分譲マンションの施工内容の虚偽記載について

1 分譲マンションの施工内容の虚偽記載について

分譲マンションの施工内容に関する広告表示に虚偽記載があったケースについて、措置命令の対応がとられた事案をご紹介いたします(平成24年8月21日付措置命令)。

事案の概要としては、分譲マンションの販売事業者が、「コンクリート水セメント比50%以下」等の広告表示を、チラシやパンフレット上等に行っていました。

このような記載がある場合、一般消費者としては、表示されるとおり、鉄筋コンクリートの水セメント比が全て50%以下であるものと認識するところです。

しかしながら、実際には、物件の鉄筋コンクリートのうち、外構の塀、花壇の基礎、土間など建物本体以外の部位の一部については、水セメント比が50パーセントを超えることが判明しました。

その結果、このような広告表示について、景品表示法が禁止する優良誤認表示に該当するとして措置命令が取られました。

水セメント比はコンクリートの強度に関わるものですので、水セメント比に関して一般消費者が正確な認識を有していた場合には、一般消費者の消費者行動は異なるものとなった可能性は十分と考えられるところであり、本ケースが優良誤認表示として違法な広告表示であったことに異論はないでしょう。

なお、いわゆる「業界の慣行」は、優良誤認表示に該当するかどうかの判断においては考慮されない点には十分注意することを心がける必要があります。

「この業界では、多少大げさな表示をすることは常識だ」等と主張したとしても、それは業界自体に問題があるというだけであり、自社の広告表示が適切であったことにはなりません。

商品やサービスの内容について正確な表示を心がけることがトラブル等を避ける上ではなによりも重要です。

2 商品の広告表示の正確性には常にご注意ください

インターネットやSNSは、良い評判が広まれば、口コミの効果によって企業の売上を大きく伸ばすことに結びつきますが、その反対も同様です。

一度悪い評判がインターネット上で広まってしまうと、挽回が不可能になってしまう場合も珍しいことではありません。

円滑なビジネス運営のためには、提供する商品やサービスに関する広告表示を適切に行う必要がありますので、第三者の視点を加味する意味でも広告表示に対するリーガルチェックを適切に実施していただくことを強くお勧めいたします。 弊事務所は、広告法務やインターネットトラブル等を含む企業法務を幅広く取り扱っておりますので、広告表示に関する定期的なリーガルチェックをはじめ、お力になれること等ございましたら、お気軽にお問合せいただけますと幸いです。

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