スーツ等の衣料品の価格の虚偽記載について

1 スーツ等の衣料品の価格の虚偽記載について

スーツ等の衣料品の価格に虚偽記載があったケースについて、措置命令の対応がとられた事案をご紹介いたします(平成23年7月26日付措置命令)。

事案の概要としては、スーツ等の衣料品を販売していた事業者が、チラシ上等において、「スーツ・コート・ジャケット 全品半額」と広告表示をしていました。

このような記載がある場合、一般消費者としては、店舗で販売されているスーツ、コート、ジャケットは全て通常の販売価格の半額で購入することが出来るかのように認識するところです。

しかしながら、実際には、半額で販売されていたスーツ等は、一定の価格以上のものに限定されている状況であり、全品半額とは到底言えない状況にあることが判明しました。

その結果、このような広告表示について、景品表示法が禁止する有利誤認表示に該当するとして措置命令が取られました。

全品半額であれば気に入った商品を探し購入しようと考え、店舗に訪れる消費者はかなりの数いるものと思われ、本ケースでは、そのような消費者心理を利用した虚偽記載であったことは明白です。

したがって、本件広告表示によって一般消費者の消費者行動は大きく異なるものと考えられますので、本ケースが有利誤認表示として違法な広告表示であったことに異論はないでしょう。

なお、仮に業界の慣行としてこのような表示がなされていたとしても、そのような慣行は一般消費者には関係ありません。

いわゆる「業界の慣行」は、優良誤認表示に該当するかどうかの判断においては考慮されない点には十分注意することを心がける必要があります。

2 商品の広告表示の正確性の確認のため、リーガルチェックを行うことをお勧めいたします

最近のインターネットやSNSの利用状況を踏まえますと、商品やサービスに関する広告表示が景品表示法等の法令違反や虚偽の記載があった等と指摘された場合、その情報は瞬く間に拡散してしまいます。

また、その影響は長期的に及ぶことが予想され、一度「悪徳業者」等のレッテルが張られてしまった場合には、挽回するためには多大な労力が必要となり、そもそも場合によっては挽回することが不可能なケースもあるというのが実情です。

このようなリスクを避け、円滑なビジネスの運営を維持することが重要であり、広告表示については正確な表示を心がけるとともに、第三者の視点を踏まえるという意味でも、日常的な業務の一つとしてリーガルチェックを実施していただくことをお勧めいたします。

弊事務所は、広告法務やインターネットトラブル等を含む企業法務を幅広く取り扱っておりますので、広告表示に関するリーガルチェックをはじめ、お力になれること等ございましたら、お気軽にお問合せいただけますと幸いです。

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