Webサイトやアプリを利用していて、こんな経験はないでしょうか?
「解約したいのに、解約ボタンがどこにあるか分からない」、「買い物の際、頼んでもいないオプションのチェックボックスが最初からONになっていた」、「『残りあと5分』というカウントダウンが表示され、焦って購入した」
このように、ユーザーの認知バイアス(思い込みや焦り)を利用し、事業者にとって有利な方向へ意図的に誘導する悪質なUI/UXデザインのことを「ダークパターン」と呼びます。現在、このダークパターンに対する規制が世界中で強化されており、日本でも消費者庁が実態調査に乗り出すなど、取締りが本格化しています。
このページの目次
1 代表的なダークパターンの種類
ダークパターンには様々な手口がありますが、特に問題視されているのは以下のようなタイプです。
①スニーキング
ユーザーが気づかないうちに、カゴに商品を追加したり、有料オプションを同意させたりする手法。定期購入の契約であることを隠して「初回0円」を強調するのもこれに当たります。
②アージェンシー
「在庫あとわずか」「今見ている人が○○人います」「セール終了まであと○分」といった表示で、嘘の緊急性を演出して購入を迫る手法
③オブストラクション
登録は簡単なのに、解約の手続きだけ極端に複雑にする手法(ローチ・モーテル)。電話でしか解約できない、何度も引き止めページが表示されるなどが該当します。
④ミスディレクション
「いいえ」のボタンを極端に小さくしたり、色を薄くしたりして、ユーザーが視覚的に「はい(有料登録)」を選びやすくするデザイン。
2 日本における法的規制
現時点では「ダークパターン禁止法」という単独の法律はありませんが、既存の法律によって違法性が問われます。
①特定商取引法
2022年の改正により、詐欺的な定期購入の規制が強化されました。「最終確認画面」において、解約条件や総額を明確に表示しなければならず、解約を不当に妨害する行為は行政処分の対象となります。
②景品表示法
実際には期間制限がないのにカウントダウンタイマーを表示することは「有利誤認表示」にあたります。また、「No.1表示」などの根拠のない権威付けも規制対象です。
③消費者契約法
消費者が誤認して結んだ契約の取消権を認めています。不当な勧誘による契約は、後から無効・取消しとなるリスクがあります。

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