稀であるため、多くの場合は裁判所を通じて「仮処分」という手続きを行います。

この段階で、相手がどこの通信会社(プロバイダ)を使って投稿したかが判明します。

ここではスピードが命です。IPアドレスなどのアクセスログは、サイト側で永久に保存されているわけではありません。一般的に3ヶ月〜6ヶ月程度で消えてしまうことが多いため、書き込みを見つけたら直ちに動く必要があります。

(2)ステップ②

アクセスプロバイダ(通信会社)への請求

IPアドレスから判明した通信会社(docomo、SoftBank、niftyなど)に対して、「その時間に、そのIPアドレスを使っていた契約者の個人情報(住所・氏名など)」の開示を求めます。通信会社は契約者の個人情報を守る義務があるため、原則として裁判(訴訟または非訟手続)が必要になります。

また、通信会社から契約者に対して「情報を開示しても良いか?」という意見照会書が届くのもこの段階です。

裁判所が「権利侵害が明らかである」と判断すれば、開示命令が出され、ついに投稿者の身元が判明します。

3 特定にかかる期間はどれくらい?

法改正により手続きの一部は一本化されましたが、それでも特定までには一定の期間を要します。

①最短ケース: 数ヶ月〜半年程度

②通常ケース: 半年〜1年程度

③争う点が多いケース: 1年以上

相手方が激しく争ってくる場合や、海外法人が相手の場合などは、さらに時間がかかることもあります。しかし、早期に着手すればするほど、ログが残っている可能性が高く、特定の成功率は上がります。

4 特定に成功した後にできること

加害者が特定できれば、以下の法的措置をとることが可能になります。

①損害賠償請求(慰謝料請求)

民事裁判や示談交渉を通じて、精神的苦痛に対する慰謝料や、調査にかかった弁護士費用を請求します。

②刑事告訴

名誉毀損罪や侮辱罪などで警察に告訴し、処罰を求めます。

③今後の一切の接触禁止

誓約書を書かせ、二度と同様の行為を行わないよう約束させます。

発信者情報開示請求は、時間との戦いです。

「いつか消えるだろう」と放置している間にログが消え、特定が不可能になってしまうケースは後を絶ちません。

まずは、問題の書き込みのURLと、その内容がわかるスクリーンショット(投稿日時や前後の文脈が含まれるもの)を保存してください。そして、一日でも早くインターネット問題に強い弁護士へ相談することをお勧めします。

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