景品表示法に違反する広告表示を行ってしまった場合には、行政から措置命令や課徴金納付命令が下されるリスクがあります。景品表示法の改正も定期的に行われており、その結果事業者に対する規制も強くなる傾向にあることも注意が必要です。
また、万一これらの命令を行政から下されてしまった場合には、当該企業の評判に大きな悪影響を生じさせるリスクがあり、企業が商品やサービスに関して広告を行う場合には景品表示法に違反する広告には十分注意する必要があります。
本日は令和6年にペット用サプリメントの供給事業者に対して課徴金納付命令が下された事例をご紹介いたします(ご紹介の関係で一部概要となります。)。
このページの目次
1 違反内容の詳細
当該事業者は、自社のウェブサイトやアフィリエイトサイト上などで、
①目が白濁している犬のイラストと共に、「年齢とともに不自由になっていく●●・・・若々しかった目の輝きもなくなったような・・・」などと記載し、あたかも本件商品を犬に摂取させることで、白濁した瞳が改善する効果が得られるかのように示していました。
②また、「●●を使い始めて目の濁りが少なくなった」、「獣医さんから目が良くなっていると褒められた」などの口コミを掲載し、あたかも本件商品を犬に摂取させることで、白内障が治る効果が得られるかのように示していました。
③さらに、「No.1 日本トレンドリサーチ 初めてでも安心の愛犬のアイケアサプリ」などと表示し、あたかも客観的な調査結果に基づき、本件商品が各項目で第1位であるかのように示していました。
以上の広告表示に対して、消費者庁が表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、当該事業者から提出された資料は、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものとは認められませんでした。
また、ランキング表示に関しても、調査は特定のウェブサイトの印象を問うものであり、客観的な調査方法で行われたものではありませんでした。
2 消費者庁の判断
以上を踏まえて、消費者庁は、景表法第5条第1号(優良誤認表示)に該当することを理由に同法第8条第1項に基づき当該事業者に対して課徴金納付命令を下しました。
3 景品表示法に違反する広告にはご注意ください
本件は、製品やサービスの効果を過大に表示し、消費者に誤解を与えた典型的な事例です。
景品表示法は、消費者が正確な情報に基づいて商品やサービスを選択できるよう、事業者の表示行為を規制しています。企業は、自社の広告や表示が法令に適合しているかを常に確認し、適切な情報提供を行うことが求められます。
具体的には、①表示内容の正確性、②根拠資料の整理・保持、③社内教育の徹底を行うことが事業者には求められております。
当事務所では、景品表示法に関するご相談や広告表示の適法性チェックなどのサービスを提供しております。お気軽にお問い合わせください。