外為法上、貨物を輸出する場合には、リスト規制、キャッチオール規制といった規制の該当性を判断しなければならないことは、貨物の輸出を業として行っている法人や個人事業主の方に広く知られていることと思います。
また、大学や各種研究機関においては、共同研究や留学生の受け入れ等、外為法の規制該当性に関して非常に微妙な判断をする必要がある場面も多くあります。
外為法においては、『居住者』に該当するのか、それとも『非居住者』に該当するのか、といったいわゆる居住者性該当性判断が重要となる場合も多くあります。
1 非居住者とは
以下の場合、非居住者と判断されます。
(1)日本人(個人)の場合
①外国にある事務所に勤務する目的で出国し外国に滞在する者、②2年以上外国に滞在する目的で出国し外国に滞在する者、③出国後外国に2年以上滞在している者、④上記①~③に掲げる者で、一時帰国し、その滞在期間が6か月未満の者
(2)外国人(個人)の場合
① 外国に居住する者、②外国政府又は国際機関の公務を帯びる者、③外交官又は領事館及びこれらの随員又は使用人(ただし、外国において任命又は雇用された者に限る。)
(3)法人の場合
①外国にある外国法人等、②日本法人等の外国にある支店、出張所、その他の事務所、③我が国にある外国政府の公館及び国際機関
非居住者の国・地域の判断に当たっては、非居住者の居所若しくは住所又は主たる事務所の所在地が基準となる点には注意が必要です。
2 外為法の規制には十分ご注意ください
貨物を輸出する場合(及び技術を国際間で移転、提供する場合)には、外為法上の厳格な規制が存在します。
日本国内で購入したものであるから、海外に輸出しても問題ないと安易に考えることは非常に危険であり、日本国内で一般に販売されている物品であっても、海外に輸出する際には規制対象となる品目は多数存在します。
日用品として用いる小さな機械製品であっても大量破壊兵器や一般兵器に転用することが可能な場合は多数存在します。
知らなかったでは済まされず、重大な犯罪行為(ひいては国際的な平和を損なう行為にもなりかねないことはくれぐれも気を付けるべきです。)となってしまい、違反した場合には重い刑事罰等も存在しますので、貨物を輸出する場合(及び技術を国際間で移転、提供する場合)において、外為法の規制内容に少しでも不安がある場合には、事前にご相談いただくことを強くお勧めいたします。