旅館の宿泊プランに関する広告表示の虚偽記載について

1 旅館の宿泊プランに関する広告表示の虚偽記載について

旅館の宿泊プランに関する広告表示に虚偽記載があったケースについて、措置命令の対応がとられた事案をご紹介いたします(平成26年10月23日付措置命令)。

事案の概要としては、旅館が、「内容・特色 地元天然とらふぐを使った料理」等の広告表示を、ウェブサイト上等に行っていました。

このような記載がある場合、一般消費者としては、表示されるとおりの料理の提供がなされるものと認識するところです。

しかしながら、実際には、提供する料理に使用されていたのは養殖のトラフグ又はトラフグよりも安価で取引されているゴマフグであることが判明しました。

その結果、このような広告表示について、景品表示法が禁止する優良誤認表示に該当するとして措置命令が取られました。

本ケースでは、旅館で提供される料理の内容に関して一般消費者が正確な認識を有していた場合には、一般消費者の消費者行動は異なるものとなった可能性は十分と考えられるところであり、本ケースが優良誤認表示として違法な広告表示であったことに異論はないでしょう。

なお、いわゆる「業界の慣行」は、優良誤認表示に該当するかどうかの判断においては考慮されない点には十分注意することを心がける必要があります。

「この業界では、常識だ」等と主張したとしても、それは業界自体に問題があるというだけであり、自社の広告表示が適切であったことにはなりません。

商品やサービスの内容について正確な表示を心がけることがトラブル等を避ける上ではなによりも重要です。

2 商品の広告表示の正確性には常にご注意ください

インターネットやSNSは、良い評判が広まれば、企業の売上を大きく伸ばすことに結びつきますが、その反対も同様です。

一度悪い評判がインターネット上で広まってしまうと、挽回が不可能になってしまう場合も珍しいことではなく、特に旅館が提供する料理については、口コミ等の影響も非常に大きいところであり、旅館全体の悪評につながるリスクも高いといえます。

円滑なビジネス運営を行うためには、企業への信頼を維持するために広告表示を適切に行う点に日常的に注意を払うとともに、第三者の視点を加味する意味でも広告表示に対するリーガルチェックを適切に実施していただくことを強くお勧めいたします。 弊事務所は、広告法務やインターネットトラブル等を含む企業法務を幅広く取り扱っておりますので、広告表示に関する定期的なリーガルチェックをはじめ、お力になれること等ございましたら、お気軽にお問合せいただけますと幸いです。

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