景品表示法上の「表示」について

時折、「景品表示法といいますが、表示って、どのようなものが該当するのですか。通常の語感だと、非常に広い概念であると思うのですが。」というご質問をいただく場合があります。

非常に基本的は論点ではありますが、本日は、景品表示法における「表示」についてご説明いたします。

1 景品表示法における「表示」について

まず、景品表示法2条4項において「表示」の定義が設けられています。

具体的には、「顧客を誘引するための手段として、事業者が自己の供給する商品又は役務の内容又は取引条件その他これらの取引に関する事項について行う広告その他の表示であつて、内閣総理大臣が指定するものをいう。」と規定されています。

このとおり、景品表示法における「表示」とは、通常の意味での表示に様々な限定を付したものであり、一般の方が考える表示よりは狭い意味で用いられています。

ただし、当該規定は、あくまでも景品表示法で規制される「表示」の外枠を規定したものに過ぎず、実際にどのような内容であれば、「表示」に該当するかは、一つ一つ判断していくほかありません。

一連の要件の中で、よく質問いただくのが、「顧客を誘引するための手段」という部分の解釈についてです。

「これまで取引している相手に対して行う広告は、顧客を誘引するためのものではないといえるのではないか」、とのご質問をいただくことがありますが、継続的に取引している相手に対する広告も取引を継続させるという意味で「顧客を誘因する」に該当する考えられておりますので、注意が必要です。

2 広告のリーガルチェックの重要性

ある広告が違法な広告である旨の判断をされてしまうと、措置命令や課徴金納付命令等の行政処分が下される可能性がありますし、また民事上の不法行為責任等を負うリスクもあります。

また、昨今のインターネットやSNSの利用環境を踏まえると、「悪徳業者」等のレッテルが拡散されてしまうリスクもあり、そうなってしまうと企業の評判にも悪影響が生じ、ビジネス上大きなデメリットとなります。

広告に関しては、事前に詳細なリーガルチェックを行うことで、トラブルが起こるリスクを把握したり、そもそものトラブルの発生を回避することができる場合も相当程度あります。

当事務所は、企業法務やインターネットトラブル、広告法務を幅広く取り扱っておりますので、広告のリーガルチェックを含めてお困りのことがありましたらお気軽にお問い合わせいただけますと幸いです。

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