関税法違反で「刑事告発」されたらどうなる?密輸・脱税事件における弁護活動と量刑への影響

輸入トラブルの中でも最悪の事態が、行政処分を超えて「刑事事件」になることでしょう。 「指定薬物を輸入してしまった」、「意図的なアンダーバリュー(脱税)が悪質とみなされた」といった場合、警察や税関の犯則調査部門による捜査が行われ、検察庁へ告発・起訴される可能性があります。

1 関税法違反の重い罰則

関税法違反の罰則は非常に重く設定されています。

①無許可輸入(禁制品の密輸): 10年以下の懲役、3000万円以下の罰金(併科あり)。

②脱税(偽りによる関税免れ): 10年以下の懲役、1000万円以下の罰金(または脱税額の10倍)。また、法人処罰(両罰規定)もあり、会社自体にも巨額の罰金が科されることがあります。

2 逮捕・勾留のリスク

密輸容疑の場合、証拠隠滅や逃亡の恐れがあるとして、逮捕・勾留されるリスクが高いです。長期間身柄を拘束されれば、会社の業務は停止し、社会的信用も低下します。弁護士は、早期の身柄解放(勾留阻止、保釈請求)に向けて活動します。

3 「故意(わざと)」かどうかが重要な争点

刑事裁判で最大の争点となるのは「故意」の有無です。

「中身が麻薬だとは知らなかった(知人から荷物を預かっただけ)」、「通関業者に任せていたので、価格が間違っているとは知らなかった」

このように、「犯罪を行う意思がなかった」ことを客観的な証拠(メール、LINE、取引履歴など)に基づいて主張・立証できるかが、無罪または執行猶予を勝ち取るための鍵となります。

4 弁護活動の重要性

税関による犯則調査は、通常の行政調査(事後調査)とは次元の異なる、極めて厳格かつ強制的な手続きです。関税法違反(脱税や輸出入禁止商品の所持など)の疑いがある場合、税関の犯則事務調査官は裁判所の令状に基づく家宅捜索や差押えを行う権限を持っており、その追及は非常に鋭く、時には連日にわたる執拗な取り調べが行われることも少なくありません。

このような極限状態においては、心理的なプレッシャーから、事実とは異なる内容や、自社にとって著しく不利な解釈を含む供述をしてしまうリスクが常に付きまといます。一度作成され、署名・指印してしまった調書を後から覆すことは裁判において至難の業であり、その一枚の書面が企業の運命を決定づけてしまうのです。

だからこそ、調査の初期段階から速やかに弁護士を選任しておくことが、最大の防御となります。弁護士は、被疑者となった経営者や担当者に対し、取り調べに対する具体的な法的アドバイス(憲法で保障された黙秘権の適切な行使や、誘導的な質問への対処法など)を行い、捜査機関による強引なストーリー構築や不当な調書の作成を未然に防ぎます。

また、犯則調査の結果は、高額な追徴課税という経済的打撃にとどまらず、検察官への告発を通じた刑事罰(懲役や罰金)へと発展し、企業の社会的信用を完全に失墜させる恐れがあります。まさに企業の存続がかかる重大局面であるからこそ、税務や通関の知識のみならず、刑事弁護の経験が豊富で、当局と対等に渡り合える弁護士の存在が不可欠です。事態が悪化し、取り返しがつかなくなる前に、迷わず刑事弁護に強い専門家を頼ってください。

 

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