景品表示法に違反する広告表示を行ってしまった場合には、行政から措置命令や課徴金納付命令が下されるリスクがあります。景品表示法の改正も定期的に行われており、その結果事業者に対する規制も強くなる傾向にあることも注意が必要です。
また、万一これらの命令を行政から下されてしまった場合には、当該企業の評判に大きな悪影響を生じさせるリスクがあり、企業が商品やサービスに関して広告を行う場合には景品表示法に違反する広告には十分注意する必要があります。
本日は令和6年にエアガン用BB弾の供給事業者に対して課徴金納付命令が下された事例をご紹介いたします(ご紹介の関係で一部概要となります。)。
このページの目次
1 違反内容の詳細
当該事業者は自社のウェブサイト上で、販売するBB弾に関して
①「植物由来(PLA)やミネラル成分で構成された『本物』の生分解、高精度BB弾です。石油系の原材料は一切使用していません。」
②「土の中や水中の微生物によって、地表落下後に水と二酸化炭素に分解されるため、屋外フィールドでの使用に適しています。」
といった表示を行っていました。
これらの表示により、消費者は本件商品が使用後、自然環境下で速やかに生分解されると認識する可能性があります。
しかしながら、消費者庁が合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、事業者側から提出された資料は、これらの表示を裏付けるものとは認められませんでした。
2 消費者庁の判断
以上を踏まえて、消費者庁は、景表法第5条第1号(優良誤認表示)に該当することを理由に同法第8条第1項に基づき当該事業者に対して1000万円超の課徴金納付命令を下しました。
3 景品表示法に違反する広告にはご注意ください
本件は、製品の環境性能に関する表示が消費者に誤解を与え、景品表示法違反と認定された事例です。企業は、製品の特性や性能を広告・表示する際、その内容が事実に基づき、消費者に誤認を与えないものであることを確認する責任があります。特に、環境性能や安全性に関する表示は、消費者の購買判断に大きな影響を与えるため、より一層の注意が求められます。
景品表示法は、消費者が正確な情報に基づいて商品・サービスを選択できるよう、事業者の表示行為を規制しています。
企業は、自社の広告・表示が法令に適合しているかを常に確認し、適切な情報提供を行うことが求められます。
当事務所では、景品表示法に関するご相談や広告表示の適法性チェックなどのサービスを提供しております。お気軽にお問い合わせください。